市販のカレールーを使っても、立派な薬膳料理になりますよね。今こそ、しっかり食養生、大事です!今日のコードは「カレーのある風景」です。
■今週のChordは“カレーのある風景”
Love You To / The Beatles
聴いていると、脳内がウワ~ンと瞑想の世界に入っていくような・・・。
お送りしているのは、1966年のアルバム『リボルバー』に収録された「Love You To」。
ビートルズのメンバーだったジョージ・ハリスンは、シタール奏者、ラヴィ・シャンカールに弟子入りして、シタールを習得しました。ビートルズがインド音楽に傾倒したということは、その後の音楽の世界にものすごい影響を・・・音楽だけじゃなくて、ものの考え方・価値観にも影響を与えたすごいムーブメントですよね。
そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。今日のコードは「カレーのある風景」。
インド原産のスパイスを使った煮込み料理が、カレーの元祖。
紀元前2500年頃から、現地で採れるスパイスや食材、地域の名前がつけられていた、「地元の味・家庭の味」がカレーの起源とされていて、大航海時代に、世界へ広まっていったといわれています。
日本人になじみのあるカレー料理は、17世紀にインドを統治していたイギリスに伝えられて、ヨーロッパ風にアレンジされて、王室を含む上流社会の人々が食べるようになります。
その後、19世紀初頭にスパイスを調合した「カレー粉」が市販されるようになって、一般市民にも煮込み料理としてのカレーが流行していきました。
日本上陸は明治時代初期。イギリスからカレー粉とレシピが伝わって、お米と一緒に食べる「ライスカレー」として、国内に広まっていきます。
とろみのある日本式のカレーを家庭で手軽につくれる固形のカレールーは昭和30年代に出来たそうです。
本格派カレーに出会う前・・・家でのカレーは印象が薄いんですけれど、お店に従業員の人がたくさんいたから、みんなが交代で食べる食堂のようなところがあって、そこで出ていました。好んでカレー、カレーと言った覚えはないんですけれど、多分、昭和30年代の話ですから、カレールーが出来立ての頃のものだったと思います。
日本式じゃないほうのカレーとの出会いも早いんです。私がよく覚えているのは、新宿に三愛というビルと高野というフルーツパーラーのビルがあったんですけれど、その三愛の一番上が世界の料理を食べられる学食のようなフードコートになっていて、そこでナンとかキーマカレーみたいなものを初めて食べました。
あまり「カレー」という認識では食べていないんだけれど、ああ、おいしいものだな、と思ったんですね。
でも、本格的にカレーづくりを知ったのは、今は亡き加藤和彦さんと安井かずみさんによる直伝です。
東京・小石川の川口アパートという、有名な文化人の進歩的マンションにお住まいで。なんだか日本じゃないみたい、パリのアパルトマンみたいな感じのところでした。そこへ呼んでいただいて・・・私は松任谷由実になったばかりの頃ですね。それでスパイスカレーを2人が自ら作ってくださって、それを見ていたんです。
今思えば、イギリス式なんですね。作ったあとに夜、コシノジュンコさんとか金子國義さんとか友人たちが集まってきて、20人くらいでカレーパーティーをして・・・楽しい思い出だな。その後、家でもよく作りました。
うちに名もない学生たちがたまり場のように遊びに来ていたんですけれど、彼らに今、話を聞くと、私、しょっちゅうカレーを作って振る舞っていたみたいです。善行は施すものだな・・・。とっても立派になった人たちも何人かいて、「由実さんのカレーで学生の頃、助けられました」と言ってもらえて。それが日本式のカレーではなく、加藤さんからのロンドン式だったところが、きっと印象に深く残っているんだと思います。
Spice of Life / The Manhattan Transfer
お送りしているのは、1983年のアルバム『ボディーズ・アンド・ソウルズ』からです。大ヒットアルバムで耳にしたことがある人も多いと思います。
こういうコーラスグループって、分析してみると、一筋縄ではいかないボイシングというか、普通に美しくハモっているんじゃない、そこにディミニッシュを感じさせる音とか、普通だったら濁って聴こえるような音を入れることですごく高度で美しいハーモニーになるので、まさにスパイスを音楽に取り入れているグループだなと思います。
お送りしたのは、マンハッタン・トランスファーで「Spice of Life」でした。
今日のコードは「カレーのある風景」。
さきほど、スパイスを使った煮込み料理がカレー、という話をしましたが、カレーは世界中にあって、その土地ならではの味で親しまれています。
世界各地のカレーのなかでも私が好きなのは・・・わりと家の近くに、公園を抜けて歩いて行けるネパール料理のお店があるんですけれど、この番組のスタッフも2回くらいお連れしたことがあって、好評でした。
ネパールのカレーは、インドカレーに比べて使う油が少な目であっさりとやさしい味わいと言われています。
インドカレーは北部と南部で違いがありますが、北部は酪農が盛んなので、牛乳やヨーグルト、バターが使われたとろみのあるカレー。
南部は暑いので、赤・青唐辛子を使ったサラサラ系のカレー。
そしてちょっと東に移って、タイカレーは辛味や酸味、甘味などバリエーション豊かです。
青唐辛子を使ったグリーンカレーは、バジルやレモングラス、パクチーなどハーブも使っています。
レッドカレーは赤トウガラシが使われていてこれまた辛くて、イエローカレーはターメリックを使っているのであまり辛くありません。
この2つには、ナンプラーとココナッツミルクが使われています。
マッサマンもタイカレー。鶏肉とサツマイモとココナッツミルクで甘めのカレーです。
ちなみにカレーを世界に広めたイギリスの国民的カレーは「チキンティッカマサラ」。
チキンティッカ(一口大の焼いた鶏肉)と「マサラ」と呼ばれるミックススパイス、トマトと生クリームを使います。
日本のカレーも実は多彩なんですよ!
