世界ラリー選手権2025年シーズンの第13戦として、11月6日(木)から9日(日)まで、愛知県・岐阜県で「ラリージャパン2025」が開催されました。
「SPORTS BEAT」では、11月4日(土)に、eスポーツチーム ZETA DIVISION 所属のストリーマー・鈴木ノリアキさんをゲストにお迎えし、名古屋市・Hisaya-odori Park メディアヒロバ内ステージで開催されたラリージャパン応援フェスにて公開収録を行いました。
──まず「ストリーマーって何?」というところから教えていただけますか?
そうですよね。この番組のゲストの方々、いろんなアスリートのスポーツに情熱をかける方々が毎回来ている中で、ゲームをしているヤツって初めてじゃないですか?(笑)
──eスポーツは、ケイン・コスギさんがいらっしゃいましたね。
ケインさんはめちゃくちゃゲーム好きなんですよ。
──そうなんですよね。専用の部屋を作られているという話もしてくださいました。
そうなんですよね。度々イベントでもご一緒させていただいて、熱量にちょっと驚かされるというか、“こんなガチでやってるんだ”みたいな。すごく上手なんですよ。
──「ストリーマー」というのは?
主に対戦ゲームとかなんですけれども、ゲームをしているところをインターネット上で配信して、みなさんに観てもらう…職業みたいなところであります。
──いわゆるストリーミング、配信をする人ということですか?
そうですね。「ゲーム配信者」とかいろんな呼ばれ方があると思うんですけれども、主にTwitchというアメリカが提供している配信サービスをメインでやっていて、海外のプラットフォーム出身なので、何となくそこから語源を取って「ストリーマー」と呼ばれているところがあるのかなと思います。
──早速ですけれども、事前に募集したメッセージが来ているのでご紹介します。「ノリアキさんは大の車好きだということで、ゲームの中でドライブを楽しみ、実際に自分でも車がほしくて免許もないのに車を買われ、その後免許を取られたと聞きました。そんな車好きのノリアキさん流のラリー、ラリーカーの推しポイントを教えてください」──この免許の話は本当ですか?
僕は両親がどちらも車の仕事をしていて、モータースポーツとかもすごく好きで、物心つく前から色々と叩き込まれて“車好き”として育てられたんですが、東京で暮らしていたので、どこに行くにも電車で行けますし、駐車場も高いし、免許を取らずにずっと過ごしていたんです。でも数年前、仕事で車のゲームをやるタイミングがありまして、すごくハマってしまって。“面白いな”と思った時に、ふと、“これはもう、車を買うか”と。“昔は乗れなかったけれど、今だったら乗れるかもしれない”と思って、すぐに事務所に連絡して、「免許を取るために合宿に行ってきます、休みます」と言って。
──合宿に行って取られたんですね。
そうなんです。山形まで行って免許を取ってきまして。
──車を購入されたタイミングはいつだったんですか?
「車を買ったら納車まで結構時間がかかる」と言われたんです。でも、免許を取ったらすぐ乗りたいなと。なので、事前に購入して免許が取り終わった時に車が手元にあるようにしようと思ったんですけど、何かずいぶん早く家に車が来まして(笑)、乗れない車をずっと磨き続ける変なヤツみたいな(笑)。
──(笑)。スムーズに納車されたわけですね。
スムーズに2週間ぐらいで来まして、“早いな”って(笑)。
なので、しばらくは乗れないけれどもただ掃除はする、みたいな意味のわからない状態になっていました(笑)。
──ゲームではずっとドライブをされていたわけですけれども、実際の車を運転された時はどうでしたか?
“怖い!”ってなりましたよ(笑)。山形で免許を取ったので、都内はもう冷や汗が止まらなかったです。トラックとかもすごく多くて最初は本当に怖かったです。
──去年もラリージャパンを観戦されていたんですか?
そうなんです。去年は実際に車で東京から豊田市まで来まして、初日の1日、早朝から夜までいて全部観て、そのままその足で車で帰るという、ちょっと弾丸な観戦にはなってしまったんですけれども。
──やっぱり相当お好きなんですね。
ずっとインターネット番組でやっている配信中継とかを観ていたんですけれども、やっぱり“一度は(生で)観たい”ということで、実際に足を運んで観戦させていただきました。
──ラリーに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
僕の親がすごく車が好きで、漫画を買ってくれたんです。それが「頭文字(イニシャル)D」(講談社)という漫画なんですけれども、リアルでやっちゃ絶対に駄目なんですけど、公道で最速を目指す若者たちの物語で、その延長線上にラリーというものが出てくると。ちょっとネタバレになっちゃうんですが、主人公も最終的にラリーの選手になったと後で語られるんですけれども、その中でラリーカーとかもちょこちょこ出てくるんです。そこに影響を受けて僕も好きになりました。
──そのラリージャパンの推しポイント、ラリーカーの推しポイントがあったら教えてください、とのことですけれども。
“ラリージャパンといえば”なんですが、本当に道は狭く、そしてすごく曲がりくねっていて、難易度が高い。スピードは他のラウンドに比べれば速くはないかもしれないですが、テクニカルな部分で、1個ミスをしたらリタイアしてしまうようなところをとんでもない攻め方をしていく姿が、ラリージャパンを観ていて一番面白いところですね。
──日本は紅葉が綺麗ですけれども、道路の上に落ちた葉っぱがスリップの原因になってしまったりとか。
落ち葉がすごいですからね。その中でも限界ギリギリで走っていくところがやっぱりすごいなと思いますし、観ていて楽しいですね。
──ちなみに、推しドライバーはいるんですか?
