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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.05.04

人前で褒められたくない“いい子症候群”の若者
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


人前で褒められたくない“いい子症候群”の若者

吉田:東洋経済新報社から、3月に出版された本、『先生、どうか皆の前でほめないで下さい いい子症候群の若者たち』によりますと、人前で褒められたくない、目立ちたくない、と感じている若者が増えているということです。この背景について、この本の著者で、金沢大学 融合研究域 融合科学系教授、東京大学 未来ビジョン研究センター 客員教授の金間大介さんにコメントをいただきました。金間さん、“いい子症候群”の背景について、このように話しています。


金間さん:多くの要因が関係しているんですけれど、一言で言うならば、若者たちの「自己防衛反応」なんじゃないかと考えています。たとえば、仮にいい意味だとしても、目立つことで噂の対象になったり、時にはエネルギーが搾取の対象になったりしてしまいます。そうしたことから、自分の身を守る、自己防衛反応、それを小中高大と10代まるごと経験してきて、身につけてきた武器、あるいはテンプレートと言ってもいいと思います。それが、今の若者が実装している、“いい子”としての演技であって、それが周りから見たら、本当に何を考えているかよく分からないなということにつながるんじゃないかなと思います。目立つことで噂の対象になることを避ける、怖いと言いましたけれど、よく考えたら、それって若者だけのことじゃないです。今の日本人、日本社会そのものだと思いませんか?つまり、“いい子症候群”が増える背景には、何のことはない、今の大人社会のコピーというか、それをより顕在化された姿と言えるんじゃないかと思います。


ユージ:人前で褒められたくない、目立ちたくない、と感じている若者が増えていること、塚越さんはどのような印象を持たれていますか?


塚越さん:前提として基本的に日本社会なんですけど、相互監視という文化があります。お互い見るし、見られている関係性を強く意識しています。だからこそ列にちゃんと並びます。誰に何も言われなくても。最近ですとSNSの文化が登場しました。LINEグループで「既読/未読スルー」を、「した/された」が分かるため常に対処を考えなければならないです。さらにLINEグループで、自分以外のLINEグループが作られている?とかを気にしてしまって、昨今の情報環境の文化に拍車をかけている状況だと思います。


吉田:昔は交換日記とかありましたが、今はLINEとかになりますよね。この“いい子症候群”の若者に対し、周りの大人たちは、どのように接していけばよいのでしょうか?金間さんに伺いました。


金間さん:これを聞いている、いわゆる大人の方は、今の若者には幸せになってほしい。やりがいのある仕事を見つけて、自分自身の人生を生きてほしいと、心から願っている方、多いんじゃないかと思います。そういった強い気持ちから、若者に対して「君は将来、何がしたいんだ、目標は何だ」と言って、向き合う方も多いんじゃないかと思います。向き合うという言葉をさらっと使いましたが、実はそれが“いい子症候群”の若者にとっては、圧であり、恐怖となっていきますので決して向き合わないようにしてあげてほしいと思います。むしろ同じ方向を向いて、できれば、あなたが絶えず一歩前へ。そして、さらにできることなら、あなたがいろんなことに挑戦して、失敗して、そこから這い上がる姿までを間近で見せてあげてほしいなという風に思います。かっこつける必要はないと思うんです。そういった姿を見せることで若者は、自然とあなたを尊敬して、現役選手としてかっこいいと思うんです。自然とあなたから学ぼうとするんじゃないでしょうか。そのとき、初めて少しだけ向き合ってみて、こう言ってみてほしいと思うんです。「今度こそ成功させたい、だから、今度は一緒にやってみないか」。


吉田:金間さん、“若者”が感じている、仕事に関するリスクを“大人”が“若者”とシェアし、それを“若者”にちゃんと伝えるのが大事、というお話もされていました。リスクを一緒に背負っているという姿勢を見せるのが大事なんですね。


ユージ:“いい子症候群”というあまり聞き慣れない言葉なので、どうなのかな?と思ったんですが、塚越さんは、“いい子症候群”の若者と、どのように接していけばよいと思われますか?


塚越さん:金間さんがおっしゃっていたように失敗も含めた経験をシェアすることや、大人が「素直になる」ことが大事だと思います。相互監視されていると色々気にしてしまいますが、駄目なことを素直に話すと他人に伝わります。そういうところから始めていきましょう。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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