大岩義明選手は、1976年生まれ、愛知県名古屋市のご出身。
10歳のとき馬術に出会い、明治大学馬術部で主将をつとめたものの、卒業後、いったん競技を離れます。
しかし、2000年、シドニーオリンピックをテレビで観戦していると、再び、競技への情熱が湧いてきました。
「オリンピックに出たい!」その想いでイギリスに渡り、2008年の北京以来、オリンピック5大会連続出場。
2024年のパリオリンピックでは団体で銅メダル、日本の馬術競技で92年ぶりとなるメダルをもたらしました。
そして今回のアジア大会では、総合馬術団体で銀メダル、個人で銅メダルを獲得しています。
まずはメダルを獲得した感想を伺いました。
大岩:今回は必ず団体は金メダルをチームとして獲りたいと思っていたので、そういう意味ではやっぱり少し悔しさが残る結果になりました。でも、個人では銅メダルも獲れましたし、元々個人はチームの中から誰かが金を獲れればと思っていて、それは叶わなかったんですけど、自分でも今回メダルが2つ、団体と個人が獲れたということで、それなりに満足はしています。
アジア大会の馬術競技には『馬場馬術』『障害馬術』そして『総合馬術』の3つの種目があります。
大岩さんが出場した『総合馬術』とは、どういうものなのでしょうか?
大岩:この総合馬術は(馬場馬術、クロスカントリー、障害飛越の3種目で競う競技で)、まず最初の馬場馬術は、演技にはなっているんですけど、馬に対して、人の指示をどれだけ聞いているか、調教をどれだけされているかを審査する種目で、クロスカントリーは耐久力などの部分が試される種目、最終の障害は、クロスカントリーの後で体力的にも疲れてくる中で、障害物を落とさずにどうやって帰ってくるかという、全体的な流れがある種目になっています。
僕自身はけっこうオールマイティーだと思っていて、何か1つのことにすごく秀でているというよりは、この総合馬術で一番大事な部分だと思うんですけど、すべての種目均等にできるというところが自分の強みなのかなと思っています。
総合馬術ならではの見どころを大岩さんに伺いました。
大岩:やっぱり、クロスカントリーのスピード感や迫力が、総合馬術の中でも1番魅力がある部分じゃないかなと思います。
今回も、観に来てくれた方々が「すごく近くで感じることができて楽しかった」と言ってくれていましたし、思っているより馬が近距離で、本当にロープ1本隔てたところに走ってきますので、走っている音や鼻息などをすごく身近で感じられるところが魅力じゃないかなと思います。
東京で行われた馬術ですが、馬事公苑では名古屋を感じさせる演出がありました。
障害が名古屋名物で飾られていたのです。
大岩:これはですね、ちょっと僕、名古屋愛をすごく感じたんですよね。
今回、シャチホコと名古屋市庁舎(をモチーフにした障害物)があったんですけど、特に、このシャチホコの障害が8番障害だったんです。名古屋の市のマークが漢字の「八」で、末広がりの「八」なんですが、“8番障害に置いてあるな”と、そこで名古屋愛を感じました。多分誰も他の人は気づいていなかったと思うんですけど、名古屋人としてすごく嬉しかったです。
私の馬の出身地はスペインなので、シャチホコのことはちょっとわからないと思うんですけど(笑)、“なんかいるな”ぐらいだったかもしれないですね(笑)。
「僕の馬はスペイン出身なので」という大岩義明さん。パートナーとなる馬、オタワ号について話してくれました。
大岩:女の子で、今年の3月頃から乗り始めた馬なんです。代表の選考にギリギリ間に合うか間に合わないかの最後の段階で僕と縁があって乗り始めた馬なんですが、コンビ歴が短いので、そういう意味でも6ヶ月でよくここまでできたなという思いもあります。
牝馬が合わない、好きじゃないという選手もいたり、色々タイプがあるんですけど、僕は比較的牝馬が好きで、今のところ喧嘩することもなくうまく来れているんじゃないかなと思っています。
今回のアジア大会、日本は、大岩さんが出場した総合馬術団体で銅メダル。ほかに、馬場馬術団体、障害馬術団体でも銅メダルを獲得。すべての種目でメダルを獲得しました。
そうした中、大岩さんはライバルがどんどん強くなっているといいます。
大岩:今回は、やはりアジア各国がかなり実力をつけてきているということをすごく感じられる大会でした。団体で金メダルを獲ったタイチームとか、すごく強くなってきていますよね。
やっぱりヨーロッパに選手を送り込んできている国、それからパートナーとなる馬をうまく手に入れることができている国はどんどん強くなってきていますね。ヨーロッパで馬を買おうとすると、今は日本円が弱いじゃないですか。そうすると、他の国の方が買いやすかったりする。日本からしてみると、今までの倍費用がかかったりすることも当然ありますし、そういう部分でも、今の状況はちょっと不利かもしれないですね。
最後に、アジア大会を終えて、次なる目標となる2028年のロサンゼルスオリンピックへの想いを伺いました。
大岩:(もともとは)“オリンピックに出たい、オリンピック選手になりたい”というざっくりした夢だったんです。それが、やっているうちに、今度は“メダルを獲りたい”に変わってきた。今度も、そういうことはその時の縁だったり状況だったりがすごくあるので。
“どのぐらい準備をしなければいけないか”というところはもうわかっているつもりなので、できる限りのことを尽くして、ロサンゼルスまで準備していきたいなと思っています。
この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。
大岩義明選手のCheer Up Songは、どんな曲でしょうか?
大岩:もうずいぶん昔ですけど、それこそ大学を卒業してイギリスに渡るか渡らないかの時によく聴いていた、浜崎あゆみさんの「Depend on you」という曲です。
もう“自分次第”ということですね。やるのもやらないも自分だし、旅立つのか旅立たないのかも、結局、“自分がどう思っているか”なのかな、なんて思いながら聴いていた記憶があります。
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