2025年05月25日Flow 第三百五十六回目「拓哉キャプテン × ロバート 秋山竜次」Part3
今月のマンスリーゲスト、お笑いトリオ、ロバートの秋山竜次さんとのトークも今週が最後!
秋山さんにとっての「人生の1曲」も伺います!
木村:「秋山歌謡祭 in Zepp Nagoya」。
秋山:そうなんですよ。これ、ライブをやることになったんですけど、一応流れがあって。(ロバートの)お笑いライブの時に、客席にポツンと小学生がいたんですよ。「何であんな子供が1人いるんだ?」みたいな、いっつもメモってる少年がいて。
木村:それ、お父さんお母さんとか、お姉ちゃんお兄ちゃんと来てるんじゃなくて?
秋山:1人で、なんですよ。東京でお笑いライブやる時に小学生の子供がいて、明らかに目立つんで、よく相方と「何だろうな? あの子供みたいなヤツ。」みたいな(話をしていた)。
で、何回やっても来てて、ある時、それをイジったんですよ。そしたら、「大阪から来てる。」と。お父さんが単身赴任で東京に住んでるんで、夏休みとか春休みを利用して、その時だけお父さんに頼んで泊めてもらって。お父さんの家に泊まりながらお笑いライブに来てるんで、遠くの全然違う端の方にお父さんはいるんですよ。お父さんは席を取らずに子供を楽しませてあげてて、子供は1列目、2列目でメモってて。
木村:メモってるの(笑)。
秋山:まず、そいつは全然笑わないんです。「お前、何で笑わねーの?」って言ったら、「今とりあえずここではメモって、家に帰ったら笑います。」みたいな。いや、別にそんなメモるようなことをこっちも言ってないし(笑)。それで、毎回ライブのケツに、そのメモった中で今日の面白かったところを聞いたりしてたんですよ。お客さんからも認知され始めまして、僕が「じゃあもうお前を“メモ少年”って名前にするよ。」って言って。
(メモ少年は)中学校になっても、高校になっても、ずっと来るんです。大体お笑い好きって、違うコンビの方に行ったりとか、お笑いもあんま見なくなったりとか、回転があるんですよね。でも、ずっとそいつだけはいて。
大阪に住んでてベースは大阪なんで、今度は僕が大阪に営業で行ったら、学生同士で模造紙で横断幕みたいの作って、『ようこそ!大阪へ!』みたいな(掲げていた)。「あいつ、いるじゃねーか!」みたいになって。
そっから、今度は東京の大学に入ったんですよ。大学で実行委員になって、「(学園祭で)自分の好きな人を呼べる」っていう権利がある役職にまでなって、それで、僕ら(ロバート)を1組だけ呼んだんです。吉本のシステム的に、大体3組~4組で行くんですよ。大体1組10分~15分でやって、最後エンディング、みたいな。だけど「いや、もうロバートさんだけでいいんで。」って言って、僕らだけの1時間のライブがあったんです。
木村:(笑)。
秋山:それを劇場の時に話してきたんで、吉本の人に「あいつ、結構ハードなヤツだから。ちょっと1回話を聞いてあげて。」って言って、繋がって、(学園祭に)行くことになったんです。その学祭が終わった後に、「いやもう、満足できました!」みたいな感じになったんですけど。
そいつはリハーサルも全部分かってるんで、全部自分でして、「何が来てもいいように僕がリハーサルしましたんで、曲でもいいですし、ネタでもいいですし、全部やりますんで。」って言ったんです。で、そこで盛り上がったんですよ。
終わったと思ったら、今度は「一緒に働きたい。」ってことになって。劇場の出口から出る時に出待ちみたいにいて喋りかけてきて、「あの、吉本に入りたいと思って。ロバートさんのマネージャーとして仕事をしたいんですけど。」ってなって。「いやでも、吉本に入ったからといって、僕らと仕事できるとは限らないよ。」って、僕は分かってるんで正直に言いました。僕もお客さんと喋るわけにもいかないんで、もう、本当に数秒ですよ。「いや、まぁでも分かんないから、それだったら、テレビ局とかに入って俺たちの番組作ってくれよ。」って言ったんですよ。
僕もそこまでは…「してくれ」とは言ってますけど、とにかく案として(話した)。
木村:分かる分かる。
秋山:そいつ、今度は、僕らがレギュラー番組やってた名古屋のメ~テレに就職したんですよ。そのまんまガチで入って、それで企画書を書いて、YouTubeとかの番組やり始めて、僕と何回か仕事して、最終的に特番みたいなのを任せられて、番組を作ったんですよ。
木村:それがこれ(「秋山歌謡祭」)?
秋山:それがこれです。
木村:じゃあこれ、元メモ少年が?
秋山:メモ少年が総合演出でやってるやつです。
木村:ディレクターで? すごくないですか?
