今回は、さらに具体的に「腸活」ルールや、先生も実践されている食事の方法などを、教えていただきます!今日のコードは「「腸活」新常識!~國澤純先生に聴く腸内細菌と健康の深い関係~」です。
■今週のChordは“「腸活」新常識!~國澤純先生に聴く腸内細菌と健康の深い関係~”
(Just Like) Starting Over / The Flaming Lips
ユーミン:あらためて、今日のゲストをご紹介します。
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所副所長で、ヘルス・メディカル微生物研究センター センター長をつとめる薬学博士、國澤純先生です!
國澤:よろしくお願いいたします。
ユーミン:「腸活」新常識!~國澤純先生に聴く腸内細菌と健康の深い関係~。
先週は、腸そのもの、そして腸内細菌の働きについて基本的なことを伺いましたが、今回は、さらに具体的に、「腸活」ルールや、先生も実践されている食事の方法などを、教えていただきます!
早速ですが、健康的な腸活のためのルールをあげるとしたら・・・?
國澤:まず、一番にお伝えしたいのは、「ばっかり食べ」は止めてください、ということです。先週もお伝えしたんですけれども、腸内細菌はみんな群れを作って役割分担をしながら生活をしているので、いろんな種類の菌がいた方が良いんです。
菌のエサはどこから来ているのかというと、我々の食事から来ているので、ばっかり食べをしちゃうとそのエサが好きな菌だけがどんどん増えちゃう。「1週間○○ダイエット」とかあると思うんですけれど、あれは腸活のためにはなるべく控えた方が良いです。
逆に先週もお話したように、私は毎日同じものを食べないというルールがあるんですけれど、特に意識をしていただきたいのが食物繊維です。
ユーミン:はい。
國澤:食物繊維というのは炭水化物のひとつなんです。みなさん、よく糖質ダイエットとか炭水化物ダイエットとかいって、食物繊維も減らそうとしちゃう。実は食物繊維は腸内細菌のエサとしては非常に大事なので、積極的に摂ってもらいたいと思いますし、食物繊維もいろんな種類があるので、毎日違うものを食べた方が良いです。ゴボウだったりレタス、きゅうりにしたりして、意識しながらいろんな食材を食べていくということを心がけてください。
ユーミン:うちで一緒に暮らしている人がね、血糖値をものすごく気にしていて、医者から「麦ごはんにしなさい」と言われて・・・麦ごはんおいしいねって切り替えたら、すごく効果が出るんですよ。不思議で。
國澤:これね、実は麦ごはんをとると、その食物繊維自身も良い働きがあるんですけれども、ブラウティア菌も麦ごはんで増えるんです。
ユーミン:え、本当に!
國澤:で、糖尿病も改善するような効果・・・これはまだヒトではわからないんですけれども、動物実験では確認できています。良い菌を育てているという意味でも麦ごはんは非常に良いと思います。
ユーミン:ブラウティア菌ですか。
國澤:はい。
ユーミン:お忙しい先生ご自身も実践している、手軽な腸活ライフを教えていただけますか。
國澤:ひとつはそういった麦ごはんも良いんですけれど、あと、麦ごはんはちょっと苦手だなという方もなかにはいらっしゃると思うんです。オススメなのが、ちょっと意外なんですけれど、「白米」です。
ユーミン:そうですか!
國澤:我々日本人はずっと白米を食べて育っていますし、本当は白米にお腹は合っているはずなんですね。最近わかってきたのは、ほかほかのご飯はアミラーゼという酵素ですぐ小腸で分解されちゃって、糖になって吸収されるので血糖値をあげちゃうと言われるんですけれど、これを冷まして冷や飯にすると、今度はでんぷんが、難消化性でんぷん、英語だとレジスタントスターチというんですけれど、我々のアミラーゼという消化酵素では分解されにくい形になって、分解されないまま大腸まで届いて、食物繊維と同じように善玉菌のエサになるということがわかってきました。
冷や飯、というと我々の人間社会では悪い言葉のイメージですけれど、実は冷や飯は腸内細菌とっては最高のご馳走になります。
ユーミン:へ~。
國澤:冷めたのがちょっと嫌だな、という方は、レンジで温めても(難消化でんぷん)がちゃんと残っていることがわかっているので、1回冷まして食べるということも腸活のひとつのポイントになるのかな、と思います。
ユーミン:冷凍にしておいても良いということですか。
國澤:冷凍だから良いんですよ。余ったご飯を冷凍にしておいて、レンチンして食べると善玉菌を増やすことがわかっています。
ユーミン:ですって!
