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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.03.14

ウクライナ侵攻と北方領土
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【ウクライナ侵攻と北方領土」】

吉田:ロシア国防省は10日、北方領土に配備した地対空ミサイルシステムの演習をしたと発表しました。「ロシアが領空侵犯された」という想定に基づいた演習で、空中にあった数十の標的はすべて破壊したと言われています。これは日本やアメリカの経済制裁に対する牽制とみられています。そこで今朝は、気になる北方領土をめぐるロシアの動き、そして、日本はロシアにどう対応すべきなのか?神庭さんにわかりやすく解説してもらいます。神庭さん、まずは北方領土をめぐる最新の動きから教えてください。


神庭さん:ロシア国防省は10日、北方領土に配備した地対空ミサイルシステムの演習をしたと発表しました。「ロシアが領空侵犯された」という想定に基づいた演習で、空中にあった数十の標的はすべて破壊したということです。日本やアメリカの経済制裁に対する牽制、意趣返しとみられています。9日には、プーチン大統領が北方領土に免税特区をつくる法案に署名、成立しました。北方領土などに進出する国内外の企業に対し、最大20年間、法人税や固定資産税を減免するという内容なんですが特区構想自体は去年の9月からプーチン大統領が発表していたんですが、このタイミングで法律を成立させてきたのは、明らかに日本に揺さぶりをかける狙いじゃないかなと思いますね。


ユージ:このロシアの動きに対して、日本政府はどんな対応をとっているんでしょうか?


神庭さん:北方領土でのミサイル演習に関して、林外務大臣は「わが国の立場と相いれず、受け入れられず、抗議をしてきております」と話しました。免税特区については、松野官房長官が「ロシア側がこのような制度の導入に踏み切ったことは遺憾であり、改めて我が国の立場をロシア側に申し入れました」と述べています。こうしたロシア側の横暴な振る舞いに対して「遺憾」としか言えないのが一番の遺憾だなと思います。遺憾をNGワードにしてほしいぐらいですが…。
現実的にいまこの状況で、北方領土に進出しようとする企業がどれだけあるかは不明ですけれども、日本の領土なのに、ロシア法に基づいて海外企業をどんどん誘致すれば、ステークホルダーが増えて事態がますます複雑化することは目に見えています。そうやってドサクサで既成事実化を進めるのがロシアの狙いじゃないかなと思います。制裁を意に介さない中国企業などが進出した場合、話がどんどんややこしくなることが懸念されますね。


吉田:改めて、北方領土をめぐるこれまでの政府の対応について教えてください。


神庭さん:北方領土について外務省のサイトにもハッキリ「日本固有の領土」と書いてありますが、実はこの表現、安倍政権以降ロシアに気を遣って総理や閣僚が口にすることを控えてきたんですね。安倍政権は2018年、プーチン大統領との会談を通じて、それまでの「4島一括返還」路線から歯舞群島、色丹島の「2島先行返還」路線に転換します。安倍さんは2019年9月、ウラジオストクでのスピーチでプーチン大統領にこんな風に呼びかけています。
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている」
「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。歴史に対する責任を、互いに果たしてまいりましょう」
こうした経緯もあって、ロシアを極力刺激しないように総理や閣僚は国会答弁で「日本固有の領土」ではなく、「日本が主権を有する島々」「我が国が主権を有する島」と言い換えるなど、涙ぐましい努力を続けてきましが、返還交渉は1ミリも進まず今に至っています。
ウクライナ問題で返還交渉の進展が期待できなくなり、ロシアに気兼ねする必要がなったためか、最近になって国会でも「固有の領土」という言葉が復活しました。
岸田総理は7日の参院予算委員会で野党議員の質問を受け、「『我が国固有の領土』であるか『我が国が主権を有する領土』であるか、私自身、用語を使い分けた記憶はありませんが、ともに我が国の対応であると認識をいたします」と述べました。大変情けない話ですが、ようやく国会で当たり前のことが当たり前に発言されるようになりました。また、萩生田光一経済産業大臣が、ロシア経済分野協力担当大臣を兼任していることに対しても与野党から批判が出ています。経済制裁をかけながら経済協力するというのも変な話ですが、岸田総理はポストの廃止には慎重な姿勢を示しています。


ユージ:そういった状況を踏まえて、日本はこれからどうしたらいいんでしょうか?


神庭さん:ペコペコ愛想笑いして経済援助をしていけば、きっといつかは返してくれるだろう、という甘い目論見は捨て去らないとダメだなと思います。「日本固有の領土」「4島すべて返してください」という原理原則に改めて立ち返らないといけない。「ロシア経済分野協力担当大臣」というポストも即刻廃止すべきじゃないかと思います。ロシアに「返還」をチラつかされて、ついついお金を出してきてしまったのがこれまでの日本。今後はその逆を狙えばいいと思っていて、制裁を受けて、ロシア経済は今後数年間、間違いなくズタボロになるとみられています。「撤退する海外企業を勝手に国有化する」とか、「海外企業からリースされていた航空機をそのまま借りパクしちゃえ!」とか、「借金はルーブルで返します!」とか…。ロシアが矢継ぎ早にメチャクチャな政策を打ち出しているのは、焦りの現れですから、何年後か分かりませんが、経済的に落ちるところまで落ちて、喉から手が出るほどお金がほしいロシアの前に日本がスッと現れて、「経済支援がほしいなら、さっさと島を返しなさい!」と強く迫る。それぐらいの立ち回りをしていく必要があるのではないかと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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