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旅に求めるものは、人それぞれ。
私の場合は「好奇心を満たす旅」「知的探求心を発動する旅」を選んでしまいます。
今日のコードは「遺跡をめぐる旅」です。

■今週のChordは“遺跡をめぐる旅”

Between Two Points / David Gilmour & Romany Gilmour

ピンク・フロイド時代、1971年の「ポンペイ遺跡ライブ」はいまだ伝説となっています。
デビッド・ギルモアと娘のロマニーの共演で、2024年のソロアルバム『Luck and Strange』からお送りしています。

サウンドもそうですし、ボーカルが、もし若い女性シンガー何人かをブラインドテストしても、この人がロマニー・ギルモア、娘だって分かるような・・・何か発音とか音ののばしかたに同じ骨格の人だな~というのを感じるんですよね。

デビッド・ギルモア&ロマニー・ギルモアで「Between Two Points」。

そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
今月1日から、パスポートの申請が安くなったということもあって、旅行に出かける方も増えるかもしれませんし・・・この円安ですから、なかなか心の旅で済ませる人もいるかもしれませんね。心の留学とか。

旅に求めるものは、人それぞれ。
私の場合は「好奇心を満たす旅」「知的探求心を発動する旅」を選んでしまいます。
そんなわけで、今日のコードは「遺跡をめぐる旅」です。

・・・と、言いつつ、私は、現在、ツアーの合間を使って体調メンテナンス中です。
そもそも、ツアーが旅のようなものだったりもしますし、この夏にプライベートで旅に出る予定も今のところはありません。
でも、実は今日、7月24日はある遺跡にまつわる記念日なんですね~。
今から115年前の1911年7月24日は、アメリカの探検家、ハイラム・ビンガム氏がアンデス山麓の尾根沿いを探索中に、マチュ・ピチュ遺跡を発見した日、なんだそうです。

そんな、ペルー南部のウルバンバ渓谷の山あいに位置するマチュ・ピチュ遺跡。私も行ったことがあります。

マチュ・ピチュを説明すると、標高およそ2400m・・・すごく高く感じるかもしれないけれど、もっと高いところからアマゾンの方に降りていく途中にニョキッと山があって・・・なので、ものすごく高いというわけでもないんですよ。

インカ帝国の都市遺跡で神殿や王宮をはじめ、石造りの建物はどれも、精巧な建築技術のもとで造られていて、その石組みはカミソリの刃も通さないくらい、きっちり正確だそうです。
手術台というものが印象に残っていますね。外科手術をしたという。
今、スタジオで話しているこのテーブルの大きさくらいの平な石に、何か液が流れても大丈夫なような溝が下の方に彫ってあるんです。

その後、16世紀にスペイン軍によって支配されたんです。山頂のマチュ・ピチュはふもとから確認できずに気づかれることなく、歴史の波にのまれることなく、人々の生活の場として残っていたんですね。
そこに居た人たちは、ほとんどがこつ然と消えたみたいなので、先ほどの精巧な建築とあいまってものすごく宇宙を感じます。

南米への旅は、1990年に雑誌「エスクァイア日本版」の別冊として発行された、『TIERRA 松任谷由実、南米冒険記』にまとめられているんですけど・・・ペルーのリマからクスコ、マチュ・ピチュ、そしてアマゾンからリオ・デ・ジャネイロへ。
1989年に訪れたこの旅の工程で、アマゾンをクルーズしたのはすごく印象に残っていますね。

ちなみに、「南米に眠る生命エネルギーが地球を救う日」というタイトルで、ライアル・ワトソン博士と対談もしています。
ライアル・ワトソン博士には、すごくたくさん影響を受けました。「ネオフィリア」という本がとても面白いですから、ぜひ読んでいただけるとうれしいです。

エジプトも遺跡がたくさんありますが、ピラミッドはもちろん、印象に残っているのは、エジプト中部にある古代都市テーベ(現在はルクソールと呼ばれている宗教都市)、ここで見たルクソール神殿!壁面の装飾も緻密で美しかったですね。
自分ごとでおこがましいですけれど、ステージでそういうポーズをするときに、壁画の人になったつもりで・・・体は前を向いていて、足は横を向いていて、首も横に向いているという、変にねじれた形をすると壁画の人になります。余談でした。

Adiemus / Karl Jenkins

映像が見えて、シーンがどんどん変わっていくような感じがしますね。それも、壁画を拝見したり、海の中にもぐったりと。
この曲はウェールズ出身のコンポーザー/アレンジャー、カール・ジェンキンスのプロジェクト。
お送りしたのは、カール・ジェンキンスで「アディエマス」でした。

今日は、私がこれまで訪れてきた遺跡のお話をしていますが・・・ヨーロッパ方面だと、例えば、紀元前1900年頃のクレタ文明(ミノア文明とも言う)の遺跡です。ギリシャのクレタ島にあるクノッソス宮殿。
宮殿は3~4階建てで、数多くの部屋や廊下が中庭を取り囲む構造で、建造物の柱はギリシャ建築には見られない、下側が細くなるという特徴があります。

