2025年08月31日Flow 第三百七十回目「拓哉キャプテン × 蒼井優」Part4
今月のマンスリーゲスト、11月に公開される映画「TOKYOタクシー」で共演させて頂いた蒼井優さんとのトークも今週が最後!
そして、蒼井優さんにとっての「人生の1曲」も伺います!
木村:「日本アカデミー最優秀主演女優賞」を受賞されていたりとか、「美の巨人たち」で声のお仕事をされたり。声のお仕事って、自分の中で楽しかったりします?
蒼井:楽しいですね。「空を飛ぼう」と思った時に、実写だといっぱいハーネス着けて、吊ってもらって、って、空飛ぶカットを撮るまでにすごく時間かかるじゃないですか。だけど、アニメって声だけで空飛べるじゃないですか(笑)。あれがすごい楽しくて。
木村:いやいや、そこ?(笑)
蒼井:私、本当にそれが楽しくて。声優さんのお仕事って「世界が“飛べる”」。もう絵が出来上がってる状態で…まだ未完成で途中までだったりすることもあるけども、ある程度の絵が見えてる状態で声を乗せさせていただくから、パッて全然違うところに連れてっていただけて、それがすごい好きですね。
木村:「空飛ぶ時に…」っていう話し出しだと思ってなかったので(笑)、僕の中で「うんっ?」ていう驚きはあったんですけど。ああ、そういうね。
蒼井:木村さんは、声優の時どうですか?
木村:僕もいろんな作品を拝見させてもらってて、知らず知らずにそれが当たり前で。アニメの作品とか、声優さんたちがなされていることが、その世界観にいざなってくれる当たり前のツールと言うか。
すごく独特な声を出してやってらっしゃる方もいらっしゃるけど、その立ち位置に自分が立たせてもらう、ってなった時には、実写で自分が映って何かを表現する以上に、すごい覚悟します。
蒼井:わかります。
木村:そこのみで、このキャラクターさん、この世界観さんを、声で存在意義としていなきゃいけないっていう時は、覚悟をしてるかな。
じゃないと、難しくて言えないですね。
蒼井:やっぱり本業の声優さんがいらっしゃって、その中で声かけていただけるって、本当に「お邪魔します」っていう。
木村:その「お邪魔します」感はすごいあります。
蒼井:だからこそ、どんだけ現場で恥ずかしくてもいいから、「教えてください!」、「違ってたら仰ってください」っていう感じです。
木村:あと、自分が子供の時、すごくハマっていた、熱中していた、夢中になっていた、例えば「銀河鉄道999」の星野鉄郎っていうキャラクターで親しんでた方が、もう何十年後に「ドラゴンボール」の孫悟空だったりするわけじゃないですか。今で言う「ONE PIECE」のDr.くれはであったりとか。そういう、瞬時にそこにいざなってくれる人たちと言うか。
今、池田(秀一)さんもそうですけど、シャア・アズナブル…赤い彗星のシャアをやった後に、赤髪のシャンクスをやってるので。僕の中で勝手にストーリーを広げていって、1人盛り上がりをしている部分もあったりはするんですけど。
自分がその立場になる、って言うと、今優ちゃんも仰ってたけど、「お邪魔します!」、「失礼します!」っていう感じはありますね。
蒼井:ですよね(笑)。
でも、やっぱりやらせていただくと楽しいので(笑)。なので、「お邪魔します!」って気持ちはあるんですけど、実際やってみると、難しいけど実写では経験できないこととか、あと男の子の役とかやらせていただけるから、性別も超えられるし、年齢も超えられるので…。
木村:「アンパンマン」行ったよね?
蒼井:行きました(笑)。お邪魔してきました。
木村:「アンパンマン」ってやっぱ…すごいよね(笑)。
蒼井:語彙力(笑)。わかります。「アンパンマン」ってすごいんですよ。
木村:すごいよね。
蒼井:でも「アンパンマン」は難しかったですね。皆絵を見たら、キャラクターの声を脳内で再生できるじゃないですか。いろんな何十っていう役の声を皆が知ってる中で“新キャラクターで入る”って違和感が生まれるから、「アンパンマン」はもう「どうやればいいんだー!」って。
木村:でも「アンパンマン」の中に自分がタッチできるって、ワクワクしたでしょ?
蒼井:私のキャラクターがアンパンマンに髪の毛拭いてもらったりとか、チーズと一緒にお風呂入ったりとか、アンパンマンに寝かしつけしてもらったりとかしてるだけで、もうすごい幸せでした(笑)。こんなに嬉しいんだ、と思いましたよ。
木村:でもその作品って、声優さんとして参加した作品だけど、家族がそれをキャッチしてくれた時のまた新鮮なリアクションもきっとあるだろうし。それははすごい豊かなことですよね。
蒼井:そうですね。子供にはバレない声を出しました。
木村:でもいつかバレるよ、それ。「これそうだったんじゃん!」って。
蒼井:そう(笑)。だから、いつ気づくかな、って。そうなって欲しいな、と思って。本当に子供が「アンパンマン」大好きなので…。
木村:あれ、何で好きなんだろうね? 本当にわからない(笑)。すげーなと思う。
「アンパンマン」、早く観てもらいたいですね(笑)。それがわかった時のタイミングはすげえ楽しいだろうから。
蒼井:そうですね。この間は気づかなかったです。
木村:一切? もうひたすら没頭して、っていう。
蒼井:そうです。“チャポン”っていうキャラクターとして観てました。
ここからは、この番組「Flow」に届いているリスナーからのメッセージに、蒼井優さんにもお付き合いをしてもらいます!
