大久保琉唯(おおくぼ るい)選手は、2004年生まれ。
小学1年生の時にお父さまの影響でキックボクシングを始め、数々のアマチュア大会で輝かしい実績を残します。
2021年にはK-1アマチュア全日本大会とK-1甲子園-55kgで優勝を果たし“K-1 GROUPの年間表彰式”「K-1 AWARDS 2021」のアマチュアMVPに選出。
2022年2月にプロデビューを果たし、9月には初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いています。
2023年6月には、バンタム級ワンマッチでアマチュア時代のライバル齊藤龍之介選手と対戦し、延長判定で敗れてプロ初黒星を喫しますが、10月に黒川瑛斗選手を判定で下して再起。
2024年7月の-55kg世界最強決定トーナメントではジャオ・ジェンドン選手を破り準決勝進出を決めています。
──実は僕は今年からキックボクシングを始めたんですが、キックは上下のバランスが難しいなと思いますが、このバランスはどうやって取るものなんですか?
これはもう「練習あるのみ」と言うしかないんですけれども、自分が意識しているのは、上に散らしたら下に攻撃したり。
パンチと蹴りしかないんですが、その中にも頭を使ってするスポーツだと思うので、そこに奥深さだったり面白さがあるんじゃないかなと思います。
──駆け引きは、ボクシングよりもキックボクシングの方がよりあるということですね。
そうですね。レパートリーは多いと思います。
──団体によってはムエタイとかもあって、“この試合ではこれは有り”“この試合ではなし”などルールが非常に難しいと思いますが、大久保選手の場合、試合によって(戦い方や意識が)変わることはないんですか?
今のところはないですね。
──(ルールが)違う団体の人と戦いたいという思いはありますか?
強い選手がいるのであればやってみたいという気持ちはあります。
今(K-1では)は(ムエタイではOKの)首相撲とかはない(禁止されている)んですが、小さい頃はムエタイの試合などを経験していたので、そこは問題ないかなと思います。
──逆に、ムエタイの練習をしていると、普段、つい首をつかんでしまったりすることはないんですか?
最近はなくなりましたけど、首相撲なしの試合は、やっぱり最初の方は(相手の首を)掴んでしまうことが多かったです。
──大久保選手は、2022年のプロデビュー後、17歳で高校生世代に大人気の恋愛リアリティ番組「オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない」(ABEMA)に出演し、大きな話題にもなっていました。これはどういう経緯で出演することになったんですか?
プロ2戦目に、「THE MATCH」という、武尊選手と(那須川)天心選手が対戦した大会の前座で、天心選手の弟の龍心君と試合をしたんですが、そのABEMAの記者会見の時に声がかかって、この番組に出演するきっかけになりました。
──オファーが来た時はどう思ったんですか?
すごく嬉しかったです。やっぱり高校生の中でも話題になっている番組ですし、もともと観ていたので。
でも、まず条件で“(試合に)勝たないと出させてくれない”という(笑)。超やる気が出ました(笑)。
──観ている側と実際に撮影される側ではだいぶ違ったと思いますが、大変なこともあったんじゃないですか?
カメラ(に撮られる)とかがこの番組が初めてだったので、すごくカメラを気にしちゃったり、最初は難しいことがたくさんありました。
──人気のある番組ですから、出演したら影響があったんじゃないですか?
ありましたね。街で声をかけられたり、友達にも、「え、出てるの?」なんて、反響はありました。
──反対に、対戦相手からしたら、「そんな恋愛リアリティー番組に出ている相手になんか負けたくない」みたいな、逆に狙われたりすることはないんですか?
それで言うと、初代Krushフライ級王座決定トーナメントの時に、「オオカミ」の撮影が被っていたんですが、ちょうど意地でも負けられない戦いだったんです。
4人でトーナメントをやったんですけど、他3人の選手は、「こんな恋愛番組に出てるヤツなんかには負けねーし」みたいな…もう、3対1みたいな感じでした(笑)。
──撮影の時間もあるし、トレーニングはどうするんですか?
空き時間にやったりしていました。自分は栃木なんですが、(撮影で)東京に通いで行ったり来たりして、帰ってきたら練習したりとか。
たとえば、(撮影が)午後からだったら午前中に練習を入れたり。空き時間、空き時間にやっていましたね。
──大久保選手が目指してる「理想のファイトスタイル」は?
これはもう、“自分が出て、相手からもらわない”というファイトスタイルを、徹底的にやっています。
いろんな格闘技の人から、ヒガミじゃないですけど、どうしてもアンチみたいな意見がくることもたくさんあるんです。だけど、“(批判してくる人は)それでも勝ててないじゃん”という、“黙っとけよ”というところはありますね(笑)。
──9月29日、いよいよ大久保選手が出場する準決勝が控えています。大久保選手にとってこの大会(『K-1 WORLD MAX 2024』)はどんな位置づけになりますか?
キャリア史上で一番大きな大会だと思いますし、初めて階級を上げて、初「世界最強決定トーナメント」というものに出させてもらって、期待されているなと感じますし、“必ず結果を残す”という気合は入っています。
──対戦相手の玖村将史選手はどんな選手なんですか?
-55kg級の中でトップだと思います。
ものすごく強い選手だという印象がありますけど、ここを超えないと意味がないと思うので、“倒してやろう!”という感じです。
──試合に向けて、対戦相手の分析をよくするのか、それとも自分の良さを出していくのか、どちらに重きを置いていますか?
自分の動きの良さに重きを置くと思いますね。もうその練習しかしていないです。
──大久保選手の武器というか、「ここを見てほしい!」というところはありますか?
今の印象でいうと、自分はやっぱり“スピードの選手”で、(相手をパワーで)倒せないと思われているんですが、この試合では、みんなが驚くような勝ち方だったり成長ぶりを見せたいという気持ちはありますね。
──戦いの前の精神状態というのはどうですか?
いい意味で、“無”ですね。入場する時は、“無”です。何にも感情が湧かないです。緊張もほぼしていないですね。
──やっぱり幼い頃からずっとお父様に教わってきた、“ナチュラルボーンファイター”みたいなところがあるんでしょうか。
でも、小さい頃はめちゃくちゃあがり症で、小学生の時には人前で話すと泣き出しちゃったり声が震えたりということが多かったんです。
──どこで変わったんですか?
本当に自分でもわからないんですよね(笑)。
──まさか、「オオカミ」に出たことで?(笑)
(笑)。まあ、そこでひと皮むけたかもしれないんですけど。本当に小さい頃は緊張しいでダメでしたね。
──でも、“無”のままで戦うわけじゃないですよね。どこでスイッチが入るんですか?
戦いが始まったら、もう……どういう感情なんですかね、わからないです(笑)。
でも、たまにやっぱり熱くなっちゃう時がありますね。結構(攻撃を)もらうと、“返さないとな!”と。変化していきますね。
──ぜひ、KO勝ちしてほしいです。
はい、頑張ります!
大久保琉唯選手が出場する『K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強トーナメント』は、9月29日(日曜)、国立代々木競技場 第二体育館で開催されます!今回お話を伺った大久保琉唯選手のサイン入り色紙を抽選で1名の方にプレゼントします。ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター))をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひお聴きください!