22.07.04
KDDIの大規模通信障害

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【KDDIの大規模通信障害】
吉田:リスナーの方のなかにも、大変な思いをされた方、いらっしゃるのではないでしょうか。まずはこの原因については、どこまで分かっているんでしょうか?
神庭さん:報道によると、直接の引き金はルーターの定期メンテナンス作業だったんですね。通信設備を切り替える際に何らかの理由で音声通話が15分間不通になってしまいました。これはマズいということで元に戻したんですが、再接続のアクセス要求が殺到してダウンしてしまったということです。さらにそこから加入者データベースにまで障害が波及してしまって、元に戻すのにこれだけ時間がかかってしまっている、という状況です。auだけでなく、同じKDDI回線を使っているUQモバイルやpovo、回線を借りている楽天モバイル、J:COM MOBILEにも障害の影響が出ました。KDDIは「お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪しています。
ユージ:今回、かなり広い範囲で影響が出たようですよね。
神庭さん:電話が使えないということは、110番も119番もできないわけです。命にかかわる深刻な事態ですから、消防庁はTwitterで、他社携帯や固定電話から119番するか、近くの消防署に駆けつけて直接通報するように呼びかけました。とはいえ緊急時に直接駆け込むのは相当ハードルが高いですけれども…。公衆電話、電話ボックスを使うのも一つの選択肢かなと思います。ネットサービスのワンタイムパスワードに携帯のショートメッセージを使っている人は、サービスにログインできなくなってしまう、という事態もありました。
吉田:けっこう不便ですし、深刻ですよね。他には、どんな影響が出ていますか?
神庭さん:他に影響の大きなところでは、大垣共立銀行でATM190台が使えなくなってしまいました。KDDIの回線を使っていた気象庁のアメダスも、観測データが取得できなくなるなど、一時不安定な状態に陥りました。物流にも乱れが出ていまして、ヤマト運輸の荷物の問い合わせシステムがダウンしました。配達員の携帯電話も繋がらない状態。貨物列車のシステム障害で、日本郵便のゆうパックの一部にも遅れが出ています。小田急バスや京成バスでは、バスの位置情報を把握するシステムに不具合が出ました。ということで、かなり多方面に影響が出てしまっています。加えて、障害に伴って、ちょっと残念なこともあったんです。
ユージ:何ですか?
神庭さん:auショップに大勢の人が詰めかけて、中には店員さんに罵声を飛ばす人もいたんです。毎日新聞によれば、都心のお店には普段の4~5倍の人が殺到し、「通信障害はいつ終わるの?謝って済むレベルじゃねえだろ!」と詰め寄る人もいたということです。携帯の故障とか滞納が原因で止められたと勘違いしてショップに行ってしまった人もいるそうで、それはまあ仕方がないと思います。けれども、大規模障害が起こっている時に、ショップの店員さんに怒鳴り散らしても何も解決しないですよね。人身事故が起こった時に駅員さんを問い詰めてもどうにもならないのと一緒なので、今回の一件を機にそういう認識が広がってほしいなと思います。
ユージ:でも、難しいのは対策ですよね。
神庭さん:じゃあどうしたら良いの?という話ですが、去年の10月にドコモで通信障害が起きて、のべ1290万人に影響が出ています。2018年12月には、ソフトバンクが3000万人に影響が出る通信障害を起こしているんです。大規模障害をゼロにすることは難しいので、一定のスパンで起こるものと割り切って、起きてしまった「後」の対応を考えた方が良いと思うんですね。電車やバスなら振替輸送があり、電気なら電力会社を超えて余剰電力を融通し合える仕組みがあります。スマホでも「振替通信」「振替電波」ができたら良いのに…という声はSNSでも結構見られました。
吉田:そんなことができたら、良いですよね。助かりますよね。
神庭さん:通信方式や規格の関係もあるので、もしかしたら「振替」が難しいのかなと思います。あるいは、KDDIがパンクした→ドコモに切り替えだ→ドコモにもユーザーが殺到してパンクだ!となってしまうと、玉突きでかえって事態が悪化してしまうリスクもあります。もしそういった融通をするのであれば、一定の余剰を見込んで、余裕をもってトラフィックを捌けるように詳細な制度設計が必要かなと思います。そこまでやるのが難しいとしても、例えば災害時などと同じ扱いでWi-Fiスポットを無料開放するなど、そういうことはできるのではないかなと思います。個人でできる備えとしては、家族のスマホの通信キャリアの種類をあえて違うものにすることでリスクヘッジする、最寄りの公衆電話の位置を事前に確認しておく、といったことが考えられるかもしれません。
3年後の2025年に太陽の活動が活発化し、太陽フレアという爆発現象が起きると、最悪2週間ほど通信や放送が使えなくなる恐れがある、とも言われています。過剰に怖がる必要はありませんが、最悪のケースに備えて、今回の事態を教訓にして対策を練っておく必要があると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 4, 2022
テーマは「KDDIの大規模通信障害」
リスナーの方のなかにも大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか。
今回はKDDIでしたが、過去にも他社での通信障害が起こっていることを考えると、今後も起こることを想定して、備えておく必要があります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 4, 2022
例えば、家族間で通信回線のキャリアを変えたり、Wi-Fiをうまく使うなど…
課題はたくさんありますが、今後のためにもなにかしらの対策方法を見つけなければいけません。
それは、過去よりも新たに起こった通信障害の方が、ダメージが大きいのではないかと思うからです。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) July 4, 2022
どんどん通信に頼るものが多くなり、需要が高まってきているから、その分通信障害の影響も大きくなります。
来年、再来年になれば、さらにいろんなものが通信に切り替わっていく可能性もあります。
そう考えると、アナログな部分を残していくのも必要なのかなと改めて思いました。#ワンモ