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2025.02.15

夫婦二人三脚のメンタルトレーニングで復調!「今年は自分に期待したい」

今週の「SPORTS BEAT」は、通算23勝、2009年には賞金女王にも輝いた女子プロゴルファー、横峯さくら選手のインタビューをお届けしました。
横峯さくら選手は1985年、鹿児島県鹿屋市出身。
8歳からゴルフを始め、小学4年生の時に全国小学生大会で優勝。
2004年、プロテストに合格、2005年に「ライフカードレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝を果たし、2009年には年間6勝し賞金女王に輝きます。
2015年からはアメリカツアーに参戦し、ショップライトLPGAでの2位が最高成績。
2021年に第一子となる男の子を出産。
2022年からは8年ぶりに日本ツアーに復帰し、通算勝利回数は23勝。
現在は永久シード獲得に必要な30勝を目指されています。


──横峯選手は、去年の11月末に今季のレギュラーシーズン1回目のリランキングまでの出場権を確保なさっています。
先ほど聞いて驚いたんですが、横峯さんはラジオは今回初めてだそうなんです。

そうなんです。素敵なご縁をいただきましてありがとうございます。

──先ほど、(ラジオ収録が)「緊張している」とおっしゃっていましたけれども、逆に、ゴルフをしていて一番緊張した場面はいつですか

やはり、2009年に賞金女王になった時のパーパットですね。
私は前の組で最終組とは少し離れていたんですが、その時に、“このパーパットを決めたらチャンスがあるかもしれない”という状況で、自分の中で腹をくくって、“ルーティンがしっかりできていたらもう外れてもしょうがない”と思って打ちました。

──その緊張している時はどういうことを考えているんですか? “まっすぐ飛ぶかな”とか、“OBになったらどうしよう”という感じですか?

そういうことはあまり考えずに、“打てるところにあればいい”と思って打ちます。
自分がやらなければいけないポイントが3つあって、朝一となるとその1つが抜けてしまったりする可能性があるので、確認をしながら緊張しつつも打つ、という感じです。

──ちなみに、その3つのチェックポイントはどういうところなんですか?

試合ごとや1日1日で毎回チェックポイントは変わるんですが、パターだったら、私はラインを合わせるタイプではないので、“ヘッドアップしないためにカップを追い越さない”と決めているのが1つ。それから、ボールに印字してある23をしっかり見続けるとか、あとは、足幅や向きなどですね。

──長いシーズン、毎週毎週試合がありますけれども、調子の良し悪しはどのくらいのスパンで続くものなんですか?

10年近く勝てていないので(笑)、あまり調子の良し悪しは…。
現在の女子プロは“バーディ合戦”の試合が多くて、バーディーを取らなければ上に行けないとか、予選通過ラインが2アンダー、3アンダーということもあるんです。なので、バーディーをしっかり取るために、フェアウェイにちゃんとボールを置くことで、セカンドショットでグリーンを狙える。でも、昨年まではフェアウェイキープ率がすごく悪くて、2打目を打って3打目で寄せてやっとパーを拾って次に繋げていく、というゴルフで、ずっと5アンダー以上を5年ぐらい出せていなかったんですが、ここ最近になって、67というスコアが出たんです。なので、今年は自分に期待したいなと思っています。

──女子ゴルフもだんだん変わってきた?

そうですね。私たちがプロになった時は18歳19歳が一番下で、たくさんの先輩ゴルファーがいる中でプレーしていた印象なんですけれども、現在は若い20歳前後の世代の選手層が厚くて、本当に“これは噛み合えば優勝するよね”という選手がたくさんいると思います。


──プロテストは本当に狭き門じゃないですか。毎年その狭き門に合格した20名が次々に増えてくる。それはレベルもどんどん上がっていくなと。

本当に女子プロの選手層も厚いですし、その下部のステップアップツアーでも、プロにはなっているけれど、予選会で少し成績が良くなくて年間を通してステップアップツアーに出ている選手もいて、“いつでも勝てる準備はしている”という選手がたくさんいるのかなと思います。

──ゴルフというと、毎週全国各地でやるわけじゃないですか。しかも、試合が日曜日に終わって、すぐ移動して練習ラウンド、さらにプロアマもこなさなくてはいけない。本当にハードなスケジュールだと思うんですけれども。

日曜日に試合終わって家に帰る選手もいれば、次の試合会場に移動する選手もいると思うんですが、私は子供を連れて転戦しているので、あまり家には帰っていないんです。なので、北海道と沖縄以外は車移動です。

──ご主人は元々スポーツをされていたと。

サッカー選手だったと聞いております。

──出会われた時はメンタルトレーナーだったんですか?

