22.02.09
緊迫するウクライナ情勢、そもそもの背景は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 編集長、貫洞欣寛さんにお話を伺います。
貫洞さんに取り上げていただく話題はこちら!
『緊迫するウクライナ情勢、そもそもの背景は?』
吉田:ウクライナ情勢が緊迫しています。ウクライナの国境周辺にロシア軍が展開し、軍事的な緊張が続く中、アメリカはウクライナに隣接するポーランドやルーマニアなどに、合わせて3000人規模の部隊の派遣を進めています。これに続いて、今月7日には、ドイツがバルト3国のリトアニアに最大350人の部隊を、イギリスがポーランドに350人の部隊をそれぞれ派遣すると発表しました。
貫洞さん、そもそも、ロシアとウクライナはどのような関係なのでしょうか?
貫洞さん:ウクライナはかつて、ロシアの前身のソビエト連邦の一部だったんですよ。1991年に独立するまで公用語もロシア語だったんですね。だからロシアは、“自分たちのテリトリー”だと思っているんです。ウクライナには実際に、ロシアとの繋がりを維持したいという人もいますし、ロシアから離れていきたいという人もいます。かつですね、2004年、2012年と2回政変があって、その中で、ロシアと距離を置いて、アメリカやイギリス、欧米と付き合う方針の政府が今できているんですね。一方でロシアはこれを、アメリカが後ろで糸を引いている、裏切りだというふうに思っている。それがもともとの立ち位置になります。
吉田:ウクライナ情勢が緊迫したきっかけは、ロシア軍が大規模な部隊をウクライナの国境周辺に展開したことですよね?こちらは、どのような背景があるのでしょうか?
貫洞さん:ウクライナがですね、『NATO(北大西洋条約機構)』に加入する動きを見せているということが背景の一つなんですね。これは、アメリカ中心の軍事同盟で、かつての冷戦時代に旧ソ連に対抗するためにできた組織です。ソ連側には当時、『WTO(ワルシャワ条約機構)』があったんですけど、これはソ連の崩壊とともに、すでに崩壊しているんです。ロシアからすると、冷戦が終わってWTOもないのに、NATOだけが存続して、どんどん東に拡大して、ついに国境を接するウクライナまで迫ってきている。ロシアから見るとそういう恐怖があるということなんですね。だから、何とかしろと迫っている、脅しているというそういう状況です。
ユージ:ウクライナ情勢の緊迫、貫洞さんはどのようにご覧になっていますか?
貫洞さん:プーチン大統領は、情報機関のKGB出身で、緊張を情報戦で煽ることに長けた政治家なんですね。一方で、この緊張の高まりはですね、アメリカの政権にとっても利益があるんですよね。バイデン政権は今、人気が低迷してますよね。秋に中間選挙を控えているんです。その時に、“正義の味方のアメリカが悪者・プーチンをやっつけるんだ!止めるんだ!”というポーズをすることというのは、有権者にアピールする材料になります。つまり、いずれの指導者も、恐怖、それから、緊張を煽ることで利益を得ようとする。そこに政治の恐ろしさがあるんですよね。
僕は4年前にウクライナ東部に取材に行ったことがあるんですけれども、そこで見たのはですね、紛争の中で普通の日常生活が続いているということだったんです。というのは、皆さんに想像していただければと思うんですけれども、ある日、突然、自分の街が戦場になったら、知らない街に何年も逃げる難民生活をするか、そこに踏みとどまって暮らし続けるしかないんですね。小学校に行ったら、子どもたちがですね、防空壕に一日に何度も避難して、銃弾に怯えながら登下校している姿があったんですね。何十万人もの暮らしがあるんです。だから、ここでもし何かが起きた時に“犠牲になるのは誰か?”というのを想像しながらですね、この問題の平和的な解決を期待したいと思っています。
ユージ:現場では実際に生活をしていて、日常と変わらない景色も戦争の中でも存在しているというのがすごくリアルですね…。この緊迫した状態というのは、いつまで続くのでしょうか?
貫洞さん:時期的な見通しは立ってはないんですね。すぐではないと思います。例えば、昨日、一昨日、フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領が会談しましたが、ほとんど曖昧な内容だけでしたね…。
いずれもですね、戦争未満の緊張状況が当面続くことが、多分、お互いの政権にとって一番利益になると思っていると思うんですよ。というのは、そうである限り、両国に対する関係国には周辺国への依存が高まりますから。ウクライナの現政権、それから、東部の親ロシア勢力のいずれも、アメリカを、それから、ロシアを頼るしかないでしょう。そこしか頼れないですからね。現場からは距離のある同で言うと、例えば、中国は今、ロシアとの連携を強めていますよね。逆に日本は、対ロ戦略を頼るのはアメリカしかないというふうになっていますよね。だから、つまり、米ロ両方の共通利益だったりするんですね。そこまで冷静に僕らは見て、距離を置いた方が良いかなと思っています。
ユージ:もし、ロシアがウクライナに侵攻した場合、日本にも影響は出てくるんですか?
貫洞さん:軍事的な面でというよりも、経済的な面が多いと思います。特にロシアはですね、天然ガスと石油の大産地なんですよ。その値上がりが、多分、すでに高いものが、さらに値上がりして、世界的にみんなの暮らしが困るということになるんじゃないかなというふうに思いますね。
ユージ:電気代をはじめ、あらゆる物価が上がっちゃうという…。今ですらもう上がっているって、今日のONE MORNINGではお伝えしているんですけど、さらに上がる可能性もあると?
貫洞さん:そうです、そうです。ありますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 9, 2022
『ウクライナ情勢、そもそもの背景は?』
遠い国のお話で日本に関係ないと思いがちですが、仮にロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアは天然ガスや石油の原産国であり、この供給が不安定になって世界的に値上がりする可能性があります。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 9, 2022
そうなってくると、ただでさえ様々なものが値上がりする中、電気代なども値上がりするかもしれません。ロシアがウクライナに侵攻するなど、大きな動きがあった場合、日本に住んでいる私たちの暮らしに支障が出る可能性があります。これ以上の展開にならないことを願います。