network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.02.08

4年ぶりに増加した特殊詐欺、その手口と防止策
null
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『4年ぶりに増加した特殊詐欺、その手口と防止策』


吉田:振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害が、去年1年間に1万4,000件余りと、件数としては4年ぶりに増加したことが分かりました。被害額は278億円余りに上っていて、警察庁は都市部だけでなく地方にも被害が広がっているとして注意を呼びかけています。
神庭さん、件数が増加している背景、何が考えられているのでしょうか?


神庭さん:去年、認知された特殊詐欺の被害者の80%以上が65歳以上の高齢者なんですね。そして、この特殊詐欺の全体の4分の1以上を占めるのが、『還付金詐欺』と呼ばれる詐欺です。「医療費が戻ってくる」とか、「還付を受けられる」などと言ってお金を騙し取る手口なんですけれども、前年から『22%』も増加していて、全体の数字を押し上げています。コロナ禍で医療費とか保険料への関心が高まったことで、「被害が増えているのではないか?」と言われていますね。


ユージ:どんな手口でだまし取っているんですか?


神庭さん:警察庁の特殊対策ページでは『こんな電話に注意しよう』というかたちで具体的な手口を紹介しています。文字起こしもされていますので、ユージさんと吉田さん、演じてもらえますでしょうか?


ユージ:わかりました。では僕がかけ子役で、吉田さんは騙される人で。


---------------------------------------------------

ユージ:え~もしもし…、年金支給が一部未払いとなっておりますので、受け取る手続きをしてください。

吉田:えぇ?そんな案内来てたかな…?

ユージ:あの~、以前に青色の封筒を送ったと思うんですが、ご確認されてないですか?払い戻し期限が今日までとなっているので、お電話しております。

吉田:それは大変。見落としたかもしれないです…。

ユージ:あっ、そうですか!ご安心ください、お近くのATMでお手続きができますので、今から携帯電話を持ってATMに向かってください。で、着きましたら電話いただければ、操作方法を説明します。

---------------------------------------------------


神庭さん:…みたいな感じでですね。ATMに誘導されちゃうんですね。


ユージ:おぉ、これはちょっと嫌だなぁ~。


神庭さん:僕は実際の詐欺の音声を聞いたんですけれども、ユージさんみたいな、本当に若手有能ビジネスマンな感じで騙してくるんで、オラついてないんで引っかかってしまう人もいるだろうなと思いますね。


吉田:また、「今日まで」と言われちゃうとね、焦ってしまいますよね…。そして、若い世代が、詐欺に手を染めてしまっていることも特徴と伺ったんですが。


神庭さん:そうなんです。検挙者の7割以上が30代未満で、SNSで高額報酬をうたう 『闇バイト』とか、『裏バイト』の募集を見て、そこから取り込まれていってしまうと…。最近、80代女性の甥を装ってですね、電話で現金を騙し取ろうとしたとして、中学3年、14歳の少年が詐欺未遂の疑いで逮捕された事件が話題になりましたけれども、逮捕・書類送検されるのは、詐欺電話をかける『かけ子』、現金を受け取る『受け子』、引き出す『出し子』など末端がほとんどなんですよね。元締めである暴力団とか反社会的勢力自体はなかなか摘発に至らない。毎日新聞によると、『受け子』と『出し子』の56.1%は、実は、報酬を受け取れないまま検挙されているということなんですよね。軽い気持ちなのか、追い詰められてなのかはわからないですけれども、ある意味、若者も『捨て駒』にされているということがわかると思います。


ユージ:もちろん、騙されないようにしたいんですけれども、心掛けないといけないこととか、何かありますか?


神庭さん:大前提として“ATMでお金が返ってくることは絶対にない”。警察庁は注意点として4つのポイントを挙げています。

①電話でお金の話が出たら家族に相談する
②常に留守番電話機能を設定しておく
③迷惑電話防止機器を利用する
④公的機関の名を出されても信用しない

ということなんですよね。常に留守電にしておくというのは結構大事で、知り合いからの電話だけ折り返すようにしておけば、詐欺グループに急かされるようにして、「すぐに!」と言われても、慌てて大金を振り込んでしまうような事態は防げると思います。あとは、『迷惑電話防止機器』についてはですね、スマホなら迷惑電話をフィルタリングしてくれるアプリがありますし、固定電話でも「通話内容を録音します」というメッセージが流れる防犯機能付きの電話もあるんですね。警察や自治体の情報などをもとに、迷惑電話や詐欺電話を自動でシャットアウトしてくれる外付け機器も売られていますから、こういったものを活用するのも一つの手かなと思います。


ユージ:被害者の80%以上が高齢者ということで、そういった防犯の機能を使いこなせない場合も考えられますよね?


神庭さん:そうなんですよね…。そこは頭の痛いところで、<特殊詐欺に気づいた銀行員、お年寄りの振り込みを止めてお手柄>みたいなニュースがよく流れてくると思うんですけれども、逆に言うとブロックしてくれる職員さんのいない無人のATMは、“詐欺グループからすると格好のターゲット”になっちゃうわけですよね。警察もATM周辺で電話しないようにポスターを貼ったり、ATMで電話している人に気づいたら通報してねということを呼びかけているんですけれども、歳をとって認知機能が低下してくると、どうしても、騙されてしまう可能性があるんですよね。高齢者への「気をつけて」という注意喚起だけでは限界もあると思うので、人を変えることよりも、高齢者が騙されにくいように環境の方を変えるのも一つの手だと思っていて、例えば、一定時間のスマホの会話を検知したら自動でアラートを出す機能をATMにつけるであるとか、コンサートホールとか劇場みたいに、無人ATMの周辺では自動的にスマホが圏外になるとか、それくらいやって、人の目が届かない部分についてはテクノロジーの力で防犯を強化するということをやってもいいのかなと思います。


ユージ:やっぱりね、人と人で注意を促しても限界ってあるじゃないですか。警察も、銀行とか電話会社、あと、携帯会社などと連携して、今まさに神庭さんがおっしゃったように、テクノロジーを使って防ぐ手立てをみんなで考えていくべきですよね。実際に、僕と吉田さんが実演しましたけども、あのようなケース以外にもたくさんのケースがあるので、先ほどのは一例に過ぎないということも覚えておいてください。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top