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2022.08.06

第二の人生も“自分らしくありのままに”

今週の「SPORTS BEAT」は、スノーボード アルペンの元日本代表、神野愼之助さんをゲストにお迎えしました。
神野愼之助(かみの・しんのすけ)さんは、山梨県出身の29歳。
7歳でスノーボードを始め、17歳の時には日本代表に初選出。
出場したジュニアワールドカップで世界8位に。
早稲田大学に進むと、早稲田のスキー部史上初、唯一のスノーボード選手となり話題になりました。
その後は、トヨタ自動車スキー部に所属。
2021年-2022年シーズンのワールドカップでは、パラレル大回転・団体に出場され8位に。
日本代表として世界で活躍され、今年現役を引退されました。

──現役生活、お疲れ様でした。現役の時には、夏はどのようなことをされていたんですか?

日本だと雪がないので、海外に行って雪のあるところで練習をするか、日本に残ってフィジカルトレーニングをしていました。やっぱり体重が重い方が、遠心力、重力がかかった時に板にかかるパワーが増えるので、体重を増やすということは自分の中ですごく意識してましたね。

──自分の体重も武器?

そうですね。意外と体重によって生まれるパワーが大きくタイムに影響するので、世界の選手はけっこう大きくて、僕なんか本当に小柄な方でした。

──今は、初めてゆっくりとした夏を過ごされている?

ゆっくりしてる感覚がないですけれども、“第二の人生”じゃないですけど、ある意味新しい生活が始まって、例えば、ポケモンで言ったら「マサラタウンを出ました!」みたいなタイミングなので(笑)、今、新しい感覚で面白いです。毎日勉強ですね。

──引退を決意された理由を教えてください。

もともと、北京オリンピックというのは自分の中では1つのポイントではあったんですけど、その中でも、「自分がスノーボードを始めてから何に夢中になっていたんだろう?」ということを改めて考えてみると、自分がどんどん上達していくその過程を楽しんでいたんだな、ということはすごく感じていて。今回、引退するきっかけってなんだろうなと考えた時に、やっぱり自分の“上達の具合”というか、“伸び方”に悩みがあったんじゃないかな。日本代表として、ワールドカップで常に戦ってきているんですけど、じゃあ本当にトップで戦えていたかと言われたら、自分はまだもう1個先、もう2個先に行けたんじゃないかなと思っているんですけど、そこに対する上達が感じられなくなってきていた、ということも1つ大きな理由なのかなと思います。
同時に、ソチオリンピックで銀メダルを獲られた、スノーボードのアルペンの先輩の竹内智香さんと一緒に過ごさせてもらう時間があったんですけど、竹内智香さんと喋っていると、人間力というかパワーというか、考え方、アクション、行動力…そういったところを見ていて、“メダルを獲る人は次元が違う!”って感じちゃったんですよね。
そこを感じてしまった以上、自分にその資格があるのかないのか、また、今自分で実際に感じている上達の具合とかを考えた時に、冷静に“(引退する)タイミングなのかな”と思って引退しました。

──人生は長く続いていくわけで、セカンドキャリアというか、そういうことを始めるタイミングというのも重要ですしね。

そうですね。自分自身「スノーボードだけが自分の人生」なんて思っていないですし、スノーボードのキャリアの中で得た自分の武器や人間力というものが絶対に存在すると思うので、その武器の中で第二の人生をどういう風に戦っていくのか、楽しみにしています。

──世界で戦ってきた神野さんですが、日本と世界とでは差があるものなんですか?

例えばですけど、日本には柔道をする場所、環境がたくさんあるから、やっている母数が多い。海外でそういった場所が多くあるかといったら、そんなに多くない。(スノーボードも)そのぐらいの差だと思うんです。やっぱり、ヨーロッパという環境が、スノーボードをやる環境として優れている。
日本は雪はたくさんあるんですけど、柔らかいんですよね。日本の方はけっこう知らない人が多いんですけど、日本って、世界的に見てすごい降雪地帯なんですよ。いろんなところで何メートル以上の積雪があるじゃないですか。海外にはほとんどそういうところはなくて、寒いけど、雪はそんなに多くは降らない。だからだんだん雪はコンパクトになっていく。でも日本はバーっと降っちゃうので、柔らかい雪の中でやるので、レース系はある意味、向いていない。ただ、できる環境もあるので、そういうところに人は集まるんですけど、そういった意味では、世界との差というものは、やっぱり環境は大きくあるのかなと思いますね。

──セカンドキャリアが始まったわけですけれども、これからどのように過ごしていくか、予定はありますか?

スノーボードの現役だった頃から一貫しているんですけど、「自分らしくありのままに」。このスタンスだけは変えたくないというのがあります。自分は変わらないけれど、環境が変わるので、そこで“自分らしくありのままにいる”ために、変わらなきゃいけないものは変える。その中で、自分らしさ、ありのままに、というところで生きていければなと思っています。

──今後の目標を聞かせてください。

現役の時に、引退をした後はどうしようかなとずっと考えていたんですけど、“現役の時に、このスノーボードしかしてきていない人生で「次にこれだ」と決める必要もない。これから新たなステージに立っていろんな経験をする中で、また自分が「こうしたい」「本気になりたい」と思えるようなものが見つかってくる”と思っているので、「自分らしく生きていく上で自分にふさわしい目標を見つける」ということが目標でしょうか。

──そして、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。神野愼之助さんの心の支えになっている曲を教えてください。

昔から聴いています、ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」です。
13、14年前ぐらいからずっと聴いていて、昔からロックは大好きだったんですけど、この曲をYouTubeで初めてPVと一緒に観た時に、何か自分の中のロックの次元が1個ポーン!と上がったな、みたいな。もう電気ビリビリ~!みたいな感じで「かっけぇ~!」ってなって(笑)。

──(笑)。もともと、ロックに目覚めるきっかけは何だったんですか?

目覚めるきっかけはちょっと覚えてないんですが、昔から好きだったんですよね。友達がみんなロックが好きだったということはあると思うんですけど、そういうカッコいい曲、疾走感のある曲がもともと好きで、この曲はもう、初めて聴いた日のことは忘れられないですね。

──ご自身でギターとかはされないんですか?

やっていました。中高生の時とか、この曲を全部弾けるようになるぐらいやってましたね。もう忘れちゃいましたけどね(笑)。

──じゃあ、また、改めて…。

それも、引退してからの、1つの趣味じゃないですけど、もしかしたらそれで本気になれるかもしれないですよね。それ、いいかもしれないです(笑)。

──最後に、「アルペンのココを見てほしい!」という、競技を見る時のおすすめのポイントを教えていただけますか?

僕たちの種目はスピードを競ってタイムを争うので、最短で行くのかって思われがちなんですけど、結局、「安定してゴールをする」ということもすごく大切なんです。
というのも、スキーは板が2枚、エッジが2つあるじゃないですか。スノーボードは板が1枚、エッジが1つしかないんですよ。やっぱり1つミスが起きた時に重大なミスに繋がってしまうので、そこを、タイムを狙って最短を行く選手もいれば、そうじゃなくて、つなぎながら、安定を取りながらも速いタイムを出すというような、選手それぞれでリスクの取り方が違う。ライン取りが違う。そういったところは、見ていておすすめのポイントかなと思います。


今回お話を伺った神野愼之助さんのサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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