勝田選手はお会いしても本当にすごく気さくな方ですし、パフォーマンスも素晴らしい方で激推しなんですが、個人的にはロバンペラ選手も(今年がWRC)最後ということで、今年は走りにも特に注目していて、推している選手です。
──若き天才、ロバンペラ選手。来シーズンからはサーキット。日本のフォーミュラを選んでくれたということは嬉しいですが、ラリーでの走りがもう見られなくとなるとちょっと寂しい部分もありますね。
寂しいですよね。彼も推しの選手の1人ですね。
──さあ、続いてのメッセージ紹介したいと思います。「鈴木ノリアキさんに質問です。ノリアキさんは、ゲームはもちろん、モータースポーツにも造詣が深いと思っております。そこで、現在eスポーツと呼ばれるゲームを通したスポーツと実際のスポーツとの親和性について、ノリアキさんの目線を通したご意見をいただければと思います。“ゲーマーがスポーツにハマる”、その逆で“スポーツ好きの人がゲームにハマる”といった異文化交流を促進するためにはどういった視点が必要なのか、ノリアキさんの体験を踏まえたご意見をお聞かせいただけたら嬉しいです」──これ、番組を間違ってるんじゃないですか?(笑)
eスポーツの代表として何か喋らなきゃいけないみたいな感じ(笑)。でもすごく面白いですね。
──いわゆるアジア大会ではもうeスポーツは採用されていたりしますけれども。
ありますね。僕自身も元々バレーボールをやっていて、全国でもトップクラスの学校に行ってバリバリやっていたところから、紆余曲折あってeスポーツを始めたんです。
どちらも体験してみて思ったのは、やっぱり、“情熱の源には競争というものがある”と。“誰よりも上手くなりたい”とか、“昨日より上手くなりたい”という向上心だったり、“他のあいつより上手くなりたい”という競争みたいなところが情熱の源になっているという点では、スポーツとeスポーツは同じなのかなと思います。なので、“ゲーマーがスポーツにハマる”とか、“スポーツの好きな人がゲームにハマる”ということはかなりあるんじゃないかと。
あと、実際に、例えばモータースポーツの選手の中で、eモータースポーツ、それこそグランツーリスモだったり…。
──シミュレーターみたいなものでレーサーの方は訓練しているわけですからね。
そうなんです。例えばグランツーリスモの世界大会で結果を出している選手がフォーミュラの方でも結果を出しているという事例も多々ありまして、やっぱりそこは近しい体験ができているという部分もありますので、親和性もすごく高いのかなと思っています。
──ゲーム自体も進化していって、よりリアルになっていく、本当の車の挙動と近くなればまるほどそのゲームが上手い人は車に乗っても上手いということも考えられますしね。僕が小学校の時にファミコンが出てきて、やっぱり“人に負けたくない、勝ちたい”という気持ちはありましたけれども、eスポーツとして正式に採用されて、こういうアウトプットがあるとよりレベルは上がっていくものなんですか?
そうですね。レベルもすごく高くなっていますし、競技性も競技人口も増えていますし、大会の規模も大きくなっているんです。それこそ2、3ヶ月ぐらい前にサウジアラビアで世界大会がありまして、僕も現地まで行って観戦してきたんですけれども、やっぱり熱量もすごくて。選手の熱もそうですし、現地まで応援しに行っている方もいて、やっぱりすごいなと。年々大きくなってきている、拡大しているなという感じはしますね。
──さあ、ラリージャパンは少なくとも2028年までは豊田市を中心に開催予定になっています。最後にラリージャパンを生で見ることができる魅力を教えてください。
僕は元々ずっと映像で観ていたんですけれども、実際に行くと、音から、空気の揺れから、そして目の前を通過していくその迫力から、何もかもが映像で観る何倍も伝わってきますので、やっぱり現地に行って、“こんなスピードで選手たちはあの狭い道をガンガンに攻めているんだ”というところを感じ取ってほしいです。あと、ラリージャパンで豊田スタジアムの会場に出ている屋台が全部すごく美味しかったので、ぜひ現地に行って美味しいご飯も食べていただきたいなと思います。
非常に楽しいので、ぜひみなさんも生で観ていただければなと思います。
今回お話を伺った鈴木ノリアキさんのサイン色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。さらに、今日お送りしたインタビューのディレクターズカット版は、「TOKYO FMポッドキャスト」として、radikoなどの各種ポッドキャストサービスでお楽しみいただけます。聴き方など詳しくはTOKYO FMのトップページをチェックして、そちらも是非、お聴きください!