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22.04.19

ガソリン税の一部を減税するトリガー条項の発動、見送り
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『ガソリン税の一部を減税するトリガー条項の発動、見送り』


吉田:政府は14日、原油高の長期化を受け、ガソリンなどの燃油価格抑制策として、石油元売り会社に支給している補助金を5月以降も継続する方針を固めました。『1リットル当たり25円』としている上限も引き上げます。上げ幅は今後検討し、月内にまとめる物価高の緊急対策に盛り込みます。2022年度予算に計上した予備費の一部を対策に使い、支出額は2兆円台を軸に調整。ガソリン税の一部を減税する『トリガー条項』の発動は見送る方針です。
神庭さん、この話題は何度か取り上げていただいているんですが、“トリガー条項の見送り”についてどう思いますか?


神庭さん:番組でも何度かお話してきましたけれども、“元売りへの補助”というのは、ガソリン税で集めた税金をもう一回、元売りに戻すようなものですから、すごく非効率ですよね。だとすれば、最初からトリガー条項を発動して、減税する方がスマートじゃないかなというふうに思います。皆さんご存知のように、今、世界的に原油高になっていますよね。ロシア、ウクライナをめぐる情勢は依然として混沌としています。原油高が長期化するおそれもあると思います。原油が上がると、ガソリン代とか電気代はもちろん、あらゆる石油製品の価格が上がってインフレが進んでいくことになりますから、私たちの生活もますます圧迫されていきます。朝日新聞によるとですね、アメリカの各州やイギリス、イタリア、スウェーデンなどでは、すでにガソリン税の減税に動いているんですよね。ということで、日本は、「なんで一生懸命やらない理由を探しているのかな?」というふうにも見えてしまいますよね。


ユージ:簡単におさらいすると、『トリガー条項』というのは、ガソリンの価格が3ヶ月連続で1リットル160円を超えたら、それを“トリガー”、つまり、“引き金”として、ガソリン税の上乗せ分『25.1円』の課税を取りやめるという仕組みなんですよね。なぜ政府は、かたくなに発動しないように見えるんでしょうか?


神庭さん:よく、「安くなるまで買い控えが起き、実際に安くなったら今度は消費者が買いだめに走って、ガソリンスタンドに長蛇ができるんじゃないか?」、「混乱が起きるんじゃないか?」ということを言われているんですけれども、実際のところはですね、「一旦上げた税金は意地でも下げたくない」と、下げたらまた元に戻すのは大変だよということじゃないかなと思います。トリガーを発動した場合、国と地方を合わせて1兆6000億円の減収になると言われているんですよね。


吉田:自民党は、公明党、国民民主党と検討していたはずですよね?


神庭さん:そうなんです。岸田総理が2月に、国会で国民民主党の玉木代表の質問を受けて、トリガー解除も含めて「あらゆる選択肢を排除しない」というふうに答弁しました。元々トリガー解除を主張していた国民民主党は、この答弁を受けて、今年度予算案に賛成したんですね。ところが、4月になっても解除に向けた検討が全然進んでいないと…。この自民党の消極姿勢に対して、国民民主党はカンカンで、玉木代表は17日のフジテレビの番組で「トリガーをまったくしないというなら、協議から離脱する」というふうに述べました。一方、公明党はですね、トリガー解除を求めてはいるものの、「今月中に結論を出すことは難しい」というふうに言っていて、先送りを容認するややトーンダウンの印象なんですよね。


ユージ:意見がまとまらないのは、何か理由があるんですか?


神庭さん:夏に控えた参院選も影を落としているんじゃないかと言われていて、トリガーを含めて、物価高対策で補正予算を組む場合、参院選の前にその審議が必要になってくるんですよね。ところが、橋本政権とか麻生政権とか過去の政権では、選挙の前に補正を通した結果、自民党が大敗を喫しているんですよね。ちょっとジンクスがあるというか、あんまり縁起が良くないんですよね。「選挙目当ての予算なんじゃないの!?」という見方が広がりやすいということがありますし、あとは、審議の過程で岸田総理が野党の追及を受けて、そこで失言とかボロを出してしまう懸念もあると…。非常につまらない理由だと思うんですけれども、自民党からすると、補正予算を編成せずに今年度予算の予備費で対応したい。鈴木財務大臣もですね、「トリガー解除に補正を組む必要はない」という考えを示しています。一方の公明党は、大規模な補正予算を通して、選挙に向けて盛大にアピールしたい。そんな理由もあって、与党のなかでも足並みが揃っているとはなかなか言い難い状況なんですよね。


ユージ:でも、そんな理由で先延ばしされても、ちょっと迷惑ですよね。物価はどんどん上がっちゃっているわけですから。


神庭さん:そうなんですよね。そんな選挙事情とか、政治家の事情はお構いなしに物価はどんどん、どんどん上がっていく状況ですからね。自民党、公明党、国民民主党の3党協議について読売新聞は「年内をめどに結論を出すことを目指す」と報じているんですけれども、物価高は喫緊の課題というか、今すぐに手を打つ必要がある状況で、そんな悠長な話ではないんですよね。物価高対策でいうと、ガソリンだけじゃなくて、電気代とかガス代の高騰といったかたちでの家計へのダメージも非常に大きいですから、このあたりを手当てする対策も求められているんじゃないかなと思います。


ユージ:家計へのダメージという点で考えると、対策はもちろん早めがいいんですけど、選挙があると、色々と思惑が入り、乱れるということなんですよね。だから、やっぱり、“選挙に行って、自分の意思で政治家を決める”というのは、結構、重要になってきますよね!


神庭さん:そう思いますね。「選挙の前になると補助金をばらまく」とか、そういうことを言われがちなんですけど、僕はもう、選挙目当てでもいいから、トリガー条項は解除すべきだと思いますし、最高の選挙目当てじゃないかなと。人気取りでもいいからやった方がいいと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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