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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.02.16

去年10月~12月までのGDP、2期ぶりのプラス
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『去年10月~12月までのGDP、2期ぶりのプラス』


吉田:去年10月から12月までの『GDP(=国内総生産)』は、前の3か月に比べて、プラス1.3%、このペースが1年間続くと仮定した年率換算は、プラス5.4%でした。
神庭さん、2期ぶりのプラスになりましたね?


神庭さん:そうですね。GDPの半分以上を占める個人消費が前期から2.7%増と持ち直したことが大きいと思います。去年の10~12月と言えば、第5波のデルタ株の感染者数が潮が引くように一気に減少していた時期ですよね。9月末で緊急事態宣言が解除されて、時短営業とか酒類の提供制限も緩和されました。飲食や宿泊などの消費も活発化していたという背景があると思います。このほかですね、供給制約で部品不足になっていた自動車生産が回復したりであるとか、そういったこともあって輸出がプラス1.0%。内需を支える柱の一つである企業の設備投資も0.4%増と堅調でした。半導体製造装置とかデジタル系の投資が好調だったことが大きいようです。一方でですね、公共投資は3.3%、住宅投資は0.9%の減少になりました。ワクチン接種が一段落したことで、医療費などの政府支出もマイナス0.3%となったということですね。
山際 経済再生担当大臣は記者会見で「おおむねコロナ前の水準まで回復した」というふうに話しました。実質GDPは年率換算で541兆円で、コロナ前の2019年10~12月期の年率換算で542兆円ですから、肯定的に捉えれば山際大臣のような言い方になります、ただ一方で、2021年通年でも1.7%のプラス成長で、欧米は5%以上ですから、それに比べると、かなり出遅れちゃっているなと、コロナ前には届かなかったという言い方もできるかなと思います。


吉田:今期のGDPはプラスになりましたけれども、次の四半期は、またマイナスになるとみられていますよね?


神庭さん:はい、今年の1~3月に関しては、再びマイナスに落ち込むとみているエコノミストも多いです。そもそも去年の10~12月期というのは、マイナス成長で発射台が低かった前期からのリバウンドという側面もあって、手放しで喜べるものではないんですね。次の四半期のマイナス要因として一番大きいのは、やっぱり、オミクロン株の流行ですよね。36都道府県でまん延防止等重点措置が敷かれて、飲食店の時短営業などで経済的に大きなダメージが出ています。
インフレによる消費者心理の悪化も懸念材料になっています。電気代、ガス代、ガソリン代から食料品に至るまで、あらゆるものが値上がりしていて、生活防衛意識が高まる一方なんですけれども、もにかかわらず、給料はなかなか上がってこないと…。
1月の消費者態度指数は36.7で、前月から2.4 ポイント下落しているんですね。内閣府は消費者マインドの基調判断を、もともと、「持ち直しの動きが続いている」というふうにしていたんですけれども、「足踏みがみられる」に修正しました。基調判断の下方修正は8ヶ月ぶりだということです。中長期化するグリーンフレーションに加えて、ウクライナ情勢も一進一退、一触即発の状態ですから、天然ガスや原油価格の高騰も懸念されているんですね。『インフレ』もそれ自体怖いんですけれども、インフレ退治のために各国が乗り出そうとしている『利上げ』も経済を冷やしかねないリスクもあると。民間にじゃぶじゃぶお金を流す金融緩和から、金融引き締めに向けて水道の蛇口を急激に閉めるとですね、景気後退につながる恐れがあるんですね。日本含め世界の金融当局が、非常に難しい舵取りを迫られているというふうに思います。


ユージ:新型コロナウイルスの感染を抑えることを重視してしまうと、どうしても、経済の回復は遅れてしまうという状況は見えているわけなんですけれども、“感染を抑えること”と“経済回復”の両立は難しいんですかね?


神庭さん:う~ん…、それは非常に難しいんですよね…。野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは、重点措置が13都県で3月6日まで延長される影響で、経済損失が2.7兆円規模に膨らむと試算しているんですね。その場合、1~3月期の実質GDP成長率が、前期比で年率7.7%ポイント押し下げられるという。他方で、感染が爆発的に広がってしまうということの余波も考えないといけなくて、学校の休校とか保育園の休園で親たちが働けなくなってしまえば、社会活動・経済活動も止まってしまいますよね。日経新聞の分析によると、イギリスやアメリカ、フランスは感染者数は多いけれど、GDPの伸び率が高いんですね。逆に、感染対策を頑張った日本とかドイツは経済回復で遅れをとっているという感染対策と経済対策のジレンマがあるんですよね。唯一の例外は中国で、人権を軽視するような監視とか隔離でゼロコロナ政策をやりながら経済成長を実現しているんですけれども、ただ、日本は、これを真似できないですし、すべきでもないですよね。じゃあ何ができるか?というと、これだけ国内で感染が広がってしまったなかで、『鎖国』みたいな厳格な水際対策をこれ以上続ける意味は薄いので、早めに解除していいのではないかと思いますし、あとは、『ワクチン・検査パッケージ』に関してもですね、オミクロン株の影響とか3回目接種の状況を踏まえて、早急に練り直す必要があるかなと思います。検査を行動制限緩和の要件にするのであれば、検査キットもガンガン増産してキャパを増やさないといけない。変異株の動向には注意しつつですけれども、感染者や濃厚接触者への対応とかですね、隔離体制などを含めて、少しずつ緩和していく。withコロナ社会への移行を本格的に進めていく1年になるのかなというふうに思います。



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