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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.06.28

深夜営業を止めた元コンビニ・オーナーが敗訴した裁判
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『深夜営業を止めた元コンビニ・オーナーが敗訴した裁判』


吉田:セブン-イレブン 東大阪南上小阪店の深夜営業を取りやめた元オーナーが顧客トラブルを理由に契約を解除されたのは不当として、セブン本部に取引の再開を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は23日、請求を棄却しました。


鈴村:神庭さん、まず裁判の経緯を簡単に振り返っていただけますか?


神庭さん:報道によると、元オーナーの松本実敏さんは2012年にセブンとフランチャイズ契約を結んだんですけれども、2019年の2月、松本さんがセブン側の合意なく24時間営業を止めて自主的に朝6時から深夜1時まで19時間の時短営業に踏み切ったんですね。理由は、人手不足です。アルバイトが集まらなくて、松本さん自身がシフトを埋めるような状況が続いていたということなんですね。これに対して、セブン本部側は2019年12月に松本さんとの契約を解除、翌年1月には本部が貸していたお店の明け渡しを求めて松本さんを提訴しました。さらにこれに対して2月、松本さんがセブン側に契約解除は無効だというふうに訴え返したんですね。その後、本部側が店舗の駐車場に仮設店舗を出店するなど、2つのセブン-イレブンが並び立つような異様な状況が続いていました。


吉田:今回の元オーナーが敗訴という判決に対して、神庭さんはどのように感じましたか?


神庭さん:セブン側が勝訴して損害賠償を松本さん側に求めたわけですけれども、松本さんは控訴しています。重要なポイントはですね、そもそもセブンは契約解除の理由として『時短営業』ではなくて、お客さんへの暴言など、松本さんの『異常な顧客対応』をあげているところなんですね。お客さんからの苦情が全国平均の9倍多くて、「セブンのイメージが傷付けられた」という主張です。これに対して、松本さん側は、「契約解除は時短営業への意趣返しであって不当だ」というふうに訴えてきたんですね。今回、大阪地裁は松本さんの店舗への苦情が多くて、ブランドイメージが傷付けられたというセブン本部の主張を認めて、違約金約1450万円あまりの支払いと店舗の明け渡しを命じたわけですけれども、この裁判は、つまり、“真正面から時短営業の是非が論じられた”というよりも、若干、“別件にスライド”されてしまった感は否めないんですよね。


鈴村:そうですよね。ただ、時短営業に関して議論されるようになったということでいうと、業界への影響はあるかと思うんですけど、どうでしょうか?


神庭さん:そうですね。一連の問題提起がまったく無意味だったかというとそんなこともなくて、松本さんの訴えでコンビニオーナーの苦境に対する世論の関心が盛り上がりましたし、公正取引委員会は2020年9月に24時間営業の強制は『優越的地位の濫用』にあたる恐れがあるとして、コンビニ大手に改善を要請したんですね。公取委の調査によると、コンビニオーナーは『月に1.8日』しか休めていなくて、およそ45%が「経営状況が順調でない」と答えています。また、およそ77%が『深夜帯は赤字』になっていて、一時的・実験的ということも含めて67%が「時短営業にしてみたい」と望んでいると。


鈴村:結構な数字ですよね…。


神庭さん:このようにですね、過酷な実態が浮き彫りになりまして、公取委が動いただけでも、一石を投じた意義があったのかなと思いますね。


鈴村:僕たちはもう、コンビニがある生活が当たり前になっているので、重要なライフラインといえると思うんですけれども、今後、コンビニ業界はどうなっていくと思いますか?


神庭さん:やっぱり、「そもそも24時間は必要なのかな?」という根源に立ち返って考える必要があるかなと思います。多くのお店が赤字なのに深夜営業が続いているのは、コンビニの本部が人件費を負担しないでフランチャイズのオーナー側の負担になっているからなんですね。フランチャイズ側でどんなに損をしても、深夜にコーヒー一杯でも売れれば本部には儲けが出るシステムになっています。つまり、“本部と加盟店の利害が一致していない”ところに問題の本質があるんですね。それに関連していうと、ミニストップは一昨年、人件費とか商品の廃棄にかかわる経費について、本部と加盟店の間で負担を分け合うかたちでフランチャイズ契約を見直すことを発表しました。朝日新聞よると、ミニストップの藤本明裕社長は記者会見で「一店一店の利益が本部の利益に直結する。運命共同体のモデルにチェンジする」というふうに述べたそうです。それが本来のあり方かなと思っていて、こういう『痛み分けモデル』といえばいいですかね、こういうモデルが他のコンビニにまで波及していくのかどうかというところを注目したいと思います。


鈴村:そうですよね、仕組みとしてもうちょっと整えなければいけないというところは確実にありそうですよね。


神庭さん:オーナーさんと本部が同じ方向を向いて頑張れるのが一番いいかなと思いますし、あと、やっぱり、加盟店側と本部側の間に圧倒的な力の差がありますから、もう少しオーナー側に交渉の力を与えてあげるとか、もしくは、契約の段階で「いやいや、そんな甘いものじゃないですよ」という念押しをですね、本部としてフランチャイズ側にしておくことが、後々のトラブル回避になるのかなと思いますね。


鈴村:お店それぞれに固有のやり方があってもいい気もしますしね。


神庭さん:そうですね、コンビニなのにオリジナルメニューとかあったらおもしろいですよね。


鈴村:そうやってポジティブに展開されるといい気がしますよね。



そして、今日の #スズコメ はこちら。







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