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2025.12.06

W杯優勝も狙える!?「現在の日本代表は史上最強のチーム」

今週の「SPORTS BEAT」は、先週に引き続き、サッカー元日本代表、福田正博さんのインタビューをお届けしました。
福田正博さんは1966年生まれ。
Jリーグが開幕した1993年から引退する2002年まで浦和レッズの象徴的存在として活躍し、サポーターからは「ミスター・レッズ」として親しまれ、日本人初のJリーグ得点王となるなど活躍し、J リーグ通算228試合出場93得点、日本代表では45試合出場で9ゴールを記録、1993年にはワールドカップアジア地区最終予選も経験しています。
2002年に現役を退かれた後は、サッカー解説者としてメディアで活躍するとともに、講演会やサッカー教室など、自身の経験を活かしながら様々なジャンルで活動されています。


──サッカー日本代表は、今年の3月20日にバーレーンとの試合を2-0で勝利し、最終予選3試合を残して最速でワールドカップ出場権を獲得しましたよね。

今までになく強いですね。史上最強だと僕は思っています。
今回で8大会連続でワールドカップに出場しているんですが、何が強いかというと、間違いなく選手層が厚くなっているということです。これは今までにないです。

今までは、誰かがいなくなったらその代わりがいない。我々の現役の時…93年に「ドーハの悲劇」と言われている試合がありましたが、その時は、例えば左のサイドバックに都並さんがいたんですが、最終戦の前に怪我をしたんです。でも、その後に替えがおらず探すのが大変だった。そのぐらい、1人誰かがいなくなったらその代わりがいない。

──常にベストメンバーがベストな状態でいないと戦いきれない状態だった。

それがずっと続いていましたが、少しずつ選手層は厚くなっていて、前回のカタールのワールドカップの時に、森保監督は「かなりメンバーの選手層が厚くなった」と。1戦目ドイツに勝ち、2戦目はメンバーを大きく変えて臨んだ。残念なことに勝てませんでしたけれども、そのぐらい思い切って選手を変えることができるようになったと。

ワールドカップは短期間での連戦になるので、ずっと同じメンバーで戦い続けることは難しいんです。今回は(召集メンバーが)26人になると思いますが、その26人の選手層は非常に重要で、ワールドカップを勝ち抜いていくための準備が今できたのかなと思っています。

今回、例えば9月〜11月に日本代表の試合がありましたけれども、最終ライン、ディフェンスのところで怪我人がかなり出た。主力の選手たちで、彼らがいなくて大丈夫なのかと思っていたんですが、ブラジルに対しても全く遜色なくやれているんです。そのぐらい選手層が厚くなってるということです。

森保監督とちょっとお話した時には、「メンバーを選ぶのが一番厳しい」と言っていました。なぜならば、(W杯の代表メンバーに)選ばれた、選ばれないで、その選手のその後のキャリアが変わってくる。ワールドカップに出るということは選手にとってとても大きなキャリアになりますし、選手だけではなく、選手の後ろには家族も知り合いもいるんです。


──そこまで考え始めたら、もう誰も選べなくなっちゃいますよね。

そうなんです。でも、そこまで思いを馳せて森保監督は選ぶんだと思うんです。だから、メディアは「なぜあの選手を入れてあの選手を入れないんだ」と簡単に言いますけど、そんな簡単なものではないんですよ。

──森保監督は、現役の時から真面目なプレーヤーだったんですか?

はい。控えめで、我々は「ドーハ世代」なんて言いますけれど、93年〜95年のJリーグの創成期に代表にいたメンバー、ラモスさん、武田修宏、井原正巳、中山雅史、三浦和良や北澤豪など個性的な選手がいる中では、どちらかというと目立たないタイプでした。

当時は、先頭で旗を振って「着いて来い」というのが日本全体のリーダー像だったと思うんですが、その価値観で言うと、森保監督はどちらかというと監督のイメージには入っていなかった。コーチだろうなという印象だったんです。でも、時代が変わって、(求められるのが)そういうリーダー像ではなくなっているんですね。

先週ちょっとお話がありましたけど、鬼木監督はまさに森保監督と同じような感じです。選手と同じ目線で、「選手が頑張ってくれているから私はやれています」みたいな。“後方支援型”とよく言いますが、先頭で旗を振って引っ張っていく形ではないんです。