今はキーマカレーが第二次ブームで、カレールーシェアNo.1のハウス食品でも、右肩上がりで売り上げが伸びているそうです。
ひき肉と玉ねぎだけでできて、煮込む時間も短い、ということで人気だそうです。
そして今や、レトルトカレーも本当においしくなりました!ありがたいです!
我が家の定番はね、無印良品のタンドリーチキンなんですが・・・すごく簡単なんですよ。でも、それ以外にもたくさんの種類があって、使いこなすと本当に便利。
さらに、最近ハマっているのは、ひとりごはんの時に食べる、札幌の人気店、「らっきょ」のスープカレー。この店とは限らず、スープカレーを買い置きしておくと、それだけで食事が済んじゃって本当に便利。おいしいし。
そんなえskrで、スープカレーに入っているお野菜・・・素晴らしいです。カレーという形にすると、ずーっとゴロゴロ野菜の鮮度が保たれるというのかな、そのまま味わえるので。素材が良いからスープカレーは発達したんですね。
カレーをレトルトにした場合にひと手間加えると、また更に作った感が出ておいしいです。
例えば、付け合わせをプラスするんですね。そういうときによく作るのが、カリフラワーをゆでるんです。私のやり方だと、本当に簡単ですが・・・カリフラワーをゆでて、ゆで汁を捨てて、そこへ熱いうちにバターを入れ、塩こしょうを振って・・・ここでオススメなのが、インディアンカレーパウダーというものがあるんですよ。普通にスーパーで売っています。これが、あら不思議、な魔法のカレー粉で、それを振りかけて、そしてパクチーがあれば、パクチーをちぎったものをまぶして。それでもう立派なインド料理の付け合わせ。
暑くて食欲がないときこそ、スープがわりにカレーをぜひ!
ではここで、今日のコード「カレーのある風景」から選んだ私の曲を。
Rāga#3 / 松任谷 由実
なんだか不思議な曲もあるでしょ?
この曲はですね、1999年にシャングリラの1回目が開催されたんですけれど、そのあるシーンのためにつくって、同年リリースのオリジナルアルバム『FROZEN ROSES』に収録されています。
・・・思い出すなぁ、ロシアのアーティストたちがエキゾチックな格好でみんな市場に入っていくという。私は魔法の神輿に乗って、ステージ上で空中浮遊のイリュージョンがあるんですけれど、そのシーンのためにつくりました。
今日は、「カレーのある風景」というコードでお話してきました。
やっぱり、カレーのおいしさの肝はスパイス。
市販のカレールーを使っても、立派な薬膳料理になりますよね。
残暑厳しいこの時期は、食欲を刺激してくれるクミンやコリアンダーをプラスしたり、リラックスしたいならカルダモンをプラスしたり・・・、今こそ、しっかり食養生、大事です!
そして、いよいよ来週・18日からは、『THE WORMHOLE TOUR』第三期がスタートします。
そろそろ、ツアーモードにスイッチしていかなくっちゃ・・・という感じですが、お互いに体調を整えて、元気でお会いしましょう!
ツアーまでの間にお楽しみいただきたいのが、来年、デビュー55周年を迎えるということでスタートしている企画、「ユーミンと私のプレイリスト」。さまざまなジャンルで活躍されている方々に、自由なテーマで選んでいただいた私の楽曲プレイリストを特設サイトで順次、アップしています。
そして、すでにSNSなどでも募集中なのが、【『Yuming Chord』とリスナーと。】。
この番組にリクエストしたことがある曲や、はじめて聴いて好きになった曲など、『Yuming Chord』リスナーのみなさんとつくるオリジナルのプレイリスト企画なんですが、すでに届いている曲とメッセージを、来週から2週にわたって、どこよりも早くご紹介します。
最終的にプレイリストとして掲載されるものだけでなく、ランダムにピックアップしてお送りしますので、お聴きのがしなく!
そのほか、私の最新情報や近況は、松任谷由実公式ホームページ、XやInstagram、TikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。