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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.01.19

新型コロナの扱い、「5類」への引き下げを求める声
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『新型コロナの扱い、「5類」への引き下げを求める声』


吉田:新型コロナウイルスの感染症法上の扱いについて、結核などと同じで危険度が5段階で2番目に高い『2類相当』としている現在の扱いを、季節性のインフルエンザと同じで危険度が最も低い『5類』へ引き下げることを求める声があがっています。東京都の小池知事は先週木曜、今後の専門家の知見次第では、『5類』への引き下げも含め、検討するよう国に求めました。日本維新の会は、オミクロン株は重症化率が低いというデータが出ていることなどを受け、『5類』に引き下げることなどを政府に要望しています。
神庭さん、『5類』に引き下げると、今の新型コロナウイルスへの対応がどう変わるのか、改めて教えてください


神庭さん:昨日も少し触れましたけれども、今日はもう少し詳しく掘り下げたいと思います。新型コロナは、感染症法の分類でいうと、2番目に危険度の高い『2類』に相当する措置が取られていて、結核とかSARSなどに準じた扱いなんですね。知事の判断で入院勧告であるとか、就業制限もできます。今、“2類相当”と言いましたけれども、一部はですね、エボラ出血熱やペストなど『1類』並みの部分もあって、例えば、無症状者であっても入院勧告の対象となるとか、あとは、外出自粛要請については1類にもない部分で、ある意味“1類以上”とも言えるんですね。ウイルス感染の拡大を防ぐための厳格な措置なので、医療機関とか保健所の側からすると負荷が大きいということで、これに対して、季節性インフルエンザと同じ『5類』に引き下げようという声も出ていて、こうした声自体は前からあったんですけれども、オミクロン株がデルタ株に比べて重症化リスクが低いことがわかってきて、最近また議論が活発化していると。その口火を切ったのは、安倍元総理で、読売新聞の年明けのインタビュー記事でですね、「オミクロン株への警戒は必要ですが、薬やワクチンで重症化を防げるならば、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ『5類』として扱う手はあります」というふうに主張しました。先ほど吉田さんが言ってくれたように、小池都知事とか維新もですね、5類引き下げに前向きな発信をしているんですね。


ユージ:実際に『5類に引き下げる』と具体的にはどうなるんですか?


神庭さん:5類というのは、最も危険度が低い分類で、インフルエンザとか百日咳、はしかと同じカテゴリーなんですね。2類だとすべての感染事例を把握して、診断後すぐに報告しないといけないんですけれど、5類であれば対象を限った定点調査でよくって、届出も7日以内で済むんですね。医療機関とか保健所の側からすると負担は劇的に軽くなるという部分があるんですね。メリットの一方でデメリットもあって、感染状況をリアルタイムで詳細に把握することができなくなり、加えて、入院勧告とか外出自粛要請もできないということなんですよね。また、これも大事なんですけど、原則として医療費の3割が患者負担になっちゃうと。「3割ぐらい大したことないでしょ」と思うかもしれないですけど、コロナ治療の飲み薬は約8万円なんですよね。8万円ということは、3割でも2万4000円になるんですね。負担を嫌がって受診を避ける人が出てこないと良いなというのはありますよね。岸田総理は「感染が急拡大している状況の中で、分類を変更することは、たちまちは現実的ではないのではないか」というふうに話して、現段階での5類引き下げに否定的な姿勢を示しています。


吉田:一方で海外に目を向けてみますと、ヨーロッパでは、新型コロナウイルスに関してインフルエンザ並みの『エンデミック』として扱うことを検討する動きも出ているということなんですよね。


神庭さん:世界的な感染爆発を意味する『パンデミック』に対して、『エンデミック』というのはですね、一定の地域で普段から継続的に病気が発生することなんですね。季節性インフルエンザはまさにエンデミックに該当するんですけれども、日経新聞によると、スペインのサンチェス首相は10日、現地メディアの取材に「次の段階はコロナをインフルエンザのようにとらえることだ。コロナがパンデミックからエンデミックの病気に変わったか評価する必要がある」というふうに語りました。一方で、WHOの幹部は記者会見で「不確実なことが多くある。エンデミックと呼べる段階には入っていない」ということで慎重な見方をしているんですね。


ユージ:最近、“2類から5類への引き下げ”という案を言葉の会話ベースで聞くことが多くなってきたんですけど、神庭さんはどうですか?5類引き下げについてはどのようにお考えですか?


神庭さん:少なくとも、デルタ株が流行していた去年までの段階では、2類から5類への引き下げは時期尚早だろうなと考えていたんですね。ただ、デルタ株に比べればオミクロン株の重症化リスクは「どうやら低そうだぞ」という情報が出てきたことで、引き下げについて“議論”、話し合うということをスタートする環境が徐々に整ってきたのかなという感じはしています。ただ、じゃあ今、この状況からですね、「第6波から5類でいきましょう!」というのは、さすがに現実的ではないかな、難しかなと思っていて、かえって混乱しちゃうんじゃないかなと。オミクロン株で変異が打ち止めという保証はどこにもなくて、今後さらなる変異ウイルスが襲ってくる可能性もあるわけですからね。


ユージ:そうなんですよね。


神庭さん:2類相当と言いつつですね、現状でもかなり弾力的な運用はしていて、例えば、条文上は、都道府県知事は無症状者や軽症者への入院勧告を法的には“できる”。できるというこは、できるんだけれども、全員入院させたら医療機関がパンクしちゃうので、実際には宿泊施設とか自宅での療養もOKにしているわけですよ。だから、“できる”けど、あえて“しない”という、悪く言えば、『曖昧』、『なし崩し』かもしれないんですけれども、よく言えば、『柔軟な対応』をしてしのいでるという見方もできるんですね。なので、次の波に向けて議論は始めつつ、少なくとも第6波は2類相当で様子を見るのが良いんじゃないかなと僕は思っています。



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