でも、今は時代が森保監督を求めているし、森保監督みたいなリーダーがいろんなところで成功を収めている。サッカー界でもそうなんですよ。分業制にすると言いますか、最後は自分が責任を負うんだけれども、自分で全部やらずに、それぞれ専門の人を置く。自分が上ではなくて全部横並びなんですよね。選手ともそうなんですが、選手はプレーヤーで監督はマネージャー。マネージャーとプレーヤーは縦じゃないんです、横なんです。結果を残すということにおいての横並びで、役割が違うだけなんです。ただ、権限として人事権を持っているので、どうしても(監督は)上に見られがちですけど、考え方としては一緒なんですね。
そういう”横並び”という考え方が今の組織を作っていく。サッカー界でも成功を収めている。リーダーシップ像としてはそういう形が今の時代に合っているんです。



──今のメンバーは本当にすごいじゃないですか。こんなに人材が豊富で充実している。それでも若手もどんどん出てきて、鈴木彩艶選手がちょっと左手を骨折してしまいましたけれども、鈴木淳之介選手、佐野海舟選手…次から次に出てきているなと。

本当におっしゃる通りで、なぜ次から次へとこんなに出てくるのかなと思いますけれども、彼らは海外に行って経験を積んで、自信を掴んでいくんですね。それを日本代表で表現できていると。これはやっぱり森保監督にとっては心強いですし、今おっしゃられた通り、ワールドカップの決勝がニューヨークでありますけど、僕は夢ではないと思っています。
何大会か前に、本田圭佑選手などが「目指すのは優勝」と言っていました。我々からしてみると「それは言い過ぎじゃないか」と思いましたけど、今言ったら「可能性はなくはないよね」と思えるぐらいの選手層と実績を積んできていると思うんですね。

ただ、運がどうしても重要です。運は経験という…実は、何度も優勝している国しかワールドカップは優勝できていないんです。限られた国しか優勝できていない。

──なかなか新しい優勝チームは増えない。

そうなんです。ここはなぜなのかちょっとわかりませんけど、他の、例えばヨーロッパの大会や南米の大会は新しい国が優勝するんですが、ワールドカップに関して言うと、限られた国だけで優勝を争っているんです。スペインだって優勝し始めたのはここ近年ですから。そういう意味では、どうしてもサッカーの歴史というものが最終的には影響を及ぼすのかなと思いますが、僕は日本だって十分優勝の可能性はあると思うので、ぜひともそこを目指して、あとは運をどうやって手繰り寄せるか、森保監督がどれだけ持っているかじゃないかと思います。


──楽しみですね。
さあこの番組では毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。今週も福田さんの心の支えになっている曲を教えてください。

はい。AIさんの「ハピネス」です。
スポーツ選手にはなかなか元気が出ない時もあるので、それをどうにか気持ちを上げなきゃいけない時は、映像を見たり音楽を聴くということは非常に重要な要素だと思うんです。

──気持ちを切り替える。

そうですね。AIさんの全体的な音楽とか歌い方とか、曲調や特徴やリズムなどはすごく前向きにさせてくれるので、気持ちがちょっと落ちた時にはやっぱりこういう曲を聴いて自分をふるい立たせて、前向きにさせていく。まさにそんな曲なのかなと思っています。

──現役時代は試合前などに音楽を聴いたりされていたんですか?

僕は今みたいに簡単に音楽を聴ける時代ではなかったので大変だったんですけど、気持ちを昂らせてくれるような音楽はたくさん聴きました。

日本代表のコーチをやっている長谷部誠さんに話を聞いた時に、いつも同じ曲を聴くと。埼玉スタジアムで試合がある時は市内のホテルに泊まっていて、練習に行ったりすると、(ホテルからスタジアムまで)いつも同じ距離なんです。必ずスタジアムに着く時に終わるように音楽をセッティングして聴いていると言っていました。

──験担ぎというか、ルーティンなんですね。

そうですね。そのぐらい音楽というのは非常に重要ですし、今おっしゃった通り、多かれ少なかれ、みんな験担ぎはしていますから。

──もちろん勝ち負けもありますけど、やっぱり激しいスポーツコンタクトもあるので、怪我なく試合を終えたいという気持ちもありますよね。

そうですね。やっぱり健康でずっとやりたいという気持ちは絶対にあるので、そういう部分での験担ぎはあります。だから、どっちの足からスパイク入ってどうやって結ぶとか、ルーティンはすごく重要視しますよね。

やっぱり音楽というものはそういうルーティーンの中では非常に重要な要素ですし、自分の気持ちを高めるという意味でもとても大切なので、まさにこのAIさんの「ハピネス」は気持ちを前向きにさせてくれる素晴らしい曲だなと思っています。



今回お話を伺った福田正博さんのサイン入り色紙を1名の方にプレゼントします。
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さらに、今日お送りしたインタビューのディレクターズカット版は、「TOKYO FMポッドキャスト」として、radikoなどの各種ポッドキャストサービスでお楽しみいただけます。
聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページをチェックして、そちらも是非、お聴きください!
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