小島満菜美選手は、1994年、宮城県出身。
バレーボールは小学3年生から始め、高校時代に全日本高校選抜にも選出。
大学卒業後はNECレッドロケッツに入団。
2023〜24シーズンではキャプテンも務め、チームをリーグ優勝に導きます。
今シーズンからは、アメリカで新設されたプロリーグ「League One Volley Boll」通称「LOVB/ラブ」のチーム『LOVBソルトレイク』の一員として活躍し、リーグの年間最優秀リベロ賞を受賞しています。
また日本代表としても、パリオリンピックにも出場し、今年のネーションズリーグベスト4、世界選手権でのベスト4入りにも大きく貢献されています。
──まずは、つい先日行われていましたが、世界バレーベスト4!お疲れ様でした。去年のパリオリンピックまでは、以前この番組にもゲストで来てくださった真鍋監督が率いていましたけれども、女子代表として初の外国人監督、フェルハト・アクバシュ監督に代わって新体制での世界バレー。真鍋監督からアクバシュ監督に変わって、日本のバレーとしては、方向性は引き継がれたのか、それとも全く新しいバレーに変わっていっているのか、どちらなんでしょうか。
両方かなと思っています。日本のバレーはディフェンスが粘り強くできるところは強みではあるんですけど、その土台の上にもっと攻撃力を上げていこう、ということで、「攻撃をもっと強く、パワーをつけていこう」という話もしてくれていました。なので、そこは両方ともやってくれているなと思います。
──やっぱり強く打てるということが基本になるんでしょうか。
そうですね。もちろんテクニックを使ってブロックアウトをしたり、そういうところはすごく大事なんですけど、(監督は)そこは日本人は得意であるということをわかっているので、それよりも「自分の100%で打て」ということをずっと言っていました。
──世界バレーの前にネーションズリーグも ありましたが、世界バレーとともに4位。準決勝で敗れてしまって、3位決定戦も敗れる。2連敗で大会を終えるというと、何か悔しさも残る大会になったのかなとも思ったんですけれども。
本当に素直に悔しいです(笑)。けれど、“(負けるのが)今で良かったな”と思えるようにこれから準備していきたいなと思っています。若い選手たちもすごく増えて、今たくさんいろんな経験をしなければいけないと思うので、そこは“メダルを懸けた戦いを4回もできた!”とポジティブに考えています。
みんな悔しい思いをしていると思うので、それぞれのチームでレベルアップしてまた合流できたらなと思っています。
──やっぱりベスト4に進むというのは大変なことですし、そこでヒリヒリした試合をたくさんできたというのは、若手も多い中、たくさん経験を積むことができた大会でもあったんでしょうか。
はい。そういう意味では多くの試合ができて本当に良かったなと思います。
──小島選手は守備専門のリベロとして世界でも評価されてるわけですけれども、リベロのやりがいや難しさはどんなところですか?
まずリベロは、1人だけユニフォームが違い、レシーブを専門にしたポジションになっていまして、自分でスパイクを打ったり攻撃することを禁止されているので、どうしても自分で得点を取ることは難しいポジションになります。なので、そこは他のアタッカーたちに託す部分はあるんですけど、でもその分、“チームを負けさせない”ことはできるポジションだと思っています。レシーブを上げ続けることができればチームが負けることはないので、そこはすごくやりがいがあると感じています。
──小島選手が最初にバレーボールを始めた時はリベロではなかったんですよね。
そうですね。最初はアウトサイドヒッターというポジションをやっていました。
──人によって違うとは思いますけれども、バレーボールをやりたいなと思う一番最初は、やっぱり“アタックを決めたい”みたいなところから始めるわけじゃないですか。
そうですね。でも私はアタックがあまり好きではなかったんです(笑)。もちろん打たなきゃいけないポジションだったので打ってはいたんですけど。
──なぜ好きじゃなかったんですか?
レシーブが本当に好きで、ボールを上げるのがすごく好きだったので、そこはアタックよりもレシーブをやりたいなという思いはありました。
──小島選手は守備範囲の広さ…相手のフェイントが決まると思った瞬間にそこに飛び込んで、もう指1本ぐらいでボールを上げるじゃないですか。あれはどうやってやるんですか?