こうした「腸活」が、反映されて身体が変わってくるまでの期間というのはどのくらいでしょう?
國澤:これはみなさんによく聞かれるので、実はちょっと前のテレビの企画でやっていただいたんです。私自身は7年前と7年後に調べた腸内細菌がめちゃくちゃ変わっていることがわかりました。これも食べ方のポイントがあったんですけれども、みんな7年も待てないから「どれくらいですか」と言われると・・・結果から言うと大体2週間です。
テレビで何をやっていただいたかというと、素敵な女優さんが30年間スタイルが変わっていないということで、その方と同じ生活をしたらどうなるのかということを3人の女性タレントの方にやっていただいて、腸内細菌を調べさせてもらいました。そうしたら、2週間でブラウティア菌とかも増えてきましたし、ほかの良い菌も増えてきていました。ただ、相当、普段食べていないような食生活をするという大きな変化を与えるとそのくらいになります。
ユーミン:例えば、その実験のときに目立った食材はどんなものですか。
國澤:そのときは玄米でしたね。主食を玄米にされるというのと、同じものを食べない、ということをされていて、「あ、一緒やな」と思いました。そのなかで私が普段、何をしているかというと、おみそ汁を上手に使うことです。毎食違うものを食べようと思っても大変なので、とにかく家に帰って冷蔵庫を開けて残り物を刻んでおみそ汁に放り込みます。
あと、最近はお魚が苦手な人が多いので、EPAやDHAというオメガ3脂肪酸が少ないので、アマニオイルの原料である亜麻仁の粒というゴマみたいなものを、私はマイすり鉢で小さじ一杯擦って、みそ汁へ入れています。
ユーミン:マイすり鉢(笑)。
國澤:あとは、キムチや納豆もメーカーを定期的に変えるといろんなものが食べられて、発酵食品もとれます。最後にデザートでヨーグルトを食べると、これだけで完璧な腸活です。あとのおかずは好きなものを食べてください、ということをオススメしています。
ユーミン:伺っていると、できそうなことばかり。
みなさんもぜひ、実践してみてくださいね~!
(Just Like) Starting Over / The Flaming Lips
ユーミン:「腸活」新常識!~腸内細菌と健康の深い関係~。
腸内細菌や免疫の第一人者、國澤純先生にさまざまなお話をうかがってきましたが、最新研究にたずさわっていらっしゃる中で、今、注目を集めている腸内細菌はありますか?
國澤:ひとつはやっぱり自分で見つけたブラウティア菌という、いわゆる「瘦せ菌」といわれるもので、実はこの菌はいろんな良いものを作るんです。ひとつは酢酸を作ります。お酢の成分です。この酢酸とかプロピオン酸、酪酸というのが短鎖脂肪酸といわれていて、腸もれを抑えてくれるような、腸のエネルギーとなるということで注目されています。
もうひとつは酢酸を材料にして短鎖脂肪酸のひとつである酪酸を作る酪酸菌というものがあります。これも今、非常に注目されている菌です。実は私たちの研究では、酪酸菌を増やすにはビタミンB1をしっかり摂ったら良いということがわかってきています。大豆とか豚肉ですね。これもおみそ汁にからんできまして、豚汁にしたらいいよと言っているんですけれども。
そういった形でブラウティア菌を中心にして、酪酸菌とか、この2つの菌をサポートするための腸内環境というので、いろいろと研究を進めているところです。
ユーミン:私ね、ちょうど今、肉みそに凝っていて。豚肉のひき肉と長ねぎのみじん切りとお味噌で・・・そこに豆板醬とか入れて作っておいたものをスープでのばして春雨を食べるんですけれど。
今、言われたものが全部入っている感じで。
國澤:めちゃめちゃ良いと思いますね。
ユーミン:本当に!お味噌自体が発酵食品ですよね。発酵食品、発酵食品ってすごく騒がれるんですけれど、それも腸内細菌に直接作用するとか、同列のものなんですか。
國澤:発酵食品に含まれている菌というのは、お腹のなかには定着しない通過菌と言われているんですけれども、腸内細菌の足りない部分をサポートしてくれるような働きをしているということで、そういうものを常にとっておいていただくと、腸内細菌が足りないときに「大丈夫ですよ」とお味噌の菌や納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌がサポートしてくれます。
そういうわけで、腸内細菌にはならないんですけども、腸内細菌と一緒になって我々の腸内環境を良くしてくれる働きを持っています。
