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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.05.24

今日、行われる予定の「クアッド」
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『今日、行われる予定の「クアッド」』


手島:22日に来日したアメリカのバイデン大統領は、昨日、岸田総理と首脳会談を行いました。そして、今日、24日は日米とオーストラリア、インドの4カ国の枠組み『クアッド』首脳会合に臨みます。『クアッド』の首脳会合では、ロシアによるウクライナ侵攻への対応や、覇権を強める中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携が協議される予定です。
神庭さん、『クアッド』とはどんな枠組みなのでしょうか?


神庭さん:『クアッド』というのは英語で“4つの”という意味なんですね。日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国で外交や安全保障、経済などについて協議する枠組みです。あくまで“枠組み”であって、何かと話題の『NATO』とか、米英豪でつくる『AUKUS』のような軍事同盟ではないんですよね。


ユージ:この『クアッド』にはどういったコンセプトと言うか、目的があるんでしょうか?


神庭さん:先ほどもありましたけれども、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を大きな目標としています。コロナ禍でのワクチン供給であるとか、先端技術をめぐる連携、気候変動対策など個々の色々なテーマはあるんですけれども、最大のテーマは『対中国の包囲網を敷くこと』なんですよね。クアッドの公式サイトを見てもですね、「中国」の「ち」の字も出てこないんですけれども、実際にはそれが最大の裏テーマになっているということなんですよね。


手島:対中国といっても、4カ国ごとに様々なスタンスがありますよね?


神庭さん:はい、その通りですね。まず、日本はですね、尖閣諸島は日本固有の領土ですけれども、周辺の接続水域に中国海警局の船が姿を現すなど、中国側は挑発行動を続けています。産経新聞によりますと、尖閣周辺では昨日までに中国当局の船が38日連続で確認されているんですね。日中の中間線付近の東シナ海でも一方的にガス田開発を進めてまして、岸田総理は「極めて遺憾。認めることはできない」と強く抗議しています。
次にアメリカは、中国を「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」とみなしています。『米中新冷戦』と呼ばれるほど関係は冷え込んでいまして、ここ数年で分断が深まっているんですね。昨日の日米首脳会談後の共同記者会見では、記者から「台湾有事が起きた場合にアメリカが軍事的に関与するのか?」と聞かれて、バイデン大統領が「イエス。それが我々の約束だ」というふうに答えたんですね。アメリカは元来、台湾防衛に関して、“あえて”明確にしない、曖昧戦略をとってきました、なので、これは一歩踏み込んだ重い発言だと思います。


ユージ:オーストラリアとインドはどうなんでしょうか?


神庭さん:はい、オーストラリアは、中国との関係が悪化していまして、2018年にファーウェイを締め出して、2020年にコロナの発生の起源に関して「独立した調査が必要」と、ある意味、当たり前のことを言ったら、中国側がですね、オーストラリア産の石炭とかワインの輸入を制限する報復に出ました。そんな経緯もあって、オーストラリアでは中国脅威論が強まっているんですね。21日の総選挙で9年ぶりの政権交代が起こりまして、労働党のアルバニージー氏が新首相に就任したんですけれども、中国に対する強行路線は維持される見通しです。アルバニージー首相は、「クアッドはオーストラリアにとっての最優先事項」だと話しています。
次に、インドですけれども、インドは国境をめぐって中国とにらみ合っています。一昨年には双方の軍隊が国境地帯で衝突して、素手の殴り合いとか投石で攻撃し合って、数十人の死者が出る事態になりました。対中国では日米豪と利害が一致しているんですけれども、実は、微妙な温度差もあります。それが露わになったのが『ウクライナ問題』なんですね。欧米や日本が制裁に動く中で、インドは国連のロシア非難決議案の採決で棄権しました。インドは元々ロシアとの関係が深くて、これまでにも空母や兵器をたくさん購入しているんですね。ウクライナ侵攻の後もロシアから安く原油を買っていて、制裁の抜け穴になっているとも指摘されています。インドは伝統的に『非同盟』のスタンスをとっていまして、うまくバランスをとりながら各国とつかず離れずのしたたかな外交を展開してきました。日本のようにアメリカにべったりではないんですね。なので、クアッドではその微妙な温度差を認識しつつ、“いかにインドを西側につなぎとめるか”というのがひとつの鍵になってきます。なので、『IPEF』にインドが入ったというのが一つ大きな成果だと思います。


手島:中国ではクアッドをどう受け止めているんでしょうか?


神庭さん:中国の王毅外相は林外務大臣とのオンライン会談でクアッドについて、「日本が他人のために、火中の栗を拾うようなことがないように希望する」と牽制しました。また、昨日のバイデン大統領の台湾防衛発言に対しても中国側は、「強烈な不満と断固とした反対」を表明しているんですね。なので、クアッドの議論の行方に神経を尖らせていることは間違いないだろうと思います。


ユージ:このクアッドね、今後どういう話し合いが進んでいくのかも気になりますし、先ほど言ったように、枠組みですから、話し合いをするためのチームであって、何かが起こったときに、うちのチームがやられたから助けに行くぞ!とか、そういうことではないんですよね。


神庭さん:そうですね、軍事同盟ではないんです。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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