そうですね。メンタルトレーナーという仕事ではありました。

──今日も、実は旦那様が一緒にいらしていて、ブースの向こうからにこやかに見ていてくださっているんですけれども、メンタルトレーナーの方が側にいてくれるということはかなり大きな支えになるのかなと思います。

そうですね。でも、2011年に知り合って2年半お付き合いをしたんですけれど、付き合ってから1年ぐらいは、私も仕事の話をしたくないし、夫も仕事の話をしたくないという感じで、もう本当にたわいもない会話といいますか、メンタル(トレーニング)とはかけ離れていましたね。

──逆に、ゴルフを離れたところで一緒にいられるということがご自身の中ではすごく大切だったんでしょうか。

はい、大切な時間でした。

──アメリカのツアーに挑戦された時も旦那様の言葉がきっかけになったとおっしゃっていましたが、やはりポイントポイントでは的確なアドバイスをもらえるのでしょうか?

そうですね。私が約2年ぐらい勝てなかった時期がありまして、その時に私が、“もう優勝もできないし、夫にサポートしてもらいたいな”と思った時期と、夫が私に対して“何かできることはないかな”と思った時期が重なって、そこからメンタルトレーニングという形でお願いした、というところはありました。

──それまでゴルフの話をしてこなかったのに、急にトレーニングを始めるというと、何かぎこちない感じにはならなかったですか?

なので、決めごとじゃないですけど、「仕事中(メンタルトレーニング)の時だけは敬語で話そう」とか、ちゃんとオンとオフを切り替えてやっていましたね。メンタルトレーニングを受けた1試合目で2位になって、2試合目で優勝しました。

──メンタルトレーニングってそんなに即効性があるんですか! すごいですね。結果にすぐ結び付いていますね。
トレーニングはどういうことをするんですか?

1試合目の時は、“自分の感情に蓋をしてプレーしていた”というところがありまして、「まず周りを見よう」というところから入ったり、「これはバンカーに入れたくないなと思うけれど、まずは自分ができることをしよう」とか、そういう小さいことからだったんです。
その当時は、私自身、“優勝しか意味がない”と思ってプレーしていたんです。でも、毎回優勝できるわけじゃなくて、「あなたはそんなにうまくないよ」みたいな感じで(自分自身へのハードルを下げて)、緊張した中で(心の)蓋を開けた時に、“やっぱり緊張している”とか、“プレッシャーがかかっている”という本当の感情を初めて感じて、“その中でも2位になれた、すごいじゃん!”と(いうポジティブな気持ちが残った)。
それで、感情に蓋をしなくなったことによって、2試合目では、“こういう展開になった時にこういう気持ちが出てくると思うから、何か自分ができることをしよう”と思えるようになったという感じですね。

──でも、そんなに効果が出たらメンタルトレーニングってすごいなと思いますよね。

本当に2試合目で勝てたので、自分でもすごくびっくりしました。

──それは、単純にメンタルトレーナーとの関係じゃなくって、それまで築き上げた2人の関係性があったからこそ、より早く深く効いたんでしょうね。
この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。横峯選手の心の支えになっている曲を教えてください。
    
岩崎良美さんの「タッチ」です。夫が「タッチ」が好きなんですが、私がインターナショナル・クラウンという試合に出た時に流した入場曲でもあるので、すごく印象に残っています。


来週も横峯さくら選手にお話を伺っていきます。
お楽しみに!


今回お話を伺った横峯さくら選手のサイン色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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