ユーミン:國澤先生がこれから取り組もうとされている研究ってありますか。
國澤:話を聞かれている方は、自分の腸内細菌はどうなってるんやろ・・・と気になると思うんですね。今、もう実際に腸内細菌を調べるサービスというのはいろいろあるんですけれども、ちょっとネックなのが時間とお金がかかっちゃう。あと、すごくいっぱいデータが出てきます。腸内細菌は1000種類位いるので、その名前がバーッと全部出てくるんですね。
ただ、一般の方は1000種類位の菌の名前を出されても、そんなたくさんじゃなくて、例えば、ビフィズス菌やブラウティア菌がどれくらいいますかと、いくつかの菌が分かれば十分という方がいらっしゃると思うんですね。なので、私たちは自分たちが知りたい菌だけを安く・速く・簡単に調べられるシステムを作ろうということをやっています。
実は昨年大阪で開催された大阪関西万博で提供させていただいて、4万人の腸内細菌で代表的な5種類だけを調べて、それをみて食習慣のアドバイスをするということをしました。例えば、ドラッグストアで腸内細菌を調べて「今日は瘦せ菌が少ないからこれを食べよう」と考えられるような技術をつくっていこうという方向へ進んでいます。
ユーミン:自分でそういうチェック出来るキットがあると良いですよね。あと、便器に搭載されていてAIと連動させたようなチェックが出来たら・・・。
國澤:便器はね、いくつかの会社が作ってきているんですけれども、我々はもっとお手軽に、というので、実はトイレットペーパーにその機能をつけられないかと。必然的にお尻をふいて、ちょっと見ていると・・・。
ユーミン:リトマス試験紙のような(笑)。
國澤:ええ、そんな感じで。今日はビフィズス菌が少ないから、ビフィズス菌入りのヨーグルトを食べよう、とかっていうのが、トイレの中で全て完結するという、そういう未来を目指しています。
これって技術的には結構いけそうなところまできていて、みんな「面白いですね」って笑われるんですけれども。
ユーミン:いやいやいや。
國澤:結構本気で作ろうとしています。
ユーミン:楽しみです。
最後に、音楽と腸の関係って考えられたことはありますか。
國澤:腸というと、みんな食べ物というところへ最初に入るんですけれども、意外なところで運動とか睡眠も影響するということがわかってきていて、腸じゃないところからの刺激も大事だなということがわかってきています。そういう意味では、味も匂いも、おっしゃった音楽も。僕たちは気分が上がってくると、そういった状態が腸に影響して、腸内細菌に影響するんじゃないかなと思います。
ぜひユーミンさんの腸内細菌を調べさせてもらうときにはですね、音楽との関係を含めて調べていきたいと思いますので、とても興味深いです。
ユーミン:お別れに、先生からリクエストをいただいたんですけれど。
國澤:私の好きな腸内フローラというものがあるので、花と桜にかけて「春よ、来い」をぜひお願いいたします。
ユーミン:ありがとうございます。今日のゲストは國澤純先生でした。どうもありがとうございました。
國澤:ありがとうございました。
春よ、来い / 松任谷 由実
今日のゲスト、國澤純先生のリクエストでお送りした「春よ、来い」。
『ユーミン万歳!~2022mix~』でお届けしました。
今日は、“「腸活」新常識!~腸内細菌と健康の深い関係~”というコードで、腸内細菌や免疫研究の第一人者、國澤純先生をお迎えしてお送りしてきました。
新しいいろいろな情報が入ってきて、すぐ、どう実践して良いかわからないけれど、とりあえず食べ物とかから意識しながら腸の健康を目指していきたいと思います。
先生が目指していらっしゃる、「腸内細菌」の状態にあわせて今日の献立を決める・・・、そういうこともできますね。楽しみながらそんな時間が待ち遠しいです。それこそ、腸内細菌と人間のすこやかな共生ですね!
私も腸活に励みながら、『THE WORMHOLE TOUR』の第三期もスタートしています。
一つひとつ、丁寧に、そして、パワフルなステージ、お届けにいきますので、お楽しみに!
そして、来年のデビュー55周年を記念したスペシャル企画、「ユーミンと私のプレイリスト」も、ぜひ、チェックしてみてください。
くわしくは、松任谷由実公式ホームページでご確認ください。
そのほか、私の最新情報や近況は、松任谷由実公式ホームページ、XやInstagram、TikTokなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。