「ココロを読むクルマ、そして、事件解決のヒント?」 〜未来の車は、心を読む?〜


キーン、コーン、カーン、コーン…
授業の終わりを告げる、チャイムの音。

林さんと別れた恵理さんは、今、工学部の校舎の裏通りを歩いていた。

"カリスマスパイ" を名乗る、あの人。なんとなく人は良さそうなんだけど、信頼していいのか、まだ分からないし… 私がやらなきゃ!

恵理さんは勇敢にも、一人で事件の解決を図ろうとしていた。



と、道の途中で、どこかの研究室の人々が、何かの実験を行っている。
どうやら、工学部の人々のようだ。

「よし」

恵理さんは、一人で聞き込みを始めた。

「これは一体、何の研究をされているんですか?」

「我々は、電気自動車の研究をしているんですよ。…といっても、ちょっと変わった研究かもしれませんが。よかったらアナタも参加してみます? ほら、乗って乗って!」

「えっ… ちょっとちょっと!」

人の輪の中心にいた、知的な研究者にも、人のいい営業マンにも見える男性。
どうやら、この男性が研究室の教授であるようだ。

「まずは、サスペンションなしね。運転してみて。免許は持ってるよね?」

「あ、一応…」

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二つの意味で「のせられて」、恐る恐るアクセルを踏むと、音もせず、ゆっくりと車が進む。 これが電気自動車の乗り心地かぁ…

「あっ!」 (ガタガタガタ…!)

人為的に作ったでこぼこ道。その上を通った瞬間、車の振動。

「ははは。よしよし、じゃあ、ここまでもう一度帰ってきて。」

ぎこちない運転で、なんとか元の場所へ。

「でこぼこな道を通ると当然、車体も体もすごく揺れちゃうでしょ? …じゃあ、次はサスペンションを活かしてみよう。はい、もう一回。」


なんだかよく分からないままに、知らない学生たちに囲まれて運転中。
今日は変なことばかりだ、そもそもあの暗号はどうなったんだろう、そして、"カリスマスパイ" とか名乗る、あの人は本当に信用していいのだろうか。しかもそういえば、肝心なことを聞き忘れていた。

そもそもアノ人、ここに、一体何をしに来ていたんだろう?




…って、あれっ? 今度は全然車が揺れない。

「よしよし、じゃあ、もう一度戻ってきて、あ、焦らなくていいからね! ははは…」

現場の中で、誰よりも明るい笑顔を見せているこの教授。
彼こそが、"工学部動力機械工学科・押野谷研究室" の押野谷教授。

「まあ、こういった感じで、車の乗り心地の研究なんかをやっていたりするんですよ。本来は、乗っている人の心拍数とかをちゃんと測りながらやるんですけどね。ほら、車の後ろにコンピュータが載っているでしょ? アレでいろいろやるんですよ。」

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本当に、何を話すにも楽しげに話す押野谷教授。

「さっき、ちょっと変わった研究もしているとおっしゃいましたよね。あれは?」

つられてこっちまでついつい楽しくなってきてしまい、もはや恵理さんも、完全に「のせられて」しまっている。

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「ああ、あれね。実は私、工学の研究者でもあるんですが、同時に、心理学の研究も続けているんですよ。だから、人のココロと車の関係も研究しているんです。それで最終的には、人の心を読んでくれる車を開発できちゃうんじゃないかと思っているんですよ。コレは、だいぶ先の未来になってしまうかもしれませんけどね。」

人の心をつかむ、心理学にも長けている。そのせいなのか何なのか、とにかく、押野谷教授が話を始めると、ついつい聞き入ってしまう。

「たとえば、運転しながら、ちょっとイライラしてしまっている時とかありますよね? そういう時には、車の方で勝手にスピードを抑えるようにしたり、いつでもブレーキがしっかり効くように準備をしておいたり。運転手が気づかない心の中も見通すことができる車。どうです? 素敵でしょ?」

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まさに、映画や漫画に出てくるSFの世界。テクノロジーの方から人間を自発的にサポートしてくれる。そんな未来が、遠くない場所で人類を待っているのだ。

「ははは… ところで、キミはこんなところで何をしてたの?」

あっ、そうだった。

「先生の学科のケータイサイトに、何か変な暗号みたいなものが載ってませんか?」

押野谷教授一瞬だけ顔を曇らせたが、すぐに元の表情に戻った。

「ああ、話には聞いてるよ。でも、別に今のところ、何の支障も起きていないよ。多分、アレ、"アノ人" がやってるいたずらとかじゃないかなあ。なんとなく、"アノ人" がやりそうなことだなあ…」

「アノ人…?」

「アキヤマセ… あっ! そんなことよりも、今日、キャンパスの中を、変な人がうろついてるみたいだから気を付けるようにね。スーツを着てメガネをした、体格のいい男らしいよ。」


スーツ… メガネ… 体格がいい…
えっ? ひょっとして?


「とゆー訳で、ボクは授業に戻ります! また機会があったらぜひ! じゃあね〜」

笑顔の押野谷教授と研究室の皆さんは、そそくさと校舎に消えて行った。
そして、外には、恵理さんと、悪い予感だけが残った。


<続く>


工学部 動力機械工学科
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林さんのレポートを読んでいるキミは知っている通り、
現在、東海大学工学部の各学科のケータイサイトに、
"謎の暗号" が仕掛けられている。

"暗号" が仕掛けられている学科は、今までに登場した5つの学科に加え、
『原子力工学科』、『応用化学科』の合計7つ。

"暗号" を解くと、物語に関係する、とある "名前" が…?

見事解読した人には、抽選で5名
光と音をキャッチして動くWセンサー搭載の
ムーンウォーカー工作キットをプレゼント!

応募の締め切りは、1月26日(水)、生放送授業終了後の24時まで!

さあ、"未来の鍵を握る学校" の生徒たちよ!
頭脳を駆使し、謎を解き明かせ!



暗号解読者
宮崎県 17歳 ナイトメアー
群馬県 15歳 スキンヘッド
三重県 14歳 ラどん☆
岐阜県 17歳 ゴンダム
北海道 17歳 SPEEDDASH (北海道枠)