あれは訓練ですね(笑)。ああいう練習を幼い頃からしていました。最初は見よう見まねでしたけど、そこを何回も練習して、やっぱりちょっとでも上げられたらそれが次に繋がるので、絶対に諦めたくないと思って練習していました。
──レシーブも、指1本で上げる時も、ただ触るだけじゃなく、次に繋ぐ、トスしやすいボールにしなければいけないわけじゃないですか。そこがやっぱり小島選手の素晴らしいところだなと思います。
嬉しいです(笑)。そこはすごく大事にしていて、自分が触ったボールが、次の人がより上げやすかったり、また最後のスパイカーが打つところまで繋がっていくボールだと思うので、そこは自分の中でも大事にしながらやっている部分だったので、言ってくださって嬉しいです。
──あと伺いたいのが、反射的に体が動く部分も大きいとは思うんですけれども、やはり相手のデータも頭に入った状態で試合に臨んでいらっしゃるんでしょうか?
もちろんです。iPadに相手の映像を入れて、ひたすら相手のスパイクやサーブを見て、“どういう打ち方をするのか”というフォームの研究をしたり、“打つコースはどういうコースが多いのか”をデータで出してもらったりしています。
──代表チームの中での小島選手はどういう立場なんですか?
年齢も上がってきまして、チームでは年上の方になってきているので、チームを引っ張ることもそうですし、いろんな意味で視野を広く持ち、チームを整えたりする大事なポジションになっているのかなと思います。
──体制が変わったということで、新たに日本代表に選ばれた選手も多かったと思いますが、そういう選手たちがよりプレーしやすい環境を作ったりするということでしょうか。
そうですね。そこは年長者の仕事かなと思っているので。若い子たちは伸び伸びやってこそだと思うので、その分、上の人たちがそういう環境作りをするのはすごく大事かなと思っています。
──試合や練習以外でも、何かコミュニケーションを積極的に取ったりするんですか?
もちろんそういう場面もありますし、下の子たちから私たち先輩に話しかけるのってちょっと勇気がいるじゃないですか。そういう意味では話しかけやすいような雰囲気でいたり…。
──その雰囲気はどうやって出すんですか?(笑) 僕もかなり年上になってきて、現場でどうやっていればいいかわからないので(笑)。
もちろん表情も大事かなと思いますし、その子たちの話題を知っておくことも大事だと思っています。今はすごくTikTokが流行っていると思うので、ちゃんと勉強してアプリを入れて、“今はこういうのが流行ってるんだな”とか情報を少しでもキャッチしようとしています(笑)。
──なるほど。勉強になります。早速、アプリをインストールしたいと思います(笑)。 さあ、新しくスタートした代表チーム、どんな成長を期待していますか?
今回両方ともベスト4ということで、メダルには届かなかったということは結果としてあるので、やっぱりそこを獲りきるというところが一番の課題かなと思っています。そこを具体的に見てみると、やっぱりあと1点、あと2点の壁が大きいと思うので、そこを取っていくために何を自分たちの強みにしていくのかというところをもっと深く考えて、チームで方向性を整えていけたらいいなと思っています。
──今、本当に男女ともにバレーは世界と戦って強くなって、非常に注目されていますから、これからもぜひ頑張ってほしいなと思います。 さあ、この番組では毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。小島満菜美選手の心の支えになってる曲を教えてください。
Mrs. GREEN APPLEさんの「ケセラセラ」です。
「限界?上等 やってやろうか」とか、歌詞がすごく共感できる部分があるんです。やっぱり世界と戦っていくと、自分たちの力のなさであったり、相手がすごく強かったりして諦めたくなる時も出てくるんですけど、そこをもう一踏ん張りすることによって成長できると思いますし、限界に挑戦し続けることがすごく大事だなと思っているので、この曲にすごく支えられています。
──やっぱりバレーボール選手は身長の高い選手が多いですし、小島選手はリベロということでそれほど身長が高いわけではないですから、海外の選手といざネット越しに対峙した時に相当大きく見えるんじゃないかなと。
本当に大きいですよね。海外のリベロの選手が日本のスパイカーの選手と同じぐらいの身長だったりするので、本当に日本人選手は小さいんですけど、だからこそ、その小さい選手たちが強い相手と戦っていく姿というのはみんなに力を与えられると思っているので、そこは頑張りたいなと思っています。
来週も小島満菜美選手にお話を伺っていきます。 お楽しみに! 今回お話を伺った小島満菜美選手のサイン色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式X (旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。 さらに今日お送りしたインタビューのディレクターズカット版ですが、今月から新たに「TOKYO FMポッドキャスト」として、radikoなどの各種ポッドキャストサービスで引き続きお楽しみいただけます。 聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページ をチェックして、そちらも是非、お聴きください!