22.01.20
まん延防止等重点措置、経済との両立を考える

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
まん延防止等重点措置、経済との両立を考える
吉田:政府はきのう、1都12県の「まん延防止等重点措置」の適用を正式に決定しました。そんな中、政府や自治体は企業に対して、社会活動を維持していくための「BCP=事業継続計画」の策定を呼びかけています。
ユージ:神庭さん、改めて、きのうまでの動きを教えてください。
神庭さん:1月9日から沖縄・広島・山口でまん延防止措置が始まっていましたが、きのう、首都圏の1都3県や東海3県の追加が決まりました。新たに追加された13都県の期間は、今週金曜21日から来月13日までです。沖縄・広島・山口は早く始まった分、終了も早くて今月末までです。松野官房長官は、3県の期間を延長するかどうか、「今しばらく状況を見極めたい」と話しています。まん延防止措置では休業までは求められないですが、客足が落ちて商売にならないということで、自主的に休業を選ぶ居酒屋などもあります。
ユージ:経済的なダメージは大きそうですよね。
神庭さん:野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの試算によれば、先行3県と追加13都県の経済規模を合わせると、日本経済全体の54.7%を占める。仮に対象エリアのすべての市町村でまん延防止が実施された場合には、1兆1,200億円の損失。ただ、まん延防止措置は、知事がエリアを細かく指定できる。仮に、適用地域となる市町村の経済規模の比率が先行3県と同程度の76%だとした場合には、損失は8,640億円になるという。それでも十分すぎるほど大きい額です。木内さんは、「1年間の名目GDPの0.15%に相当する規模であり、失業者を3.3万人増加させる効果を持つ」と分析しています。
ユージ:政府が求めている「BCP」とは何でしょうか?
神庭さん:みなさん日本語で言ってよ、という感じだと思いますが、「Business Continuity Plan」=「事業継続計画」のことです。コロナに限らず、災害やテロなどの危機が発生した際に、行政や企業がそれでも一定レベルの業務を維持していくために、何を削って何を残すか、どうやって復旧していくかなど、あらかじめシミュレーションしておくための計画です。岸田総理は17日の施政方針演説で「感染を抑えるためだけでなく、BCP計画遂行、社会活動維持のために、テレワークを積極的に活用していただくようお願いいたします。」と呼びかけました。小池都知事も12日、経団連や東京商工会議所などの経済団体に対して、1割を超える従業員の欠勤を前提としたBCPの点検、テレワークの積極活用、などを要請しています。
ユージ:BCP、なぜそれほど大切なのでしょうか?
神庭さん:感染が拡大したニューヨークでは、人手不足でお店の棚がガラガラになってしまったり、地下鉄が運休になったりといった影響が出ました。一時は、消防局の職員の3割が出勤できなくなったと報じられています。アメリカは、新規感染者が100万人を超えています。ここまで広がってしまうと、たとえ厳しい経済制限をかけなくても、エッセンシャルワーカーの欠勤で結局、社会活動がマヒし始めてしまいます。こうした事態を防ぐ意味でも、事前にBCPを策定して、仮に1割~2割欠勤になっても、最低限これぐらいはできます、という見通しを立てておく必要があります。たとえば東京の杉並区では、BCPに基づいて、保健所業務が大変になったら、図書館とか博物館から人手を回すということを決めていたり、イオンもとにかく食品売場を維持する事が大切なので、その為にそれ以外の部署から緊急時に人手を回しましょうという計画を立てています。
吉田:実際、BCPの準備は進んでいるのでしょうか?
神庭さん:帝国データバンクのアンケート調査によると、感染急拡大をきっかけに、28.7%の企業がBCPを策定する意向を示しました。一方、策定する予定がない企業も24.3%あります。「人員不足のため、策定および対応が出来ない」という声も出ていて、そもそもBCPを策定する人的・時間的な余裕もない、という厳しい現実が浮かび上がりました。すでにBCPを策定している企業でも、災害対応などが中心で、コロナ仕様になっていない会社もあると思いますし、そういった企業は、BCPの点検、アップデートが必要になります。
吉田:まん延防止と経済の両立、難しい問題ですが、神庭さんはどうお考えですか?
神庭さん:「BCPつくっといてね、あとはヨロシク!」ではなく、政府側にもできることがあります。政府は先日、オミクロンの濃厚接触者について待機期間を14日間から10日間に短縮することを決めました。(※エッセンシャルワーカーの場合は検査陰性なら最短6日)日経新聞によると、濃厚接触者の隔離は、アメリカだと5日、イギリスはワクチン2回接種なら隔離不要の状態です。隔離なしは極端ですが、日本も、もう少し日数を縮められないかどうか。オミクロンは感染から発症までの潜伏期間が平均3日ほどで、従来型の5日ほどに比べると短いと言われています。陽性者に関しても、隔離期間は原則10日となっていますが、科学的な知見に基づいて、短縮する余地がないか、検討しても良いと思います。感染拡大を防ぎつつ、社会機能のパンクを避ける、バランスの取れた対応が必要です。
ユージ:ここら辺の感覚はこれまでと違うところだと思いますし、ただ抑えるだけではなく、経済もどう回していくかっていうのが今回のポイントになりそうですね。
神庭さん:基礎問題をやってきて、今回は応用問題という感じになりますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2022
「まん延防止等重点措置、経済との両立を考える」
まん延防止等重点措置の適用範囲が1都12県に正式決定しました。番組では、社会活動を維持していく為のBCP、日本語で事業継続計画について触れました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2022
例えば、従業員が1人欠けてしまった時にお店が回らなくなってしまう。それだと困ります。そのため、このBCPというものを準備しておきましょうという事でした。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2022
具体的な例だと、「イオン」は生活に欠かせない食品売り場の維持を最優先とするといっています。もし、人手が足りなくなった場合、他の売り場の従業員の方が応援に回るそうです。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2022
今回は、これまでの経験を踏まえて、制限するだけでなく経済を回して行こうという考え方になっていますので、皆さんもぜひBCPという言葉を覚えていただけたら嬉しいです。#ワンモ
※参考
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2022
今朝のAuDee JUDGE「あなたの職場では、メンバーが1人かけるとどうなりますか? 」の結果、
「回らなくなる」という選択肢が最も多い答えでした。
結果はこちら??https://t.co/wNTe10VVmf#ワンモ #ユジコメ