22.02.22
保健所職員ら、およそ2割が過労死ライン

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『保健所職員ら、およそ2割が過労死ライン』
吉田:『全日本自治団体労働組合(=自治労)』が今月17日、新型コロナウイルス対応にあたる保健所職員らに去年1年間の労働実態を尋ねたアンケート結果を公表しました。およそ2割が過労死ラインにあたる月80時間以上の時間外労働を経験。およそ36%が自身に「うつ的な症状があった」と答え、過重労働のまん延が浮き彫りになりました。
神庭さん、厳しい状態というお話をずっと聞いていましたけれども、こうやって数字で出てくるとより深刻な状態なんだなというふうにわかりますね。
神庭さん:本当に大変ですよね…。弁護士ドットコムの報道によると、自治労のこの調査にはこんな悲痛な声が寄せられたそうです。
・「時間外労働をすることが当たり前な環境。休暇は取得できず、疲れがとれないまま出勤する」
・「人員不足、夜間の電話対応、休みがとれない、日々の暴言とクレームの対応」
・「保健所職員は医療現場に比べ、報道に取り上げられたり感謝されることが少なく、モチベーションの低下に繋がっている気がする」
といった声なんですが、『カスタマーハラスメント』とか『ペイシェントハラスメント』も少なくないということで、コロナ禍で身を削って業務にあたってくださっている保健所の皆さんには本当に頭が下がりますよね。
ユージ:本当ですよね…。改めてなんですけれども、負担の原因としては何があるのでしょうか?
神庭さん:先ほどの調査ではですね、電話対応とか事務作業の負担を挙げる声があがっているんですが、中でも大きいのが、コロナ感染者の『発生届の処理』なんですよね。信じられないかもしれないんですけれども、いまだにFAXが使われているんです。医療機関が政府の『HER-SYS(ハーシス)』というシステムに入力するのが原則なんですけれども、医療機関も忙殺されていて、なかなか入力がままならないということで、病院やクリニックが手書きの情報を保健所にFAXして、保健所の担当者が必死にHER-SYSに打ち込むという状態になっていると。朝、職員の方が保健所にやってくると、お医者さんが夜中に書いた発生届が山のように積まれているという状況になっているんですね。大阪では医療機関が直接、HER-SYSに入力しているケースは4割だけで、残りの6割は保健所経由。1人につき入力に10分くらいかかってしまうそうで、FAXの文字が潰れていたり、字が読めなかったりすると、いちいち病院へ問い合わせなくてはいけなく、時間をロスしてしまうと…。結果、保健所の処理が追いつかなくなって、大阪は1月末から2月の頭にかけて、1万2700人分のデータ入力が滞ってしまっているんですね。
吉田:改善していこうという動きはあるのでしょうか?
神庭さん:名古屋市では、専門部署を開設して保健所に代わってHER-SYSの入力作業を行っています。これで保健所の業務が2割ほど軽減されるということで、千葉県でも入力作業をコロナに関係ない部署からの応援職員に任せているんですね。東京新聞によると、応援職員の夜間残業で1日1000人分処理できるそうです。専門的ではないんですけれども、手間がかかる事務作業なので、こういう作業を保健所以外のリソースでカバーするというのはいいアイディアだと思います。そもそも論でいうと、FAXを噛ませるから入力業務が発生してしまうわけで、お医者さんが電子カルテに打ち込んだ情報を自動でHER-SYSに吸い上げられるとかですね、さらなる自動化とか効率化ができるといいなというふうに思いますし、打ち込む入力項目もですね、必要最小限に絞って、できる限りの負担軽減を図ってほしいなというふうにも思いますね。
ユージ:となると、やっぱりデジタル化というのはすごく重要なのかなと思うんですけれども、その他にはどんな試みが行われているんですか?
神庭さん:読売新聞などの報道によると、少なくとも21都道府県で『みなし陽性』という運用がとられています。ある家庭で新型コロナ感染者が出た場合に、同居している家族ら濃厚接触者に発熱などの症状が出たら、「それはコロナでしょ」と“みなす”ということなんですね。検査なしでお医者さんが『みなし陽性』を判断するので、その分、保健所の負担は軽減されるということですけど、ただ、あくまで“みなし”ですから、治療薬を投与する場合などには、改めて検査しないといけないということです。民間のコロナ保険とかもありますけれども、みなし陽性の場合にどう対応するかは整理が必要だと思いますね。加えて、感染経路とかクラスターを調べる『積極的疫学調査』というのがあるんですけれども、これを縮小して、医療機関とか高齢者施設など優先度の高いところに絞るという動きも出ています。ここまで感染が拡大してしまうと、クラスター潰しの意義も薄れてきますから、保健所業務の選択と集中という意味では賛成かなというふうに思います。
吉田:ただね、こうやっていろいろやっても、保健所の大変さはすぐには解消されないようですね…。
神庭さん:いやぁ、そうですよね…。あの手この手で効率化を図っていますけれども、なかなか、保健所のひっ迫状態が改善されないですよね。膨大なFAXとか、紙の処理に忙殺されて、ハイリスク患者の健康観察ができなくなってしまうということになると本末転倒ですよね。あとですね、この保健所のデータというのが、後日まとめてドカッと計上されたりすることがあるので、そうすると正確な感染者数の推移が追えなくなってしまい、いつピークアウトしたのかわからなくなってしまうというのは、政策判断にも影響が出てしまうから、そういう意味でも問題です。やっぱり、保健所のリソースというのは、『紙』ではなく、『人』と向き合うことに使ってほしいんで、そういう意味でも、HER-SYS入力を効率化した名古屋市とか千葉県のような成功事例は、どんどん横展開して全国に広げてほしいなというふうに思いますし、あと、今、言ったこと全部、対処療法なんですね。そもそも、保健所の数はこの四半世紀で4割以上減っていて、常勤の職員数も減少傾向なんです。今いる人員だけでなんとかするというのは、限界がありますから、人員を増やして予算の手当するという根本的な部分をやってほしいなというふうに思います。
ユージ:うん、外部も含めて、検討する必要があるかもしれないですね
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 22, 2022
「保健所職員ら、およそ2割が過労死ライン」について
コロナウイルスの対応にあたる職員らの負担が増えた理由として、
職員一人で賄わなければいけない感染者の増加、#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 22, 2022
?そして、「陽性です。」の一言で終われない、書かなくてはいけないことが多いことも要因に挙げられています。
僕が気になったポイントは、FAXを使っていること。
FAXが悪いと言っているわけではなく、今の技術を使えばFAXより速くて負担が少ないものがあるはずです。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 22, 2022
外部から人を呼ぶにしても、?現在の職員の負担を減らすために入れるのか、負担は変わらずに対応できる量を増やすために入れるのか、すぐに改善できるポイントを断言することは難しいですが、FAXだったり事務的な作業で負担を減らす方法を活用できたら良いのかなと思いました。
#ワンモ