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2026.10.17

“せらみさペア”アジア大会金メダル獲得!激闘の裏側

今週の「SPORTS BEAT」は、今週は、アジア大会で日本に初めての金メダルをもたらしたセーリング49erFX級、女子2人乗りスキフの、豊田自動織機 永松瀬羅選手、田中美沙樹選手、“せらみさペア”にお話を伺っていきました。
永松瀬羅選手、田中美沙樹選手、「せらみさペア」のおふたりには、大会直前の9月12日にもご登場いただきました。
改めてプロフィールをご紹介しますと、永松瀬羅選手は、1994年生まれ、大分県のご出身。田中美沙樹選手は、1997年生まれ、大阪府のご出身です。
早稲田大学ヨット部では、先輩・後輩の関係でした。
豊田自動織機で活動を続ける中、2024年のパリオリンピックを目指してペアを結成されました。


──まずは金メダル、おめでとうございます。前回のアジア大会広州大会では銀、そして今回はさらに良い色のメダルを獲得できたということで、金メダルを獲得した感想を聞かせてください。

永松:まずはとてもホッとしています。前回の雪辱を晴らすことができたので、嬉しい気持ちよりもホッとしている気持ちの方が強いです。

田中:私も同じくホッとしている気持ちです。やっぱり地元の海での大会で勝ち切るということは、あまり機会もないですし、それが実行できたというところではすごく嬉しいです。

──そうなんですよね。今回の会場はお2人にとって地元となる豊田自動織機海陽ヨットハーバー。やっぱり自分たちにとっては有利なポイントだったんでしょうか、それともやっぱりプレッシャーみたいなものを感じていらっしゃったんですか?

永松:どちらもありますね。やっぱりホームポートということもあって地元のみなさんからたくさんのご声援をいただきまして、大変力になりましたが、少しプレッシャーを感じつつ、でも、やっぱり地元の利を生かすというところでは大変有利な展開ができたかなと思うので、どちらもあるかなと思います。

──さらにこのアジア大会で、このクラスで日本人選手が金メタルを獲得するのは初めてのことなんですか?

田中:そうなんです。種目自体がわりと若い種目でして、オリンピックも2016年のリオオリンピックからの採用なので、アジア大会自体もまだ何回も行われてきたわけではないんですが、その中で初めて金メダルを獲ることができました。

──お2人が出場したセーリングの勝敗はポイントで決まるということで、1着だと1ポイント、2着だと2ポイント。合計していくポイントが少ない方が上位で、最終的に一番ポイントが少ない国が優勝ということなんですけれども、当初12レースが予定されていたのに天候不良により9レースに短縮になったと。このことに対してはどのように受け止めましたか?

永松:そうですね。私たちは風ありきの種目になるので、天候に左右されることは常に覚悟を持ってレースに挑んでいますので、今回、風に恵まれなかったというところは想定の範囲内ではあるんですけれども、でもやっぱりもっとレースをしたかったという気持ちも多少あります。

──短期決戦になることで試合展開は変わるんじゃないか、という予想もありましたか?

田中:そうですね。大会期間中の天気の予報が出始めてからは、“どういう展開になるか”とか、“待ちの時間が長くなりそうだ”とかは想像できる状態ではありましたので、その中で短いレース数になるかもしれないというところも踏まえて準備はできていたかなと思います。

──そして、いざレースが始まって、第1レースは3着、第2レースは2着。一方香港は連続で1着。一番悪いレースはポイント除外されるとはいえ、この時点で3ポイント差をつけられていて、この辺はどう受け止めていましたか?

永松:相手の得意なコンディションの中でのレースだったので、先行されることも想定はしていたんですけれども、でもやっぱり私たちの良いパフォーマンスが初日のあいだに出し切れなかったことはすごく悔やんでいて、それをしっかり振り返った上で“次こそは”と切り替えて取り組んでいました。

──その切り替えが功を奏したということなんでしょうか、第3レース以降は1着が多くなったわけですけれども、具体的にどういう点を直していったんですか?

田中:天候自体が、2日目、3日目は初日とは全然違うということもあって、2日目は私たちがかなり得意としてる風速、今までの実績や前回のアジア大会で銀メダルを獲った時と似たような天候ということもあったので、しっかり実力を出し切ることができれば自ずと良い成績がついてくると考えて取り組みました。

──風だけじゃなく、波や潮なども関係するのかなと思いますが、事前にそういうところも予想して対策を立てるんですか?

永松:毎回、レース海面に行く時には、地形やその時の気候など、いろんな準備をしてからレースに挑むので、私たちは今回ホームポートということもあって地の利を生かすというところでは常に情報が入っている状態でレースに挑むことができたので、それも挽回できた、良かった点かなと思っています。

──そしてレース中はスキッパーの田中選手、そしてクルーの永松選手、お互いどういう役割をされているんですか?

田中:スキッパーの私は主に舵を持って船の進行方向を決めているのと、あとは風を読んでどういうレース展開をしていくのかとか相手との駆け引きとかそういうところを担当しています。

永松:クルーの永松は、基本的には船の一番大きいセール、「帆」と言われるものを操作して船のスピードをコントロールしたり、あとは体を大きく使って船のバランスをしっかりとって船を前に進ませるための力仕事をよくしています(笑)。

──大学からの先輩後輩ということなんですけれども、後輩にあたる田中選手の方が指導級を持った役割ということなんですよね。

田中:そうなりますね。ポジションは同じなんですけど、大学の頃はもう少し違う船に乗っていて、その時も同じポジションでやっていたので、そのまま、という感じです。

──本当にお二方、明るくて仲が良いと思いますが、永松選手は田中選手の指示で動いたりする中で“それはちょっと違うんじゃない?”と疑問に思うことはないですか?

