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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.03.08

まん延防止等重点措置の再延長
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『まん延防止等重点措置の再延長』


吉田:政府は7日、新型コロナウイルス対策の『まん延防止等重点措置』をめぐり、6日が期限だった31都道府県のうち、東京、大阪、愛知など18の都道府県では、対策を継続する必要があるとして、今月21日まで再延長することに決定。一方、福岡や広島など13の県については、感染状況が落ち着いてきたとし、6日の期限をもって解除しました。


ユージ:神庭さん、心のどこかで、もしかしたら、再々延長もあるんじゃないかぁとかって思っちゃいますよね…。もちろんね、感染拡大は防がなきゃいけないんですけども、これは一体、いつまで続くんでしょうか?


神庭さん:東京など9の都県は、1月21日から『まん延防止等重点措置』が始まってますから、3月21日で終わったとしても、まるまる2ヶ月、まん延防止等重点措置だったということですよね。政府は、より感染力の強いオミクロンの派生型『BA.2』の流行度合いであるとか、病床のひっ迫度合いをみながら解除を判断するということなんですけれども、ただ、感染者数をみると、東京でも1万人を割ったと思ったら、また増えたり、なかなかスコーンと急降下してくれない。当初想定されていたよりも落ち方がゆっくりなのが気になるところですよね。
専門家の間では、東京都内では今月中にBA.2が主流になって、4月1日時点でオミクロン株の74%がBA.2に置き換わると予測されています。第6波が収まりきらないうちに第7波というのは悪夢ですし、考えたくもないんですけれども、その可能性も念頭に置きながら対策を検討してないかないといけないかなと思いますね。


吉田:専門家の方たちは、この再延長について、どう見ているのでしょうか?


神庭さん:専門家の間でも“経済系の人”と“医療系の人”で意見が分かれているんですね。4日に開かれた政府の『基本的対処方針分科会』では、18人の委員のうち2人が延長に反対しました。そのうちの一人が経済学者で大阪大学特任教授の大竹文雄さんなんですけれども、東京新聞によると大竹さんは、「オミクロン株の重症化リスクは高齢者と基礎疾患がある人に偏る。ワクチン3回接種を終えたら、そのリスクも非常に低くなる」、「非常に大きな金額の協力金が支払われているが、重点措置前から夜間人流は減っており、追加的な顧客減少効果は比較的小さい」というふうにおっしゃっているんですね。一方、残りの16人は延長に賛成で、『感染の高止まり』であるとか『リバウンド』、『医療ひっ迫への懸念』が示されています。


ユージ:海外の事例もみつつ、もうインフルエンザ並みでいいんじゃないか?というふうに考える方もいらっしゃいますよね?


神庭さん:そうですね。そういう意見もあるんですけれども、その判断をするためには、インフルエンザの致死率とオミクロン株の致死率を比較する必要があるわけです。厚労省の専門家組織『アドバイザリーボード』に提出された資料によると、季節性インフルエンザの致死率は計算方法によって違うんですけれども、0.006%~0.09%と幅があります。これに対して、今年1月以降のオミクロン株の致死率は0.13%と推計されてて、オミクロン株の方がインフルエンザの1.4倍~21.7倍、致死率が高いということなんです。1.4倍なら「大して変わらないじゃん!」となるし、21.7倍だったら「随分違いますね…」という話になりますよね。


ユージ:開きがありますね…。


神庭さん:そうなんですよ。これだけ幅があると受け止めもだいぶ変わってきますよね。実際、この資料にも「新型コロナとインフルの比較は困難」と書かれているんですね。無症状含めて、本当は感染者がたくさんいるのに検査キャパの問題などで把握しきれていないとなったら、分母が実態より小さくなりますから致死率は上がっちゃう…。また、逆に、死亡者は後から重症化して増えてきますから、ある時点での数字で比較した時に、致死率が低く出てしまう可能性もあるわけですよ。この辺りの影響も精査したうえで、もう少し幅を狭めた数字を出さないと、「結局、どうしたらいいんですか?」という結論を導き出せないですよね。


吉田:ちなみに神庭さんは、今回の再延長について、どう考えていますか?


神庭さん:今回の延長に関していうと、僕は“反対”でした。なぜかと言うと、前回の延長前からすでに減り始めていて、それがまん延防止等重点措置の効果なのかよくわからないから。なので、効果がよくわからないものを延長するのはどうなのか?ということですよね。あと、やっぱり、時期も悪い。3月21日に解除して、お花見とか歓送迎会とか、イベントが目白押しなわけじゃないですか。長く押さえつけてきた分、その反動もきますから、ある意味、人為的にリバウンドをつくり出すようなことにならないか心配ですというのがありますよね。あと、そもそも、感染の場が学校や保育園などに移りつつあるなかで、主に飲食に網掛けするまん延防止等重点措置の有効性にも疑問が出てきています。まもなくコロナ3回目の春を迎えるわけですけども、これまで時短営業の協力金とかで多額の予算を投じて飲食店を支え続けてきたわけですが、今後もこれをずっと続けるのかは考えていく必要がそろそろあるんじゃないかなというふうに思っています。コロナは飲食店だけの問題ではなくて、子どもの感染が多発している学校では、期間を区切ってオンライン授業に踏み切るとか、場合によっては、保育園も休園する。その間の保護者の収入補償の手続きをもっと迅速化するとかですね、ターゲットを絞った対策が必要だなと思います。あとは、高齢者とか基礎疾患のある人とかですね、重症化リスクのある人への3回目のワクチン接種も急がないといけません。子どもの接種も遅れていてですね、打ちたい人が打てる環境が整っているとは言い難いんですね。医療のひっ迫を考えながら、経済を回すための環境をどんどん整えていく。だから、まん延防止等重点措置を延長する前に、実はやるべきことは、もっとたくさんあるんじゃないかなというふうに思いますね。


ユージ:おっしゃる通りですね。神庭さんの言ったように、今回、延長したことによって、解除のタイミングがイベントがたくさんあるような、行楽シーズンというか、それこそ、本当に暖かくなって、みんな外に出たいなという気持ちの中での解除なので、ちょっとそこは心配なところでもありますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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