22.02.15
診療報酬の改定内容

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『診療報酬の改定内容』
吉田:厚生労働省は9日、医療機関のサービスの対価である診療報酬に関し、2022年4月の改定内容を決めました。
神庭さん、『診療報酬』は言葉自体は聞いたことあるんですけれども、その仕組みがどうなっているのかは、関係者以外はあまり知らないことも多いかもしれないですよね。
神庭さん:「ちょっと難しいな…」と構えちゃう人もいるかもしれませんが、『診療報酬』というのは、病院とか薬局などが医療サービスの対価として受け取る報酬のことなんですね。“1点10円”で、例えば、250点なら2500円になります。医師の技術料や人件費からなる『本体』部分と、薬の価格などの『薬価』の大きく2つに分かれていて、診療報酬は原則、2年に1度改定されるんですけれども、医療費抑制のため2021年度からは『薬価』部分は毎年改定されているんですね。2022年度は2年に1度、本体も薬価も両方とも改定される年になっています。政府は昨年末に『本体』部分を0.43%引き上げる一方で、『薬価』部分を1.37%引き下げることを決めました。全体ではマイナス0.94%です。毎回、少しでも診療報酬を増やしたい医師会と厚労省、できる限り医療費を抑制したい健康保険組合と財務省のですね、“駆け引き”、“綱引き”、“せめぎ合い”のなかで改定率が決まっていくんですね。それを受けて、厚労大臣の諮問機関の『中央社会保険医療協議会(中医協)』が個々の医療サービスの点数を決めて答申しています。
ユージ:こう聞くと、すごい政治的なんですね…。今回の改定ではどんなことが決まったんですか?
神庭さん:多くの人に影響がありそうなところでいうと、『リフィル処方箋』の導入が決まりました。「リフィル」というのは、「再び満たす、詰め替える」という意味で、一定期間内であれば、同じ処方箋で最大3回まで薬を受け取れます。薬をもらうためだけに病院に行くということが減らせるので、患者さんからするとメリットは大きいですよね。病院側としても負担が減るし、医療費を抑える効果も期待できるかなと思います。ただ、リフィル処方箋が認められるのは、症状が安定していて、医師が問題ないですよと判断した場合に限られます。利便性の大きい制度なんですけれども、お医者さんの診察が減る分ですね、患者さんの体調の悪化を見落としてしまうリスクもあるので、この点は薬を処方する薬剤師さんがキチンと見守ってあげないといけないかなと、その役割が今まで以上に大事になってくるのかなと思いますね。
ユージ:確かにトラブルとかそういう部分に関しては、避けなくてはいけないんですけども、ただ一方で、面倒が減っていいなという部分もありますよね。他にはどんなものが決まったんですか?
神庭さん:もう一つの大きなトピックでいうと、菅さんの肝入りだった、『不妊治療への保険適用』ですね。『人工授精』、『体外受精』、『顕微授精』などが4月から新たに保険適用の対象になります。『体外受精』、『顕微授精』は治療がスタートした時点で43歳未満の女性が対象で、40歳未満は最大6回。40歳以上43歳未満なら3回までとなります。男性側に原因がある場合の検査とかも対象になり、男性に関しては年齢制限なしです。夫婦だけでなく、事実婚のカップルにも適用されます。これまでですね、不妊治療は大半が自由診療で、体外受精で1回平均50万円かかるなど、患者さんの経済的な負担が課題になっていたんですね。保険適用になることで、全額負担から原則3割となりますから、負担が大きく軽減されるということになります。
吉田:そして、新型コロナウイルスを受けて変わることもあります。まずオンライン診療の緩和です。神庭さんこれについても教えて下さい。
神庭さん:コロナ禍の2020年4月から、初診からオンラインで診察することが特例的に認められていたんですけれども、今後は、コロナに限らず恒久的にオンライン初診ができるようになります。オンライン初診の診療報酬は、2140円から2510円にアップするということなんですけど、3割負担の場合だと患者側の負担は642円から753円に増えるということなんですよね。ただ、これでオンライン診療が普及するかというと微妙なところで、対面の場合の初診料は2880円、3割負担なら864円で、オンラインの方が安いんですよね。医療機関の側からすると積極的にオンラインに取り組む動機づけとしてはちょっと弱いかなと。去年の4月の段階でですね、オンライン診療ができる医療機関は全体の15.2%しかなくて、「初診からできますよ!」というところは6.5%とさらに少ない。本格的にオンラインを増やしていくんだったら、対面と同額でも良かったんじゃないかなというふうにも思いますね。
吉田:診療報酬は、私たちは決まったものを“高い!”と思ったり、“仕方なく払えばいい…”といったような感覚になりがちですけども、自分事で考えることというのも大事なんですね。
神庭さん:ホントそうなんですよね。診療報酬というのは、医療費の出口の話ですけど、その入り口はなにかというと、もともと私たちのお金で、患者さんが窓口で払う1割~3割の自己負担であったり、勤務先の健康保険組合が支払う保険料であったり、税金とかで賄われているわけなんですよね。そう考えると、まったく他人事ではないなと。高齢化で医療費は膨らんで、健保組合の財政は悪化する一方なんですね。日経新聞によると、2009年度~2019年度の10年間に1人あたりの平均年間保険料は13万円も増えているということなんですよね。診療報酬、医療費と聞いて、「なんだか難しい…」、「よくわからない」と思っていた人も、ぜひこれを機会に“自分ごと”として関心を持っていただきたいなというふうに思いますね。
ユージ:10年間で年間の保険料が1人13万円も増えたっていうのは、結構、驚きの数字ですね…。あと、個人的には、不妊治療はすごくいい取り組みだなと思いました。国の助けをぜひ使ってほしいです。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 15, 2022
「診療報酬の改定内容」について
内容は様々ですが、僕は「不妊治療への保険適用」が良いなと思いました。
子供に恵まれない方にとって、お金のかかる不妊治療は厳しいので、国で手当てできいないのかなと思っていたので、良いと思いました。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 15, 2022
?もう一つ気になったのが、「リフィル処方箋」
一定期間内であれば、同じ処方箋で最大3回まで薬を受け取れるというものですが、
薬をもらうためだけに病院に行く手間が減るのでありがたいです。
#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 15, 2022
引き続き、国で保障できる部分はしていく必要あると思いますし、
お金が理由で何かを諦めてしまったとか、治療が受けられなかったとか、
そういう方が少しでも減ったら良いなと思います。
#ワンモ