秋山:もう、マジで子供だったヤツが、1回も浮気せずに(笑)。
(「秋山歌謡祭」は)2023年からで(今年)3回目なんですけど、年1回、メ~テレの上の方が、そいつに好きにやらせてやるチャンスを与えてくれて。でもそいつはもう「秋山さんの変な歌が聴きたいんです!」って言って、全部番組をフォーマットにしてやったんです。
ローカル番組だったんですけど、またやり方が今風で、それをすぐにYouTube載っけたんですよ。配信とかにも載っけずにYouTubeに上げて、それがもう何百万再生ってなって、それで2回目が決まったんです。今度の2回目、3回目はほぼほぼ全国になっちゃって。なかなかの快挙ですよ、本当に。
木村:もう、メモ少年が真っ直ぐなんだね。
秋山:メモ少年が真っ直ぐすぎてすごいんですよね。もう本当に、こいつがやりたいことに乗っかってあげてるだけです。
木村:彼の欲ではなくて、彼自身が見たいものを…「僕はこれが見たいんだ!」っていうのを作ったら、それが全国に広まって。
秋山:だから感動しました。皆さんも喜んで。それが、今度Zeppで初めてのライブでやるってなって、メモ少年も「やりたい!」ってだいぶ張り切ってますね。
木村:もう少年じゃないでしょ?
秋山:ギリ20代…? もう少年じゃないですけど。
木村:すごいね。そういう熱意と言うか。
秋山:すごいんですよね。「このパターンはあんまりないな。」と思って。ここまで、番組までやるのは珍しいですもんね。
木村:でも、そういう少年達の人生にタッチしてるのがあからさまに分かったりすると、やりがい感じるでしょ?
秋山:本当にそうですね。めちゃくちゃ感じますね。
木村:そんな、人生にタッチしまくってる秋山竜次に、うちの番組に来てるメールに付き合ってもらっていいですか?
秋山:いいですよ。ありがとうございます!
木村:これはいいアドバイスが出ると思います。
メッセージはコチラ!
【愛知県 ゆずか 12歳 女性】
拓哉さん、こんにちは!
4月から新中学1年生の柚花と申します。
あたしは将来の夢は、イラストレーターさん、『ちゃお』の漫画先生、バードトレーナーさん、鳥博士、水族館飼育員さん、書道の先生、お母さん、保育士さん、歌のお姉さん、パン屋さん、ハガキ職人さん、なりたいものがたっくさんありすぎて、1つに決められません!
どうしたらいいですか?
秋山:結構数がありますね。いやいや、こんだけあるって、逆にいいっすね。
木村:「イラストレーター」にもなりたい。
秋山:漫画系も好きだし、動物系も好きなんですかね。
木村:まず1つ、夢に「お母さん」が入ってるっていうのが、何か温かい子なんだろうな、って思うんですけど。
秋山:そうですね。かと思ったら、歌の方も行きたいって。
木村:「歌のお姉さん」。だから出役もちょっと。なのに、「歌のお姉さん」の後に「パン屋さん」っていうのを挟んでますけど、「ハガキ職人」が入ってますからね。だから、出役も裏も、ですよ。出役と裏の間にパン屋さんが挟まってる。
秋山:(笑)。すごいっすね、パンもやるんだもんなぁ。だって、漫画も締め切り来ますからね。忙しいでしょ? でも「出役やんなくちゃいけないから。」って。
木村:そう。なのに、鳥にも何かをし…。
秋山:「クワークワー! コココココ…!」 漫画を片手で描いて、で、歌も歌うでしょ?
木村:で、書道の先生もやるから。マジックじゃなくて筆だよね。
秋山:そうですね。やっぱ毛だから。鳥…!
木村:羽(ハネ)!
秋山:跳ね、止め、返しとか。くちばし…!
木村:(笑)。
秋山:いや、「全部一気にやる。」って言ってるんじゃないんですよ(笑)。全部1人でこれやったらもう、すごいよね。1人エンターテイナー。
木村:すごい。だから本当に秋山竜次の「クリエイターズ・ファイル」と一緒ですよ。
秋山:まさにそうですよ。本当に細々としたやりたいやつはもう全部やって欲しいんで、1個に絞らないで欲しいですけどね。もう今から「1人クリエイターズ・ファイル」をシミュレーションしといて、どんどん絞っていくのもいいんじゃないですか?
何個か組み合わせられたりできますよね。「バードトレーナー」と「鳥博士」は一緒にできますもんね。
「書道の先生」やりながらの「パン屋さん」も。書道の先生がお品書きで店頭にガーッと『カレーパン』とか『卵サンド』とか書いてると、「あそこ、すごいお品書きの字が上手いよね。」って。
木村:「他のお店よりでかくない?」っていう。
秋山:今月の推しのパンを、なんかあの清水寺で書かれる「今年の漢字」みたいに、『今月のパン』を朝に書き出したら面白いですよね。
木村:何で「書道の先生」と「パン屋さん」を一緒にしたのかが(笑)。
秋山:でも、できなくはないですよね?
