あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。植物と向き合い、植物の声を聞くライフスタイルや、ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

―この番組は、2021年3月で終了しました。―

2016.06.24

Botanist3
プラントハンター西畠清順さんと不思議な植物たち2

  • Botanist
まだ見ぬ新しい植物を探し求めて、世界中を旅する「プラントハンター」。そのひとりである西畠清順さんの活動は、めずらしい植物を運んでくるだけではありません。それはさまざまな形で世の中や私たちの身近な生活にも、素敵な影響をもたらしてくれています。



植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。先月に引き続き、今月もプラントハンターの西畠清順さんが登場。その活動についてご紹介します。


西畠さんをプラントハンターに変えた“ある植物”
幕末より150年続く花と植木の卸問屋「株式会社花宇」の五代目に生まれた西畠清順さん。物心ついた頃から、いずれは家業を継ぐことを意識はしていたものの、もともと植物には興味がなかったのだとか。それが一瞬にして変わったのが21歳のとき。海外を放浪している最中、ボルネオ島にあるキナバル山に登り、世界最大の食虫植物“ネペンテス・ラジャ”に出合い心境が一変します。キナバル山は赤道直下にある山で、ふもとはジャングル。標高4000メートルを越えるため、その山頂は氷点下にもなる過酷な場所。8時間かけてその山を登りながら、熱帯、亜熱帯、温帯、亜寒帯と、地球のおおよそ全ての環境を体感した後に出くわしたのが、不気味に佇む巨大植物“ネペンテス・ラジャ”でした。場所は雲の上。その極限の環境の中で見せつけられた生命力と圧倒的な存在感に「植物はすごい」と、大きな衝撃を受けたのがこのとき。この出合いによって、まるで科学反応がおきたかのように植物の面白さにのめりこんでいったのだそうです。

世界最大の食虫植物“ネペンテス・ラジャ”


プラントハンター西畠さんが伝えたい“植物がもたらす感動”
null
キナバル山の食虫植物に感じた「感動に近い驚き」が自分の原点になったという西畠さん。2012年にスタートした、植物の魅力を伝えるための活動「そら植物園」において、それはさまざまな形であらわれています。

商業施設に全国47都道府県から集めた桜を一斉に咲かせたり、樹齢1000年のオリーブを小豆島に植えたり、いろいろな企業とコラボレーションした取り組みは、どれも西畠さんのアイディアが詰まったユニークなものばかり。「人生で初めてのことって記憶に残りやすいし、喜びやすいし、人の心にも届きやすい」(西畠さん)。自分の経験をベースに、植物ってすごいでしょ?ということを、この活動を通して、世の中に届きやすい形で伝えています。

そして、その植物の神秘を物語るかのように「そら植物園」の活動では前代未聞なできごともたくさん起こっています。中でも、自身が印象深かったと語るのが、旅行会社とコラボレーションした「世界一の巨木・奇木を巡るツアー」。これは西畠さん自らがガイドをつとめ、アメリカ西部にある世界最古の生命体といわれる樹木、世界最大の巨木、世界一高い樹木を訪れるという内容でした。大自然の迫力を前にし、植物の尊大さを体感し、ツアーに参加した人たちのほとんどが感動して涙したというほど素晴らしい旅になったそうですが、さらに驚くべきできごとがもうひとつ。ツアーには2年間鬱病で寝たきりだったおばあちゃんも参加していたのですが、この体験を機にすっかり元気になったのだそうです。これまで全く家を出ていなかったにも関わらず、今では「そら植物園」の事務所がある代々木ビレッジに何回も足を運んでくれているそうです。植物の計り知れない偉大さを教えてくれるエピソードですね。


人の心に長く残る植物園を作っていきたい
null
さまざまなプロジェクトの中で、植物が引き起こした奇跡や、それによってお客さんが喜ぶ顔に直面してきた西畠さん。この数年で「植物の仕事で世の中の役に立ちたい」と強く考えるようになったといいます。現代のプラントハンターが世の中に影響を与えることができるとすれば、植物を運ぶことで価値観を変えたり、何気ない気づきをもたらしたりすること。植物ブームといわれている今日ですが、ただのブームで終わらせるのではなく、自分が手がけたことをきっかけに、植物を心から好きになる人をもっと増やしていきたいというのが今後のヴィジョンだそうです。「“そら植物園”の“そら”を漢字で書くと“宙”。これは限りなく続く時間という意味。人の心に長く残るような植物園を作っていきたいと思って、この名前をつけました」(西畠さん)。その名の通り、これからも私たちと植物をつなぎ、人の生活する場を植物で豊かにしていって欲しいですね。

TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。6月は国立西洋美術館の館長、馬渕明子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


西畠清順(にしはた・せいじゅん)
1980年生まれ。幕末より150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目。日本全国・世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。日々集める植物素材で、国内はもとより海外からの依頼も含め年間2000件もの案件に応えている。
2012年、人の心に植物を植える活動“そら植物園”をスタートさせ、植物を用いたいろいろなプロジェクトを多数の企業・団体などと各地で展開、反響を呼んでいる。

著書
『教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント』(徳間書店)
『プラントハンター 命を懸けて花を追う』(徳間書店)
『そらみみ植物園』(東京書籍)
『はつみみ植物園』(東京書籍) 2016年6月下旬発売予定(発売中)
official site:http://from-sora.com/

Recent Entries

Archive

  • NOEVIR 「植物の力」のスキンケアはこちら
  • NOEVIR Color of Life EVERY SAT / 09:00~09:30
  • TOKYO FM

TOP