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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.05.12

G7、ロシア産の石油の禁輸を表明
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の、学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


G7、ロシア産の石油の禁輸を表明

吉田:岸田文雄総理大臣は、日本時間9日に開かれたG7=主要7か国のオンライン首脳会合で、ロシアへの追加制裁措置として、ロシア産の石油の輸入を禁止する方針を表明しました。


ユージ:塚越さん、日本も、石油の輸入禁止に乗り出しましたね。


塚越さん:岸田総理は、「エネルギー資源の大半を輸入に頼っている我が国としては大変厳しい決断ではあるが、G7の結束が何より重要な時だ」として踏み切りました。G7では、すでにアメリカやイギリスをはじめとして禁輸を表明しており、日本はG7では最後になりますが、足並みを揃えることになりました。ただし、禁輸の時期は段階的に輸入を廃止するといっていて、時期は示しておりません。生活や企業活動への影響を抑えるため、時間をかけて考えながら削減していくことになります。極東サハリンで、官民一体となっている資源開発について、権益は維持する方針も改めて示しました。G7の動きに合わせつつも、完全なシャットアウトをするというわけではない、ということです。


ユージ:そもそも日本は、ロシアからどのくらい石油を輸入しているんですか?


塚越さん:統計データによれば、日本がロシアからの石油の輸入は、全体の3.6%。天然ガスの割合もおよそ9%。例えばEUは、ロシアからの輸入比率が高く、とくにドイツは石油34%、天然ガス43%。これらに比べれば、その比率は決して多くないです。また、石油は天然ガスなどと比べて、「代替調達が可能だ」という見方もありますが、気になるのはやはりその価格です。


ユージ:石油価格への影響、気になります。どう思われますか?


塚越さん:萩生田経済産業大臣は、「石油は争奪戦になる」と発言しました。長期的にみれば、価格高騰の可能性は充分考えられます。ロシアは世界第3位の原油産出国であり、その影響力は決して小さくないです。専門家の間では、中国で感染拡大に伴う厳しい外出制限の影響で石油の需要が伸びず、価格は大きくは上昇しないのではないか?との見方もあります。ですが、コロナがいずれ落ち着くと考えれば需要は伸びてきますし、たとえウクライナの戦争が終わったとしてもロシアとの関係が良くなるわけではないので、やはり価格上昇は避けられないと思います。エネルギーの価格が高くなれば、当然、日常生活に関わる、あらゆるモノの値段が高くなるということになります。


吉田:石油の禁輸、ロシアに対してどのくらい効果があると思いますか?


塚越さん:政治的な圧力としての意味は大きいですが、どの国もすぐに輸入をストップできるわけではないので、経済的な影響は時間をかけて出てくると思います。それよりも重要なのは、G7が禁輸する一方で、中国などが変わらずロシアから石油を買っていることです。とくにインドは、ウクライナでの戦争がはじまって以降、ロシアからこれまで以上に多くの石油を購入しています。ロシア産の原油が安いということもありますが、かなり量が増えています。なぜなら、世界的にみるとロシアに味方をしないまでも、付き合いをやめていない国は非常に多いからです。したがって、今回のG7の石油の禁輸をきっかけに、ロシアから安い価格で石油を買うことで成長を求める国も出てきます。実際、インドはその動きをみせています。グローバル化というとき、つい経済規模の大きいアメリカやEUを想定しますが世界は広く、いろんな国があります。これらの諸国の動きや、付き合い方も念頭に入れつつ、国としての舵取りをすることが必要で重要になってきます。


ユージ:日本がどういう姿勢をとるかの意思表示にはなりますが、実際ロシアにどれくらいのダメージを与えられているかというと、安売りをして他の諸国が買うということで、結局ロシア自体は困らない可能性もあるということですよね?


塚越さん:そういったルートで、ロシア側が慣れていく可能性もあるので考慮しつつバランスが難しい問題だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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