永松:多々あります(笑)。私も一緒に考えて一緒に行動を起こさなきゃいけないので、いろいろ考えながら乗っている中で、“それは違うんじゃない?”と思うことはたくさんあるんですけれども、でも最終判断は田中に任せているので、よっぽどのことがない限り、基本的には田中の指示通りに動くようにしています。でも、たまにちょっと口を挟んで惑わせてしまうこともあります(笑)。

──先輩の言葉は絶対だったりするんですか?(笑)

田中:そういうことはないです(笑)。自分も迷ったりする瞬間もあるんですけど、それを口に出して一緒に考えてもらうこともあれば、その瞬間自分が思ったことをそのまま指示に出して急な展開ということもあるので、そこは事前にどれだけ準備ができているかというところになるので、事前の会話がすごく大切になるかなと思っています。

──セーリングを見ていると、ボートの上で激しく移動したり身を乗り出したりして、でも自然の風を動力にしているということで、実際に乗っていて風の音や波の音がうるさいと思うことはありますか?

永松:何年も乗って慣れてしまっているので、風の音や波の音がうるさいと感じることはないんですけれども、それよりもどちらかといったら、ずっと船の上で会話をしていたり、相手の船を牽制するために叫んでいたり、もしかしたら外からは静かに走っているように見えるかもしれませんが、意外と中ではわちゃわちゃごちゃごちゃうるさいと思います(笑)。

──ずっと声を掛け合っているみたいなイメージですか?

永松:そうですね。基本的には、次のアクションのことだったり、次のプランのことなどについてコミュニケーションを取りながら乗っています。

──ホームポートということもあってか、他の船とは全然違う進路を取ったりというところもありましたが、やはり“そこの方が風が吹く”とか“潮が流れている”とか、そういう予想があってのコース選択だったんですか?

田中:はい。最終日の中ではかなり地元の風に近い天気の中でレースをすることができたので、いつも起こりやすい傾向を頭に入れながらコースを組み立てるところがあったんですけど、その中で少し他の選手とセパレート、離れてコースを取るということもありました。

──そして全9レースの中で第8レース終えた時点で金メダルが確定しました。その瞬間のお気持ちを教えてください。

永松:何というか、ギリギリの戦いをしていたと私は思っていて、初日、2日目、3日目もやっぱり何が起こるかわからない。自然相手で正解がないというのもセーリングの競技の魅力ではあるんですけれども、そういったこともありますし、あとは相手がどういう動きするかの予測もしづらい中で、やっぱり接戦の戦いを常にしていたので、最後の最後に順位が決まったその瞬間はすごくホッとしました。でもまだあと1レース残っているので、脱力しないように必死に自分を鼓舞して、“もう1レース、良いレースをして終わらせよう”という気持ちで取り組んでいました。

田中:最後、何点差を広げれば…ということも前日までは考えていたんですけど、実際海に出てそういうことを考え始めると悪い流れになりやすいというのが今までの傾向だったので、“目の前のレースを、良いレースをして帰ってくる”というところにフォーカスして過ごすことができたことにもホッとしましたし、今までできなかったことができるようになったという気持ちもありました。

──終わってみれば9レース中1着が5回。快勝だったのではと思いますが、この戦いを終えた後の今後の目標をお聞かせください。

永松:来年からロスオリンピックの選考がスタートするので、3大会に分かれて今回選考が行われるんですけれども、まずは一番最初に世界選手権で国枠を争う大会が待っているので、そこに向けて練習を積み重ねていけたらなと思っています。

田中:まだ今シーズン最後の全日本大会もありますので、そこで今回できたような良いレースをしっかり続けることで自分たちの自信につなげられたらいいなと考えています。

──さあそして、この番組では毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。前回出演していただいた時に永松選手がMrs. GREEN APPLEの「僕のこと」を挙げてくださいました。金メダルを獲った今聴きたい曲を、今度は田中選手、教えてください。

田中:私のCheer up songは、DOBERMAN INFINITYさんの「Proud」という曲です。

──こちらの曲を選ばれた理由というのは?

田中:この曲は応援ソングなんですけど、今までいろんな瞬間が…苦しい瞬間も喜びがある瞬間もあったんですけど、それをひっくるめて今の自分の力になっている、ということを実感できるような曲になっています。

──レースの前にお2人は音楽を聴いて気持ちを高めたりされるんですか?

永松:そうですね。私は1人の時間になると何か音がないと落ち着かないことが多いので、基本的には音楽を聴いたりして自分を落ち着かせたり、自分のテンションを上げたり、今回も、最終日とかは緊張する可能性があるなと思って、ホテルで音楽をガンガン流して自分でテンションを上げて会場に向かいました。

田中:今回の大会ではなかったんですが、2人で車移動をすることが多くて、普段からよく車で音楽をかけながら過ごしているので、いろんな曲をよく聴きます。

──そして永松選手、田中選手は今回リスナーのみなさまにシートシャックルをプレゼントしていただけるということなんですが、このシートシャックルはどういったものなんでしょうか。

永松:私たちが競技で使う時は基本的には物と物をつなげるために利用しているんですけれども、普段使いをする時は、例えばカバンにカラビナのような感じで使うことが多くて、例えば帽子を引っ掛けてみたり、何かちょっと必要なものを引っ掛けてカバンにつけておくとか、そういったことによく使っています。

田中:こうやって引っ掛けられるようになっています。ロープなんです。

永松:自分たちで編んで作っているんです。

──とても素敵なプレゼントを用意していただいてありがとうございます!


今回お話を伺った永松瀬羅選手、田中美沙樹選手からシートシャックルを2名のリスナーにプレゼントします。
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また、ポッドキャストのコンテンツ『SPORTS BEAT supported by TOYOTA Mixed Zone』。
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