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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.02.07

北京オリンピック開会式と中国の人権問題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


北京オリンピック開会式と中国の人権問題

吉田:開幕前には、外交ボイコットが大きな話題になっていました。オリンピックを前に改めて注目を集めた中国の人権問題。今日は、その点にフォーカスして先週金曜日の開会式を振り返っていきたいと思います。けさのオーディージャッジのテーマでもあるんですが、今のところリスナーの皆さん、見ていないが一番多く46%、ライブで見た方が27%、などとなっているんですが、神庭さんは開会式、ライブでご覧になりましたか?


神庭さん:今日、話さないといけないのでしっかり見てきました。


吉田:どんな感想を持たれましたか?


神庭さん:バッハ校長、今回も話が長かったです。僕も計測していましたが、9分56秒09。夏の東京五輪の開会式が13分なので、それよりは縮めてきましたが、閉会式の7分06秒に比べると長くなっていました。寒いなかで挨拶を聞いている選手たちは大変だったと思います。会場の気温は氷点下です。習近平国家主席が完全防備の防寒具を着込んでいるのに対して、バッハさんは比較的、軽装のスーツ姿だったこともあり、中国版Twitter「微博(ウェイボ)」では、「#バッハは寒くないのか」というハッシュタグがトレンド入りしました。「寒くないのか」でいうと、サモアの旗手が上半身裸の民族衣装で入場し、筋骨隆々の肉体美を披露したことも話題を呼びました。上半身裸といえば、2016年のリオ、18年の平昌、去年の東京と3大会連続で出場しているトンガの選手が有名ですが、今回は不参加でした。インスタに「サモアが留守を守ってくれた」と投稿しました。


ユージ:バッハ会長のスピーチも注目されていましたが、先週木曜日のこのコーナーでも話に出ていた台湾選手団の呼称問題も開幕前に話題になっていましたよね。


神庭さん:先週木曜に解説しましたが、改めておさらいすると、過去の五輪では「中華」台北(英語で言うとチャイニーズ・タイペイ)と呼んでいたのに、先月26日、中国の台湾政策担当者が記者会見で、台湾選手団のことを「中国台北」と呼びました。これは台湾を中国の一部だとする中国側の主張に沿った呼称だとして、台湾が反発しました。一時、開閉会式の不参加を表明しましたが、IOCの説得を受けて一転参加することに決めました。実際、どうだったかというと、会場でのアナウンスやプラカードは従来通り「中華」台北(チャイニーズ・タイペイ)でした。ところが、中国中央テレビの中継では「中国」台北の方の呼称を使いました。しかも、台湾選手団と香港選手団の入場時には、貴賓席の習近平国家主席の映像を映しました。時事通信は《「一国二制度」での台湾統一を目指す習氏の意向をにじませた》と分析しています。ちなみにNHKは去年の東京五輪と同じく「台湾」と紹介しています。台湾ではこの呼称を望む人が多く、喜びの声が広がりました。


吉田:他に、神庭さんが演出面で気になったこと、何かありましたか?


神庭さん:ザ・国威発揚です。中国が「世界からこういう風に見てほしい」という願望、プロパガンダが詰まっていました。北京五輪のスローガンは「共に未来へ」。中国では多数派の漢民族以外に55の少数民族がいるが開会式でも56の民族が、中国の国旗をリレーしていく演出がありました。2008年の夏季の北京五輪でも似た演出があり、「56の民族」とされた子どもたちが民族衣装で国旗を運びました。ところがこの時は、多くの子どもたちが実は漢民族だったことが後で判明しています。今回はどうかわからないですが、ウイグル問題で世界的に非難を集めていることを考えると、本当に少数民族の人たちだったとしても、白々しい演出だなと思ってしまいます。聖火リレーの最終走者の一人は、ウイグル人の女性、スキー選手でした。これも欧米の批判を意識して、「多様性」「民族融和」を打ち出したものだと思います。この女性選手がどんな気持ちで聖火を掲げたのかを考えると胸が痛みます。


ユージ:ウイグル問題といえば、外交的ボイコットですが、こちらは、最終的にどうなったのか?改めておさらいして頂けますか。


神庭さん:アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが外交的ボイコットを表明しました。日本は言葉こそ使わなかったが、閣僚など政府関係者の派遣は見送りました。一方で東京五輪組織委の橋本聖子会長や、JOCの山下泰裕会長は派遣する「玉虫色」の対応をとりました。逆に出席した国には、ロシアやカザフスタン、サウジアラビア、エジプトなど強権的な国が目立ちました。特にロシアに関しては蜜月と言ってもいい状況で、習近平国家主席とプーチン大統領が会談しました。中国側は、NATOの拡大に反対するロシアの立場に理解を示し、逆にロシア側は「一つの中国」原則に従って台湾の独立に反対することを表明しました。開会式ではジョン・レノンの『イマジン』が流されました。イマジンは「想像してごらん、世界中の人が平和に暮らしているのを」という歌詞がありますが、現実にはロシア軍はウクライナ国境に10万人の兵を展開。中国は開会式があった4日にも、台湾の防空識別圏に哨戒機を飛ばしています。大好きな歌なのでとても悲しいですが、イマジンの歌詞がブラックジョークのようにしか聞こえないです。バッハ会長もスピーチで五輪期間中の休戦を呼びかけましたが、これほど光と闇のコントラスト、建前と本音のギャップが激しい五輪もなかなかないのではと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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