クノッソス宮殿はギリシャ神話に登場する、牛の頭と人間の身体をもつ、ミノタウロスが住んでいたという伝説もあるとか。壁画もあるので信ぴょう性ありますし・・・これは神話の中で一番ゾッとする、戦慄が走る怖さがあるんですよね。
今の文明よりも前に一度滅びた文明がある。で、その前にも更にあったかもしれないという。その時の記憶が伝承されて神話になったり、物語になったりしているなかで、この時の文明には今よりも高度な・・・バイオテクノロジーも発達していたんじゃないかな。

アテネの町を見下ろすアクロポリス、その中にあるパルテノン神殿は、建築技術と芸術性は古代ギリシャ文明の最高峰と言われています。
アテネの街に入ると、丘の上に見えますからね。

ずっと憧れていた場所のひとつ、アイルランドにも出かけて、日本との共通点を感じるケルト文明の遺跡も見てきました。神社仏閣という構造の気がします。
ケルト系修道院跡や「ケルト十字」、「ケルト文字」など。

遺跡とは言えないですが、アイルランド西海岸に面した「モハーの断崖」も印象深いです。
高さ約200m全長8kmに及ぶ大西洋に面した断崖絶壁です。
シナイ半島とかは離れているんだけれど、もし旧約聖書を絵に描いたとしたらこんな場所なんじゃないかなって。こんな場所にモーゼが立って強風に吹かれていたような姿が目に浮かびます。

それからイタリアのシシリー島南西部に位置するアグリジェントに立ち並ぶ神殿たち・・・「神殿の谷」にも行きました。コンコルディア神殿とかヘラクレス神殿。
それから、え、こんなところにも遺跡が!という、フランス・リヨン地方の歴史地区にも行きました。
サン・ジャン大聖堂はロマネスク様式とゴシック様式と併せ持った建築で、1175年に着工し、300年以上かけて完成したといいます。ステンドグラスが美しいです!

リヨンのノートルダム大聖堂は聖母マリアに捧げられた聖堂で、ステンドグラスやモザイク画はフランスの歴史や聖母マリアの生涯が描かれています。

・・・と、いろいろ遺跡めぐり体験をお話してきましたが、改めて遺跡とは「兵どもが夢の跡」というか、ローマ軍はこんなところにまで来ていろんなものを建てていたんだなという勢力の痕跡でもあり、そこで暮らした人たちの姿がのぼりたつような感じがするんですよ。

ではここで、今日のコード「遺跡をめぐる旅」にちなんだ私の曲を。
先程のウェールズ出身のジェンキンスプロジェクトもそうなんですけれど、ケルティックなスケールで私も時々研究して使います。
そんなわりと初期につくった「BABYLON」を聴いてください。

BABYLON / 松任谷 由実

この曲はやっぱり詞にアイデアが必要だったな。遺跡の歌にするわけにはいかないので。“現代に通じるラブソング”ということで「BABYLON」。大都会のことを「BABYLON」と言ったりするじゃないですか。ニューヨークのこととか。そして「BABYLON」というワードを持ってきたんです。

お送りしたのは、1985年リリースのアルバム『DA・DI・DA』から「BABYLON」でした。


今日は、「遺跡をめぐる旅」というコードでお話してきました。
改めて思うのは、平和が保たれない世界では、遺跡がいとも簡単に破壊されてしまうということ。
愚かなままに、遺跡も人類も滅びないよう、願うばかりです。
なお、今日、お送りした番組は、このあと1週間、radikoのタイムフリーでお楽しみいただけます。
ぜひ、聴いてみてくださいね。

ここで、お知らせです。来年、デビュー55周年を迎えることを記念してスタートした企画、「ユーミンと私のプレイリスト」。
さまざまなジャンルで活躍されている方々に、それぞれ自由なテーマで私の楽曲を選んでいただいて作られたプレイリスト企画です。
現在、作詞家の秋元康さん、写真家の佐藤健寿さん、小説家の柚木麻子さん、お笑い芸人のZAZYさん、くるりの岸田さん、作家の山内マリコさんのプレイリストが掲載されていますが、清水ミチコさんの新着プレイリストがアップされます。
特設サイトをぜひ、チェックしてみてください。

さらに、『THE WORMHOLE TOUR』の第二期シーズンは、おかげさまで無事終了しました。
第三期は8月18日の青森公演からスタートします。
そのあとは山形、そして北海道へ・・・ということで、東京の夏よりは涼しいんじゃないかな・・・と勝手に思っています。
再び、みなさんにお会いできる日を楽しみにしながら、しっかり、心身を整えますね。

コンサートツアー第三期の詳細や今後のスケジュール、最新情報・近況は、松任谷由実公式ホームページXInstagramTikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。

onair list

Between Two Points

M1

Between Two Points

David Gilmour & Romany Gilmour

Adiemus

M2

Adiemus

Karl Jenkins

BABYLON

M3

BABYLON

松任谷 由実

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