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画像
DISC
天運我に有り (撃つ用意)
from
『病める無限のブッダの世界 − BEST OF THE BEST (金字塔)』
BUDDHA BRAND

過去を捨て未来を捨てて今を掴み取ろうと生きてきた。
「昔は良かった」とか、「未来はきっと」とか言い始めたら、誰か僕を殺してくださいぐらいのつもりで生きてきた。
ダメだ。ブッダ・ブランドだけはダメだ。
いつどんな時に聴いても、僕を19歳にしてしまう。
やり場なく体内を巡るだけだった中途半端な地方都市に住む中途半端だった僕の血を、沸騰させてしまう。

ライムスター先生の『ONCE AGAIN』の時にも書いたけど、10代の僕の一部を確かに作ったものはHIP HOPだった。

人と同じことするの嫌い。群れるのも馴れ合うのも大嫌い。
僕には僕の譲れないモノがある。それを誰かに曲げられたくない。
もっとみんなに知ってほしい。この信念が正しいはずだと証明したい。
でもどうしていいか分かんない。
部屋でうずくまるしかなかったダメ人間な僕のお手本。

1990年ごろニューヨークで結成 (全員日本人です)。
1996年メジャーデビュー。
DEV LARGE、CQ、NIPPSの3人MCとDJ MASTERKEY。

ブッダ・ブランドは、それに加えて僕に、『問答無用のカッコよさ』を教えてくれた。
ってことで問答無用なんだから語ることも別になくなってしまいました (笑)

いやーカッコイイ。アガる。ぶっちぎり。問答無用。
どこを切っても全てが全てカッコイイ。オトナ。都会。太くうねるファンクネス。狂ったリリック。
外人とか欧米的なるものへの憧れとコンプレックスと、日本に生まれたことへの誇りと。
そんなことも丸ごと掬ってくれた。
ダメなままでいいんだよとか弱さも強さだよとか言わず、彼らは彼らとして孤高であるところが僕を救ってくれた。
「俺らはスゴイ。めちゃくちゃスゴイ。カッコイイだろ」
言ったからにはやる。有言実行。摩擦も衝突も恐れない。あーカッコイイ。ホメすぎですか。

アナログレコードでしかない音源もあるし廃盤も多いので2枚組のベストアルバムを選んでみました。
どれか1曲と言われたら『人間発電所』か『Funky Methodist』か『天運我に有り (撃つ用意)』か全部100点で全く決めれないから『天運我に有り (撃つ用意)』とりあえず推しとくけど、2枚組丸ごと、完全にカッコイイです。

スタートから他を寄せ付けず圧勝 走り抜けてく猛スピード
ひたすらスタミナの極限へ向かい 己の限界へ身を置きチャレンジ
道無き道切り開き未知なる土地 俺が作る俺の立ち位置
右左攻撃 仁義無き戦い 少しの犠牲しょうがないこの世界
守りなし攻撃一筋 (まるで)逆流する雄シャケの川登り
立ちはだかる壁ことごとく砕き (今が)過去になる前 走る明日に

(天運我に有り (撃つ用意))


おおー…リリック(歌詞)書いてるだけでテンション上がってきた。
あとは、2枚目の『KRUSH GROOVE 3』から『REMIX (KRUSH GROOVE 4)』の流れで、僕の10代の頃の青いテンションのアガりを再現していただいても結構です。

あ、ブッダ・ブランドの初期超大名曲『人間発電所』のトラックをサンプリングして、加藤ミリヤ先生の『夜空』は生まれました、という豆知識も紅茶のおともにどうぞ。


COMIC
「宇宙兄弟」 小山宙哉
夢と才能と劣等感。
っていうのは、わが校の生徒の永遠のテーマでもありますね (笑)

才能がなければ、夢をあきらめなければならないのか。
やりたいことは、何となくある。でも多分自分はダメだろう。
だから最初からあきらめる。
いつしか、何が自分の夢だったのかも、その夢にどれだけの熱を持っていたのかも、輪郭がボヤけて、思い出そうとしても思い出せなくなってしまう。