【東京都 氷の女王 32歳 女性】
こんにちは!
暑い日が続いていますが、かき氷食べてますか?
実は私、かき氷が好きすぎる女子なんです。
会社帰りや休みの日には話題のかき氷屋さんを巡り、自宅にもかき氷機を購入し、冷凍庫に常に手作りシロップを数種類をストックしています。
でも……問題は夏が終わることなんです。
秋になると、急にかき氷を置くお店が減るし、「え?こんな寒いのにかき氷?」って目で見られるし、友達にも「冬はやめときなよ」「お腹壊すよ」って言われますが、愛は季節を選ばないと思うんです!!
木村さんは「季節外れでもやめられないもの」ってありますか?
木村:そうなの? 優ちゃんって、(かき氷に)何かこだわりあるんですか。
蒼井:私、この氷の女王さんは私のことかと思うぐらい、全く同じです。最近はそこまでじゃないんですけど、氷の女王さんと同い年ぐらいの時は、もう本当に同じ状況でした。常に家に業務用のブロック氷があって、お店で使うような大きなかき氷機が…。
木村:え? 手回しの?
蒼井:はい、手回し。
木村:そんなにかき氷が好きなの?
蒼井:私、かき氷が好きすぎて、本を2冊出してて…。
木村:は? 何で2冊出してるの!?(笑)
蒼井:(笑)。世の中には美味しいかき氷屋さんがいっぱいあって、1冊じゃちょっと収まりきれなくて。
木村:じゃあお店に行ってるんですか?
蒼井:行ってます。自分で交渉して、「取材させてください」って言って。
木村:ひょっとして、国内。
蒼井:ハワイも行きましたけど、基本的に国内です。
その当時は、日本の冷たいスイーツって言ったらアイスが主流だったんですよ。ガシャガシャて混ぜたりするのが人気で、もちろんあれもすごく美味しいんですけど、私はかき氷の美味しさを皆に知って欲しくて。いろんな編集部の人に「かき氷の連載をやらせてください」って言って、「アイスだったらいいですよ」って言われて、「違いますから!」って言って、かき氷がどれだけ美味しいかを伝えました(笑)。
木村:今の、笑顔の「違いますから!」はちょっとだけ怖いからね(笑)。めっちゃ笑顔で(笑)。
蒼井:「違いますから!」(笑)。それで、かき氷の連載を『Casa BRUTUS』っていう雑誌でやらせていただいて。それを書籍化させていただいたのが、その2冊です。
木村:へ〜!
蒼井:わかります。冬も食べたいですよね〜。
木村:冬、寒いのに?
蒼井:はい。
木村:今月は、マンスリーゲストに蒼井優さんをお迎えしてお送りしてきました。11月21日に公開予定の、山田洋次監督の91本目となる最新作「TOKYOタクシー」でご一緒させていただいております。
今後、「ここを目指してみたいな」とか、「ここに向かってみようかな」っていうのってあったりしますか?
蒼井:いっぱいあるんですけど…。もう一度、山田洋次監督の映画に出たいです。山田監督にずっと映画を撮っていただきたいです。
木村:確かに。でもさ、この間お食事した時にさ、「こうでこうなんだよ」、「この男がこういう奴と出会ってさ」って言って、頭の中で構築してたよね。
蒼井:そうです。木村さんに「すごい情けない役やってほしい」みたいなことを仰ってましたよね。
木村:言われました(笑)。
蒼井:全然駄目な男を、「どうやったら駄目になるかな?」っていうのを(話した)。監督とお食事すると、ストーリーを皆でお話するのが楽しいんですよね。
木村:そうなんですよ。そこで、倍賞さんが「じゃあこういうのはいかがですか?」って言ってまた入ってきたりとか。「その時の女房役に私が行きまーす」って、優ちゃんがウイスキーの炭酸割りをめちゃくちゃ飲みながら仰ってたりとか。
蒼井:そう(笑)。
木村:いちファンでもあり、出演者としても、優ちゃんからはすごいそれを感じる。
そして、この番組は毎回ゲストの方に「人生の1曲」を伺ってるんですけど、やっぱそこはアレですか?
蒼井:アレしかないですよね(笑)。
木村:「せーの」で言っていいですか?(笑) …せーの!
2人:「Tomorrow」!
木村:当たった! 良かった!
蒼井:(笑)。
木村:やっぱり選んだ理由としては、スタートのきっかけとなった「アニー」ですか?
蒼井:そうですね。いっぱい好きな曲はあるんですけど、この曲を聴くと、小学生の頃のあの当時の自分が見てた景色とか、目の前にどんどん未来が広がっていってる感じ、っていうのを思い出すんです。
木村:ちょっと過去を見返す、あの当時の思い出を振り返るアルバムでもあり…。
蒼井:そう。その当時の自分と重なって、今の自分の目の前が明るくなる感じがするので、この曲はやっぱり大好きな曲です。
木村:いや、もうこれは、また2〜3日残るぞ(笑)。
蒼井:すいません(笑)。ちょっと忘れていただいて(笑)。
木村:いやいや、もう楽しかったです。
蒼井:ありがとうございました!
[OA曲]
M.Tomorrow/Charles Strouse, Andrea McArdle, Annie (Original Broadway Cast), Peter Howard


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