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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.03.31

中国・上海が事実上のロックダウン
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『中国・上海が事実上のロックダウン』


吉田:人口2,500万人の中国の大都市・上海で、地域に分けて2段階のロックダウンが始まりました。日本の企業にも影響を及ぼしています。


ユージ:今、上海で何が起こっているんですか?


神庭さん:上海市はですね、28日から事実上のロックダウン、都市封鎖に踏み切りました。医療従事者とか宅配業者などを除いて、原則外出禁止。地下鉄とかバスとかの公共交通機関も止められてますし、道路も通行止めでガラガラになっているんですね。“事実上の”というふうに申し上げたのは、全市一斉ではないからなんです。市の中心部を流れる川、黄浦江を境にして、東側で28日から4月1日まで、その後に西側で4月1日から5日まで封鎖。その間、全市民およそ2,500万人のPCR検査を進めるなど、非常に大規模な規制が敷かれることになります。


ユージ:上海がロックダウンとなると、経済にも大きな影響が出ますが、なぜ今回踏み切ったんでしょうか?


神庭さん:29日のデータで、中国本土の感染者数が6886人。このうち上海市が4477人ですから、実に6割以上を占めていることになります。中国第一の経済都市である上海のロックダウンは経済的なダメージも非常に大きいと思いますけれども、一方で感染者の急増に歯止めがかからない中で、「押さえ込みが不可欠」というふうに判断したのだろうと思います。中国はコロナ発生以来、『ゼロコロナ政策』をとっていますけれども、実は、上海のロックダウンに関しては否定していたんですね。上海市の公安当局は24日に、「上海がロックダウンに入る」というようなことをネットに書き込んだ男2人をですね、「虚偽の情報を広めた」として捜査している、と発表したんですけれども、今から考えると、結果として正確な情報だったわけです。けれども、それぐらい頑なに否定していたロックダウンをわずか1週間でやらざるを得ない状況に追い込まれているということなんですね。


ユージ:今回のロックダウンを切っ掛けに一部ではパニックが起きているみたいですね?


神庭さん:そうなんですね。自宅待機のための食料とか生鮮食品とかを確保しないといけないので、市民がスーパーマーケットに詰めかけて、長蛇の列ができているということなんですよね。それに加えて、商品を奪い合ってですね、市民が取っ組み合いのケンカをする様子もSNSに投稿されているんです。療養体制と言うんですかね、隔離体制の貧弱さも問題になっていて、陽性の場合、日本のような自宅療養は許されなくて、有無を言わさず、医療機関とか隔離施設に送られるんですけれども、ただ、その環境が非常に劣悪だと指摘されていて、CNNはSNS上のこんな声を紹介しています。「何百人もの人が、寒くて劣悪な状況の中で一緒に生活している。男性と女性が一緒に隔離されて、プライバシーは一切ない。公衆トイレを使用して、食事は奪い合いになる。この隔離は本当に私たちの助けになるのか?」といった投稿なんですけれども、報道によるとですね、新規感染者のほとんどが無症状だということなんですね。となると、無症状なのにこうした劣悪な隔離施設に送られてしまうのか!?ということで、そうなると、人々の不満というかフラストレーションも溜まっていきますよね。


吉田:日本企業にも影響が出ているのでしょうか?


神庭さん:はい、大きいな影響が出ています。日経新聞によると、封鎖の影響でローソンはおよそ300店舗を休業、市内に87店舗を展開しているユニクロも半数近くが休業状態になるそうです。全日空とか日本航空でも、上海への貨物便に欠航が出ているそうです。日本企業以外でも、アメリカのテスラが上海工場での電気自動車の生産を4日間止める方針だと報じられています。中国は世界の工場ですから、ロックダウンを予定通りこの短期間で終えられればいいんですけれども、今後さらに物流が滞ったり、供給制約が長引いたりすることがあると、世界経済にも悪い影響が出かねないかなというふうに思いますね。


吉田:世界経済への影響ですとか、市民の不満など、色々あると思うんですけれども、中国は今後も『ゼロコロナ政策』を推し進めていくんですかね?


神庭さん:今年の秋に、5年に1度の共産党大会があるんですね。権力をさらに盤石なものにしたい習近平総書記からすると、それまで、できるだけ安全運転でですね、混乱なく進めたいのだろうと思います。これまで、「中国のゼロコロナはすごいんだぜ!!!」というふうに内外に宣伝してきた手前、今さら、ウィズコロナにサッと転換できるものでもないですよね。ただ、そうは言っても、感染力の高まったオミクロン株を抑え込むのは非常に難しいですし、先ほど言ったように市民のフラストレーションも溜まってきているという部分もあります。なので、今回の上海ロックダウンは、中国が今後もゼロコロナを維持できるかどうかの試金石になるんじゃないかなというふうに思いますね。


吉田:ちなみに、他にこういった強固な政策をとっている国はあるんですか?


神庭さん:現段階ではほぼなくてですね、当初、ゼロコロナ路線をとっていたニュージーランドは、デルタ株の拡大でゼロコロナを断念しました。ゼロコロナではないけれども、『K防疫』を掲げて、コロナ対策の優等生として評価されていた韓国も、オミクロン株の流行で1日に60万人を超える感染者が出ています。以前は厳格なコロナ対策で感染者を抑えていたベトナムも、3月に入ってからは1日30万人を超える感染者が出ているんですね。国際的な潮流としても、ウィズコロナに舵を切らざるを得ない情勢のなかで、強固な監視と支配でゼロコロナを、もし、貫き通せることがあるとしたら、世界中で中国ぐらいだろうというふうに思うんですけれども、そういう意味でもですね、中国が本当にゼロコロナを維持できるのか? もう無理だよ…。と、ウィズコロナに転換するのかは、ひとつ大きな注目ポイントかなというふうに思いますね。



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