22.04.14
海道沖太平洋のサケ・マス漁業、交渉の行方

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『北海道沖太平洋のサケ・マス漁業、交渉の行方』
吉田:例年は4月10日から解禁となる北海道沖の太平洋でのサケ・マス漁ですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、日本とロシアの政府間の『漁業交渉』が遅れていました。水産庁は、11日夕方から、オンラインでの交渉を始めましたが、ロシアに対して厳しい制裁を科す中での異例の漁業交渉となり、私たちの食卓への影響も懸念されています。
ユージ:ロシアとの『漁業交渉』、そもそもなぜ交渉が必要なんでしょうか?
塚越さん:サケやマスは、産卵・ふ化する際に、生まれたロシアの川に戻るんですね。この場合にはロシアに権利があるという考え方があります。『母川国主義』といいまして、ロシアに戻っていくので権利はロシア側だろうということなんですね。これに基づきまして、日本の排他的経済水域で漁業を行う場合でも、日露で、漁獲量やそれにいろいろ応じてロシアに協力金を支払うっていう交渉があるということで、これまでも行われてきていたということなんですよね。
ユージ:出身地がロシアってなっちゃうと、途中通過地点として日本の領域に入ってきて、そこで獲ったものに関してもロシアにお伺いを立てるということですね。このロシアとの漁業交渉というのは、実際、どんな内容なんですか?
塚越さん:基本的には中はあまり公開されないんですけれども、例年ですと、これからこういうことをしますよということをお話しするんですね。現在交渉中なのは、先程述べた『日ロさけ・ます漁業交渉』というのがあって、他にもいくつか交渉があるんですけれども、もう一つですね、北方領土の貝殻島ということろで行うコンブ漁があってですね、これの条件を決める『貝殻島コンブ交渉』というものがあります。こちらもですね、例年4月に交渉して、コンブ漁自体は6月~9月に行われるんですけれども、こちらも今後どうなるかわからないというところなんですね。
ユージ:今のロシアとの状況とかというのもあると思うんですけれども、そもそもロシアは日本を『非友好国』に指定していますよね?この交渉はどうなっちゃうんですか?
塚越さん:“交渉に応じた”ということ自体は明るいニュースなんですけれども、漁獲量をこれまでより厳しくしたり、協力費を上げてくることは予想されますね。一方でアメリカなどはですね、キャビアといった魚介類の輸入を禁止する発表しています。日本も様々な経済制裁をしていますけれども、ロシア産の水産物の禁輸はしていません。なので、通常通り行いますし、今回の交渉も行うということなんですよね。中にはですね、「経済制裁している中でそういう交渉もしない方がいいんじゃないか?」とか、「関係者には補償金を出せばいいんじゃないか?」という声もあったりするんですけれども、日本としては、消費者の問題だけではなくて、北方領土も関わってきて、いろいろこれまで交渉していたことなので、ここでそれをすべてを切ってしまう、交渉を切ってしまうことへの懸念もあって、このあたりはどう考えるかが注目ポイントなんですけれども、現状では、交渉がどのように進むかを注視する必要があるかなと思いますね。
吉田:ウクライナ関連で言いますと、「ノルウェー産のサーモンも減っている」と聞きました。
塚越さん:様々な報道があると思うんですけれども、戦争がはじまってからロシアは、ノルウェーなどの30ヶ国以上に対して、ロシア領空の飛行機禁止措置を取っていますので、ロシアの上空を飛行機が通れません。なので、非常に時間がかかってしまうんですね。ノルウェーは、北極圏や中東経由の迂回経路で多少時間がかかっても日本へサーモンを供給しますというふうにおっしゃっているんですけど、やっぱり、いろいろ時間がかかるということで、値上げは避けられないかなと思いますね。
吉田:他にも私たちの生活に影響はありそうですか?
塚越さん:すでに鮮魚店ではサーモンが値上がりしていますし、今月末から5月がサケ・マス漁の旬なので、交渉が間に合わないと漁獲量が減って、これもまた値段が高くなってしまうかなと思います。農林水産省によりますと、日本が水産物を輸入している国としては、ロシアが世界第三位ということで、非常に大きいんですね。サケ・マスだけでなく、カニやウニの比率も高いということです。しかも、すでに去年、北海道は赤潮の影響でウニの価格が高騰していまして、さらにここからロシアからの供給が止まると、私たちのところにくるまでにはなかなか高くなってしまうかなと思いますね。
ユージ:今、リスナーさんから質問が来ていて、「サーモンやカニが高値になると聞きました、朝の定番、鮭の塩焼きが見られなくなる日がくるのでしょうか?」ということで、どうなんですか?
塚越さん:そうですね…、今は、鮮魚店などに在庫があったり、回転ずしのチェーン店とかでも在庫がある、けれども、今後、どうなるかわからないとおっしゃっていますので、長引けば長引くだけ、我々の食卓に対する影響も大変になってくるのかなと思いますね。
ユージ:見られなくなるというわけではないけど、やっぱり、ものすごく値段が上がってしまう、なかなか頻繁に食べられるものではなくなる可能性はあると?
塚越さん:そうなってくると思います。なので、経済制裁の考え方はいろいろありますけれども、私たちの食卓にも、かなり戦争が影響しているということですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 14, 2022
「北海道沖太平洋のサケ・マス漁業、
ロシアとの交渉の行方」について
そもそも何故、ロシアとサケ、マスについて交渉が必要なのかというと、サケ、マスの生まれた地がロシアで、途中で日本に来るんですね。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 14, 2022
それで、日本の水域内で獲ったから日本のものだと思っていたが、ロシアで生まれて、ロシアに帰る魚を途中で獲る場合は、ロシアにお伺いを立てないといけないと言うのがルールとしてあるようです。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 14, 2022
これからも例外なく交渉はあるのですが、現在の状況を見ると上手くいき難い、今までより価格が上がってしまうのではないかという見方があります。そうなると、サケを扱わないお店が増え、食べられる場所が減ってしまう。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 14, 2022
我々の食卓に並ぶ頻度が減ってしまうなどのリスクがあります。今後、サケ、マス問題についてはもちろん、経済制裁についても色々と慎重に考えていく必要があると思いました。#ワンモ