兄、南波六太。弟、南波日々人。兄弟の物語。
2006年。UFOを目撃した幼い2人は、ともに宇宙飛行士になろうと誓いあう。
月日流れて2025年。弟・日々人は宇宙飛行士となり、初めて月面に立つ日本人として、間もなく訪れる打ち上げの日を、NASAで待っている。
そして兄は。宇宙飛行士への夢をあきらめ自動車設計会社に就職し、ある日、上司へ頭突きをしてクビ (笑)

兄は何でも自分よりできるようになっていく弟に嫉妬した。
昔は張り合い、弟よりできる兄でいなきゃいけないと頑張った。自分をより大きく見せようと努力した。
そしていつしか、張り合うことをあきらめた。自分は弟には勝てない。才能がない。
もちろん、超狭き門で夢のまた夢の、宇宙飛行士になんか、なれるわけない。
弟は、ホントになっちゃったけど。


才能がないから、夢をあきらめるのか。
夢をあきらめる理由を、才能がないことに押し付けているのか。
そもそも、僕らが『才能』と呼ぶものの正体は、一体なんだろう。

日々人は、兄に向って言う。

「世の中には、絶対はないかもな。でもダイジョブ。俺ん中にあるから」


才能には限界がある。すべての人にとって限界がある。
自分よりも才能がある人は世の中にたくさんいる。その人たちを、才能で抜くことはできない。

しかし一方で。僕たちにしかできないことが、才能なんてモノより、よっぽど確実に、キミの中にある。

好きで好きでたまらない、というキモチ。

大好きなモノ、大好きなコトのために、何かしたいというキモチ。


この世に無限のモノがあるとすれば、それはただ1つ。そのキモチ。
生まれや学歴や肩書きや外見や財産や身長や歯並びやIQや目の大きさや、キミの才能に関係なく、誰にも負けないところまで大きく膨らませられるのは、ただ1つ。そのキモチ。

「好きなだけじゃ、やっていけない」っていうのは、オッサンやオバハンが好んで良くつくウソです。

『好きか、好きじゃないか』じゃなく、『どれほどに、どんなふうに好きなのか』。
それを意外と誰も考えない。

考えた瞬間、世界は変わる。

ってことで。JAXAとかNASAとか、宇宙飛行士採用試験とか、すごいリアリティあって超テンション上がる大人気マンガです。
『モーニング』で好評連載中でコミックスも11巻までしか出てないから、まだ追いつけるよー。


BOOK
「異邦人」 アルベール・カミュ
息をするように毎分毎秒ウソをつく人が、世の中にはいる。
オトナコドモに関わらず、いる。
一方で。僕らは社会で、学校で、家庭で、何とか生きていくために、毎分毎秒、ウソをつく。
ウソをつく、っていうのに違和感があるなら、僕らは日々、『演技をする』。
もっと分かりやすく言えば、『空気を読む』。

周りが褒めそやすバンドを、全く良いと思わない、と言うと角が立つから、「うん、良いよね」と言っとく。
人が死んでも別に悲しくなかった、と言うとヒソヒソ後ろ指さされるから、「すごく悲しかった」と言っとく。
友達の深刻な相談が、なぜか笑えて仕方ないけど、ヒトデナシみたいな扱い受けそうで、笑いをかみ殺す。


『異邦人』の主人公、ムルソーは養老院からの連絡で母が死んだことを知る。
母の葬儀でムルソーは泣かなかった。
葬儀の翌日に女と海水浴に行き、付き合いはじめ、喜劇映画を見て笑い、セックスをした。
知人のいざこざに巻き込まれ、海辺で一人の男をピストルで撃ち殺してしまった。
裁判にかけられ、人を殺した動機は『太陽のせい』だと証言した。


どう思いますか。ムルソーのことを。
ヒトデナシだと思うか。血も涙もない男だと思うか。
アウトローな感じでカッコイイと思うか。
どう思うのも自由だ。好きな感情を抱けばいい。

