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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.06.29

尼崎市USBメモリー紛失問題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


尼崎市USBメモリー紛失問題

青木:兵庫県尼崎市の全ての市民およそ46万人分の個人情報が入ったUSBメモリーが紛失した問題で、尼崎市は今月24日、USBメモリーが大阪府吹田市のマンションの敷地内で見つかったと発表しました。USBメモリーのパスワードが変更された痕跡などはなく、情報の流出は確認されていないということです。また、尼崎市から業務委託された情報サービス会社「BIPROGY」は今月26日、USBメモリーを紛失したのは「協力会社の社員」ではなく、「協力会社が再委託した会社の社員」の誤りだったと発表しました。塚越さん、まずは、USBメモリーが紛失した経緯を改めて教えてください。


塚越さん:すでに報道でもあったように、尼崎市から委託を受けた企業ビプロジーの協力会社が再委託した会社の男性社員が情報をUSBで持ち出し、同僚と飲酒してUSBをかばんに忘れたというものです。謝罪会見でもUSBのパスワードの桁数を言ってしまうなど、データを扱う際の基本も怠っていますし、問題がいくつもあります。まず、USBを持ち出す場合は通常、重要情報を運送する企業に頼みます。実際、この会社も前回は専門の運送業者に頼んでいましたが、今回はしていませんでした。次に、そもそもUSBの持ち出しに関して許可が必要なのに許可をとっていなかったです。さらに作業後はすぐにデータの削除が義務付けられていたのにしていないと、飲酒以前に男性はたくさんのNGをしていました。しかし、市の側も入室管理はしていたものの、作業に関して立ち会いもしていないです。データの運搬方法もビプロジーに任せっきりで、USBで運ぶことも尼崎市は確認していないです。何重にもミスが重なっています。


吉田:この問題、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?


塚越さん:あまりにも杜撰すぎて驚きました。行政がここまで杜撰だと、マイナンバーの取り扱いなど、企業や行政を信用できなってしまいます。


青木:マイナンバーカードに関しては、行政側が「利用して下さい。」といっていますけど、今回のようなことがあると信用を失ってしまって利用しない人が増えそうですよね。


塚越さん:市の問題ですが、私達全体の信頼に関わることになります。この事件がどれだけ重大かを考えるため、この情報が盗まれたとすれば、どうなるか考えてみましょう。まず、盗まれた情報は46万人分の氏名に住所、性別といった基本情報。さらに、また住民税関連の情報や、生活保護や児童手当のために必要な銀行口座や口座名義もありました。これらの個人情報は、マーケティングにとって重要なため、ブラックマーケットで高く売られます。住民税の情報が漏れると、その世帯の年収が把握できるため、様々な広告が勝手にきます。さらに、家族構成が分かるので強盗のリスクが高まるほか、住所や名字の関係から親子関係が分かり、オレオレ詐欺の精度があがってしまいます。困窮していることが分かる世帯には、ヤミ金がターゲットとしてあの手この手で勧誘してきます。これらの情報を知られてしまうとリスクが高まります。今回は情報が盗まれていないと発表していますが、例えば「実は私、知っています。」と嘘を言って脅してくる詐欺が発生しないとは言い切れないです。このように様々な問題が発生する可能性があることだったと思います。


青木:今回の問題を受け、自治体が個人情報の漏えいを防ぐためには、どのような対策が必要だと思われますか?


塚越さん:USBは以前から危険と言われているので、近年は民間企業ではUSB自体を使わない傾向があります。それでもUSBを使う場合、例えば東京の世田谷区では、USBを使う際にはその都度、許可が必要にしており、無許可だとそもそもUSBに情報をコピーできない仕組みにしています。これでも万全ではないですが、最低限これくらいは必要ですし、USBはもうなくした方がいいとも思います。ヒューマンエラーの部分もありますが、制度の面でも色々厳重な整えが必要になってくると思います。


そして、今日の #源コメ はこちら。



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