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22.05.03

憲法改正の議論のあり方について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『憲法改正の議論のあり方について』


吉田:共同通信社は1日、郵送方式で実施した世論調査結果をまとめ、9条改正の必要性は「ある」50%、「ない」48%と賛否が拮抗しました。岸田総理が自民党総裁任期中に目指す改憲の機運は、国民の間で「高まっていない」が「どちらかといえば」を含め70%に上のぼりました。
今日は憲法記念日です。日本国憲法は、1947年の施行から今日で75年です。神庭さん、日本国憲法の特徴を教えて下さい。


神庭さん:そもそも、『憲法』というのは、国のあり方、ルールを定めた最高法規のことで、国民を従わせるルールというよりは、国家権力が暴走しないように、「国がやっていいこと」「やってはいけないこと」を定め、“国を縛るためのルール”なんですね。そして、日本国憲法は、皆さんご存知のように、第2次世界大戦の反省から、憲法9条で『戦争放棄』『戦力不保持』『交戦権の否認』を定めているのが大きな特徴です。施行されて以来75年間、一度も変わっていないんですね。硬くて変えづらいという意味で、『硬性憲法』とも言われるんです。


ユージ:なぜ、そんなに“硬い”のでしょうか?


神庭さん:憲法改正の発議をするのに、衆議院、参議院の全ての議員の3分の2の賛成が必要なんですね。そして、そこから国民投票をやって、賛成が投票総数の過半数に達した時にようやく改正となります。手続き的に非常にハードルが高いうえに、これは何て言うか…、左右両陣営がイデオロギー的に鋭く対立する政治的問題になってしまったこともあって、今まで改正に至っていないということなんですよね。


吉田:岸田総理は、自民党総裁任期中に改憲を目指していますけれども、やはりポイントになるのは9条でしょうか?


神庭さん:そこだと思います。やっぱり一番の焦点は9条ですね。毎日新聞によると安倍元総理は先月、福島県郡山市での講演で、ウクライナ侵攻を引き合いに出して「戦い抜く人たちには誇りが必要だ。自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」というふうに述べて、9条に自衛隊の存在を明記するように訴えました。そして、今日3日の産経新聞でもですね「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」という、まったく同じ言い回しで岸田総理も自衛隊を憲法9条に明記するべきだというようなことを主張しています。


吉田:さらに、コロナ禍になって、『緊急事態条項』というのも議論にあがっているようですね?


神庭さん:そうですね、改憲派を中心にコロナ禍でそうした声が高まっています。さっきのウクライナもそうですけれども、時事的に大きなトピックが起こると、憲法改正に結びつけて論じられがちなんですね。何をもって緊急事態とするかですけれども、戦争とか災害などの際に、議会を通さずに政府が意思決定できるようにすることが想定されています。メリットとしては、非常時に柔軟で迅速な対応が可能になることがあげられると思いますが、一方、デメリットとしては、政府がそれを乱用する恐れがあるという部分があります。悪名高い『治安維持法』もですね、明治憲法で定められた『緊急勅令』のもとで、最高刑が死刑に引き上げられているんですよね。コロナ禍で法的な根拠もなく自粛要請とか私権制限が乱発されてきた様子をみていると、緊急時とはいってもですね、「政府にフリーハンドを渡してしまって大丈夫なのか?」という疑念は残ります。逆に、そういう暴走を起こさないためにこそ、「しっかり憲法で規定しておくべきなんだよ」という議論はありうるのかもしれません。


ユージ:神庭さんはご自身は、この『憲法改正』について、どう思いますか?


神庭さん:非常に賛否がわかれる話題なんですけれども、私個人としては、自衛隊についてきちんと憲法に明記した方がいいと考えているんですね。自衛隊の皆さんが日々、災害救助とかワクチン接種などでも非常に頑張ってくださっているなかで、「日陰者扱いでいいのか?」という疑問は個人的に少なからずあるんですけれども、僕が明記した方がいいと言っているのはそういう理由からではなくて、最初に説明した通りですね、“憲法は権力を縛るためのルール”なんです。ですけれども、現状の憲法には『自衛隊』という言葉はおろか、『個別的自衛権』も『集団的自衛権』も入っていないんですね。あと、防衛省のサイトには、「必要最小限度の実力だから問題ないんだよ」というように書いてあるんですけれども、そのこともですね、憲法そのものには全く一言も触れていないと…。
僕は、書いていないものを縛るっていうのは、一休さんに「屏風の虎を捕まえろ」っていうのと同じくらい無理筋な話だと思っているんですよね。日本人お得意の『行間を読む読解力』と『内閣法制局の解釈改憲』で、75年間なんとなくしのいできてしまったんですけれども、その結果、憲法の条文と実態の乖離が著しく広がってしまったと。なので、自衛隊の存在とかですね、“やっていいこと”“やってはいけないこと”を憲法にきちんと明記したうえで、『文民統制』、シビリアンコントロールといいますが、これをしっかり利かせていくというのが、健全なあり方なのではないかと考えてます。だだ、これはあくまで僕のいち意見なので、皆さん様々なご意見あると思いますから、ぜひこの機会にですね、憲法についてタブーなく語り合っていただけたらいいというふうに思います。


ユージ:僕もそう思います!様々な意見があっていいと思うんです。やっぱり、語り合うこと。で、また、語った時に相手の意見を全否定するのではなくて、お互いが聞く耳を持って、「なるほど!そういう意見もあるのね」っていう状態で話し合いを進めるほうがいいですよね。


神庭さん:そうですね、「論争に終止符を打つ」なんていう言葉がありましたけれども、議論自体はどんどん活発化させていくのがいいんじゃないかと思います。


ユージ:そうですね、そう思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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