ムルソーも僕らも、自分の行動や感情の理由を、全て説明できるわけじゃない。
目の前の人の事が分からないのと同じぐらい、自分の事も分からない。
そしてムルソーは、そのことからは逃げなかった。自分が感じたことに、ウソをつかなかった。

悲しくなかったから泣かなかったし、結婚なんて自分にはどうでもいいことだと思ったからそう口にした。
殺人動機を聞かれても分からない。
思い出すのはあの日の太陽だったから太陽のせいだと言ってみたが、違うような気もした。
それが正しいかどうかは誰も分からない。誰も。
ただ、ムルソーはウソはつかなかった。

いつの間にか…ずっと昔からかもしれないけど、僕らの社会 (学校) は、『異邦人』を許さない。
正義や道徳、『正しいとされている』ことからハミ出すことを許さない。
周りがGOサインを出した瞬間、自分の害が及ばないところから徹底的に攻撃を加える。
みんなが幸せになるためにルールは必要だ。
でも、自分たちと考えや価値観が違う人が現れるたびに、攻撃して排除して拒絶するのは、幸せなんだろうか。


僕たちは、分からないことへの不安を解消するために、誰かの作ったルールやモラルや正義にもたれかかって安心する。
自分を見つめることをやめて、自分がウソをついていることからも目をそらして、安心する。

「母親の葬式で泣かないようなヤツはロクでもない野郎に決まってるから死刑」とか言っちゃう。
「あんなカッコイイバンドを否定するヤツは音楽なんて何も分からないバカだ」とか言っちゃう。

そんな人たちには、フランスの哲学者ヴォルテールの、僕が大好きな名文句を捧げたりしてみる。

「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」


短い小説だからすぐ読めますしノーベル文学賞の大作家先生ですから。カミュ。何かカッコイイでしょ。
分かんなくていいから、1回読んでみてね。ちなみにセイン・カミュのおじいちゃんですよ。


MOVIE
リアリティ・バイツ
僕には経済のことは分かんないけど、どうやら15年ぐらい前のアメリカはけっこうな不況だったらしい。
大学を卒業した男女は、社会に放り出される不安をまぎらわすように、卒業式の後、酒を飲んではしゃぐ。必死ではしゃぐ。不安。不安。期待。不安。

Reality Bites.
現実が、噛みついてくる。

学生から、社会人へ。
10年以上に渡って、オトナたちが用意してくれた枠の中で言いつけ守ったり守らなかったりしてれば、それなりに安全な毎日が約束されてた。
突然、枠から放り出されて、今日からすぐ切り替えろなんて無理でしょ。
不安。不安。期待。不安。

大学を総代で卒業するほどの優秀さだったが、テレビ局のADになって雑用のような仕事がつまらないと、自らクビになって無職。ドキュメンタリー制作の夢をいつまでも忘れられず、かといって不況で新しい仕事も決まらない女、リレイナ。
ひねくれて斜に構えて大学を中退して、マジメに働くのが馬鹿らしいとバンド活動(実質無職)。頭は良いので口だけは達者な男、トロイ。

「23歳までに何かを成しとげてたかったのに!」
(リレイナ)

彼らは、現実の壁にぶつかってはいない。現実に噛みつかれて自らの体が傷つくのを、ひたすら恐れ、身をかわす。
あの頃みたいに。学生の頃みたいに。そう思って居場所を探すが、人生には、たどって後戻りするための轍はない。

若者たちは、自由を欲しがった。
しかし自由には、自由を守るための『対価』が必要だった。
若者たちは、対価を払わず、ちんまりとした、いわば『子どもサイズ』の自由を獲得した。

ストーリーとかエンディングとかは一旦置いといて(笑) 
あと数年で社会人になるぐらいの生徒は、1回ボーっと観ながら、色々考えてみるきっかけにしてみてください。
映像制作とかバンドとか、みんなとはわりと近い夢だったりもするしね。



スクール・オブ・ロック!職員オススメ