木村:できなくはないけどさ。でも、「保育士さん」と「歌のお姉さん」って(一緒に)できそうだよね。
秋山:本当ですね。ここはいけますね。
いや、いいっすよ。羨ましいと思います。こんだけ(なりたいものが)パッと出てくるのは。
木村:ね。豊かでいいよね。応援したくなるな。
秋山:楽しみですね。
木村:楽しみです。是非、その時はまた教えてください。
今月はマンスリーゲストにロバートの秋山竜次をお迎えしてお送りしてきました。「秋山歌謡祭」はZepp Nagoyaで開催が決定されてて、日程は9月22日、23日、2DAYSっていう。
秋山:本当に、こんなのないですから。もうね、こんなのをやるとは思ってないし、「何を2DAYSもやらせてんだよ。」って話ですから。お笑いなんで、ガンガン叫ぶ歌い方なんで声も喉も持たないし…。
木村:メモ少年が見たいんだもん。
秋山:メモ少年が、マジで2日(会場を)押さえやがったんですよ。何ならこの2日目なんか2回公演みたいのをしてるから、「そんなんは無理だから。」っつって、最後はトークライブにしてもらいましたよ。
木村:あ、1日で2回まわそうとしたんだ?
秋山:23日はそうです。「馬鹿野郎、お前。歌えるわけないだろう!」と。「そうですかね?」みたいになっちゃって。
木村:すごいね。もうプロモーターみたいなっちゃってるね(笑)。
秋山:本当に(笑)。ただただ、「たくさんやりたい熱意」がすごくて。(「秋山歌謡祭」は)この中で出てきた色んな変な歌を歌う、お祭りですね。
木村:でもきっと、先週のラジオの中で僕も言わせてもらいましたけど、“秋山竜次が生み出した「みんなの歌」”っていうのは、多分メモ少年は賛成してくれると思います。
秋山:本当ですか?
木村:「あー、いや、木村さん。それまだ浅いです。」って俺が言われるかもしれないけど。「秋山竜次ってそんな尺度じゃないです。」ってメモ少年には言われるかもしれない。
秋山:(笑)。いやいや、そんなこと大丈夫ですから。メモ少年は、まず、今木村さんから(自分の)名前が出てることに飛び上がってると思います。まずその次元です。
木村:いや、でも素晴らしいと思いますよ。
秋山:ありがとうございます。
木村:是非是非、また何かあったら、僕のことを、そして世の中の皆さんのことを、メモ少年のことを、笑顔にしてほしいなと思います。
秋山:本当に嬉しいです。
木村:この番組は、毎回ゲストの方に「人生の1曲」っていうのを伺ってるんですけど。これ、「やまいも」とか駄目だよ。秋山竜次にとっての「人生の1曲」は、何なりますか?
秋山:全てこれに詰まってると思います。まず、小学校5年生ぐらいにCDを初めて買ったんです。本当に「嘘つき。笑かそうとしてるんだろう。」じゃなくて、マジで小学校5年生で初めて買ったシングルが…「Lambada(ランバダ)」です。
木村:え、そのアーティスト名は?
秋山:Kaomaっていう。
木村:あ、向こうの?
秋山:はい。石井明美さんのカバーの方じゃなくて、マジの方の、向こうの。あれを小5で買ったんですよ。
木村:何でそれ選んだの?
秋山:CMで流れてて、お姉さんたちがビーチで踊ってて、「何だ、この楽しい歌は!」って思って。CMソングを口ずさむのが好きだったんで、そのCMになる度に歌ってて「え、これマジでちゃんと全部欲しいんだけど。」と思ってたんです。その時にクリスマスだったんで初めてラジカセを買ってもらったんですよ。「1枚CD買っていいよ。」って言われて、「Lambada」を選んだんです。
木村:(笑)。
秋山:そこが原点です。流行りませんでした?
木村:流行った! やっぱ、太陽の紫外線も感じるし。露出もちょっと高めだし。
秋山:そうなんです。露出も日焼けも含め。こういうポルトガル語みたいなやつが好きなんですよ。「マカレナ」も。全部適当に歌いたくなっちゃうんです。何かあのノリ好きですね。
木村:そうね。好きなのが何となく分かった。いや~、中身濃かったな~。
秋山:僕、大丈夫ですか?
木村:Flowのリスナーの皆さん、日曜のお昼に、これは衝撃的な時間が流れてると思う。
秋山:(笑)。「Lambada」でお別れ(笑)。
木村:「人生の1曲」が「Lambada」ですから(笑)。
[OA曲]
M.Lambada/Kaoma