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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.04.20

日立が給与を減らさずに“週休3日”を導入へ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺いました。
塚越さんが注目した話題はこちらです。


【日立が給与を減らさずに“週休3日”を導入へ】

吉田:日立製作所が、給与を減らさずに「週休3日」にできる、新たな勤務制度を導入することが分かりました。対象は「フレックス制」と「裁量労働制」が適用される従業員、およそ1万5000人です。1日の最低勤務時間を今年度中にも廃止し、これによって一定の日数を長めに働き、就業しない日を設けることで、総労働時間を維持したまま「週休3日」の働き方も可能になります。また、労働時間が変わらないため、給与も下がることはないということです。日立製作所の新たな勤務制度、“給与そのまま”で「週休3日」にできる、というところがポイントですが、塚越さん、この新たな制度どのようにご覧になりましたか?


塚越さん:基本的には良い印象があるんですが、細かいところで注意が必要かなと思います。若い人は自分磨きの時間に使えたり、子育て世代は平日の子供のイベントなどに出席できたり、介護の時間にも利用できたり、時間を有効に使えるということは重要です。ただし、自分で選ぶということは自己マネジメント力も必要になってくるかなと思いますね。


吉田:パナソニックホールディングはおととい、社員の希望により週に3日間休める「選択型週休3日制」を試験的に導入する方針を明らかにしました。今年度中の導入を目指すということです。また、NECも「週休3日制」の導入を検討しています。「週休3日制」の導入をめぐる動きが活発になっているという印象を受けますが、これにはどのような背景があるのでしょうか?


塚越さん:社員がすぐにやめて転職するなど、企業の労働力不足が問題となっていますので、労働環境の改善という意味でこの制度が注目されているという点があります。また、会社に出社し、一定時間働くといった企業の慣例を見直し、より生産性を上げようという試みでもあります。実際に欧米ではそのような働き方が進められていて、例えば労働者が自分の裁量で平日に休みを設けることで生産性が上がり、結果的に企業全体の生産性が上がるということも注目されています。さらにコロナ禍でのリモートワークが増え、時間の見直しが大事だということが注目されたというのが背景にあると思います。


ユージ:「週休3日制」と言っても、日立のように“総労働時間を変えず、給与を維持する”パターンや、“総労働時間が減って、給料が減る”パターンなど、いくつかパターンがありますよね?


塚越さん:仰る通り3つありまして、
①週の労働時間や業務量の総量は変えない「圧縮労働型」。今回の日立のような例ですね。
②週の労働時間や業務の量を削減する代わりに報酬も削減する「報酬削減型」。
③労働時間を減らしても生産性を上げることで報酬を維持する「報酬維持型」。
こう聞くと最後の「報酬維持型」っていうのが欲しいなと思いますよね。実際に欧米では増えてきているんですが、日本企業の場合はどちらかというと①②があるかなというところです。現状においては様々な企業が試行錯誤している段階かなと思います。


ユージ:「週休3日制」、今後、多くの企業に広がり、日本社会に定着していくと思われますか?


塚越さん:なかなか難しい点はあるかなと思います。非正規の方はどうなんだとか、業界によっても違いますし、中小企業の方はどうなのか、ということもあります。コロナ禍でオンライン業務って増えましたけど、コロナが落ち着くと、すぐにオンラインから出社を強要されたということが昨年とか、ちょっと問題になりましたよね。こういう事を考えてみると、日本的な企業文化を変えるにはまだまだ時間がかかるのかなと思います。更に言うと、制度として認められていてもなかなか言い出しにくい。人間関係などでしわ寄せがいってしまう方がでる場合もあります。まだまだ課題はありますね。


ユージ:フレキシブルになっていく、選択肢が増えるというのは良いことなのかなと思いました。ある意味、企業にいながらフリーランスというか、在籍フリーランスに近づいていってると言いますか。


塚越さん:そういった動きも加速していくと思います。それに応じた問題も出てきますが…。一番重要なのは個人・企業を含めて生産性が上がらないとこの制度もあまり意味がなくなってしまいます。全体として生産性を上げることをベースにこういったことを考えていくことが今後必要になってくると思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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