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2025.09.13

近代五種でオリンピックへ「自分史上最高を毎日更新していきたい」

今週の「SPORTS BEAT」は、近代五種でオリンピック出場を目指しているマルチアスリート、陣在ほのか選手のインタビューをお届けしました。
陣在ほのか選手は、1999年、神奈川県のご出身。
中学、高校、大学時代は陸上競技の800メートルで全国大会に出場。
大学卒業後にアメリカ発祥で世界最高峰の障害物レース「スパルタンレース」に転向。
トレイルレースやウルトラマラソンなどでも活躍を続け、昨年はオリンピック競技の近代五種の日本選手権に出場し、7位入賞。
現在は、2028年のロサンゼルスオリンピック出場を目指していらっしゃいます。


──陣在選手は近代五種でオリンピックを目指していらっしゃいますけれども、近代五種を目指すようになったきっかけはあるんですか?

私はもともと陸上をやっていて、その後スパルタンレースに転向したんですが、パリのオリンピックまで近代五種にあった馬術がオブスタクルに変更になったんです。スパルタンレースとは少し違いますけど、“障害物レース”というところで近しいものを感じて、何か生かせることがあるんじゃないかなと思い、目指すきっかけになりました。

──でも、「近代五種」というぐらいですから、馬術はオブスタクルに変更になりますけれども、それ以外にも、フェンシング、水泳、あとはレーザーラン(ランニング+射撃)がありますよね。走るのは専門と言ってもいいと思いますが、「やってみよう」と思っても簡単にできるものではないのではないですか?

そうですね。最初は練習ができるようにするための環境を作るのが大変でした。近代五種をやっている選手が少ないので、教えてくれるコーチも本当に少ないんです。なので今は、全部の種目に1人ずつ違うコーチがついている、という感じで練習をしています。

──近代五種に挑戦すると表明したのが去年の1月。そして11月に行われた日本選手権で7位に入賞されたと。やっぱり“自分に向いている”と、手応えみたいなものは感じましたか?

全然まだまだです。やったことのある種目がランニングだけなので、強化しなければいけないところはたくさんありますけど、難しさや楽しさを感じることはできました。

──しかも、近代五種は、以前は1日1種目ずつでしたが、今は1日で全ての競技を行うようになりましたから、それもなかなかハードですよね。

そうですね。体のキツさというよりは、脳みそが疲れますね。それぞれの競技で必要とされることが違うので、(頭を)切り替えないといけないので、そこはすごく頭が疲れます。

──馬術からオブスタクルに変更になったことがきっかけで始めたわけですが、そのオブスタクルは、自分にとってメリットになる競技になりそうですか?

そうですね。(オブスタクルは)スパルタンレースとはちょっと違うところはあるんですが、練習をやり込めばできるなとは感じてはいます。怪我があったりして今はあまり練習ができてないので、そこは治ったら強化していきたいなと思っています。


──今日スタジオに来てくださいましたけれども、ちょっと左腕を固定されていますね。

はい。7月に腕の手術をして、もうずっと痛くて(笑)。(怪我が)再発したのが去年の10月ぐらいで、そこからずっと痛かったので…。

──じゃあ、日本選手権の時は痛みを感じながら出場していたということだったんですね。

そうですね。庇いながらやっていました。痛みをコントロールしないと練習ができなかったりしたので、再検査をしたら関節唇の部分を損傷していて、そこは手術しないと治らないということだったので、今後のことを考えて早めにやっておこうということで手術をしました。

──いつ頃100%の状態になるという見通しはあるんですか?

先生から言われているのは、(手術から)3ヶ月以上経ったら肩に負荷をかけても良いとのことなので、3ヶ月は左肩は可動域を戻していくようなトレーニングになってはくるんですけれども…。

──3ヶ月後ということを考えると、年内は試合は難しい?

そうですね。無理はしなくていいんじゃないかという話は先生ともしているので、しっかり着実に治していけたらいいなとは思っています。でも、左肩が使えなくても右手でフェンシングはできるし、ピストルは打てるし、水泳でもキックはできるし、やることは山ほどあるので、そういういつもやらないところを強化していこうと思っています。

──逆にそれをプラスに変えるチャンスでもあるのかもしれませんね。

時間があるからこそできることもあると思うので、工夫して、サポートしてくれるみなさんと一緒に頑張っていきたいなと思っています。

──そして、近代五種はパリオリンピックでも話題になっていましたから、目指すところはやっぱりオリンピックの舞台ということになるんでしょうか。

そうですね。やっぱりスポーツをやっている以上オリンピックは特別なものだと思っていますし、目指すのはすごく素敵なことだなと思うので、そこに向かって頑張っています。
壁は高いので、まだまだ努力してという形にはなるとは思うんですけど、自分史上最高を毎日更新していければいいなと思っています。

──いろいろ身につけなければいけないことがあって、スケジュールが大変ですね。でも逆に、自分にできることが増えていくというか、やっていて充実感、手応えみたいなものも感じるんじゃないですか?

ありますね。大人になるとできないことできるようにする機会というのは減っていくと思うんですけど、(近代五種に挑戦するようになって)できなかったことができるようになる、そういう日々の成長を感じることができるので、しんどいときもたまにありますけど、すごく楽しいなと思っています。

──さあそして、この番組は毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。陣在選手の心の支えになっている曲を教えてください。

HIPPYさんの「君に捧げる応援歌」です。いろんな曲を聴くんですけど、今の状況でちょっと(気持ちが)落ちてしまっている時とかによく聴く曲です。「もっとできるだろう」というようなことを言ってくれる曲なので、すごく力になります。

──やっぱりトレーニング中はよく音楽を聴いているんですか?

聴きますね。ランニングとかはコーチをつけていないので、基本的にいつも1人で練習を組んで1人でキツい練習をやっているんですが、そういう時に音楽を聴いて頑張っています。

──ずっと陸上をやっていたから、そういう練習メニューを組むのも慣れていらっしゃる。

そうですね。陸上は得意分野ではあるので。たまに以前見ていただいた高校の先生などに相談はさせてもらうこともあるんですけど、基本的には自分でやっています。

──でも、自分で自分を追い込むメニューを考えるって結構辛いですよね。“もうやめておくか”と思いがちじゃないですか?

思っちゃいますね。でも、やっぱりやらないよりやった方がいいので。できるかできないかは、まずは靴を履いて外に出て競技場に行ってから考えるようにしています。そうしたら、結局、何となくできるんですよ。“やりたくないな”と思っても、“もう今日はいいかな”と思っても、靴を履いてトレーニングウェアを着て外に行ったら走れるんです。第1関門を突破すれば何とかなる。

──頑張って家を出る、一歩踏み出せば、こなせることもある。

はい、あります。


今回お話を伺った陣在ほのか選手のサイン色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
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そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を聴くことができます。
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