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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.01.06

2022年景気、主要企業は84%が拡大予想
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『2022年景気、主要企業は84%が拡大予想』



吉田:共同通信社が2日にまとめた、主要企業106社に実施したアンケートの結果を見てみますと、2022年の国内景気を“拡大傾向”と見込んだ企業は84%となり、過去5年の『年の初めのまとめ』と比べて、最も高かったことが分かりました。その理由の一つとして、個人消費が上向くと予想されています。


ユージ:神庭さん、この調査について詳しく教えていただけますか?


神庭さん:共同通信の調査では、主要企業106社のうち89社が景気の見通しについて、「緩やかに拡大」または「拡大」すると答えたんですね。複数回答の理由はですね、「個人消費の回復」の91%がトップで、「コロナ収束」が64%、「設備投資の回復」35%、「アメリカ経済の改善」19%と続きました。一方で、13社が今年の景気を「横ばい」と回答していて、理由としては、「コロナ対策はまだ十分ではなく、経済がコロナ前の水準に戻るには時間がかかる」といった声があがっています。


ユージ:「景気拡大が予想される」という結果なんですけど、ネット上ではどんな反応ですか?


神庭さん:この調査結果に対してネット上ではですね、「コロナで落ち込んだものが元に戻るだけで増えるわけではないでしょ」とか、「給料が上がらないのに、なんで消費が増えるの?」といった疑問の声も出ているんですね。『K字型経済』と言われるように、元気な業種とそうではない業種が大きく分かれていますし、この調査はあくまでも“主要”106社が対象であって、“中小企業”だけに聞けば、また違った回答になってくる可能性もありますよね。


ユージ:確かにそうかもしれないですね。どうですか、実際に景気は回復するんでしょうか?


神庭さん:もちろんそうなってほしい期待はあるんですけど、この調査結果はやや楽観的な感じもしているので、期待と分析は切り離して、冷静に最悪のシナリオも想定しておいた方がいいと思うので、ここではあえて、『景気回復を阻む3つの懸念材料』を紹介したいと思います。


吉田:では、『3つの懸念』、1つ目から教えてください。


神庭さん:まず1つ目は、やっぱり、『オミクロン株の流行』ですよね。共同通信の調査は、去年11月中旬~12月上旬に実施しているもので、この段階ではオミクロン株については、まだよくわかっていませんでした。国内初の市中感染が確認されたのが12月22日で、ヨーロッパで数十万人とか、アメリカで100万人というような話が出てきたのは、つい最近のことですから、調査の時点では、企業側も変異株のリスクをまだ十分に織り込んでいなかったはずなんですよね。デルタ株に比べて重症化リスクは低いと言われていますけど、10万、100万というオーダーで分母が増えると、分子にあたる重症者とか死亡者の実数もやっぱり増えてしまいますし、病床がひっ迫すれば、再び行動制限が課される可能性もあります。実際、沖縄では、まん延防止等重点措置をとる動きになってしまいましたし、緊急事態宣言も視野に入っているということで、オミクロン株や、さらなる変異株の動向というのが景気の最大の下振れリスクになるんじゃないかなと思いますね。


吉田:では、2つ目の懸念点は何でしょうか?


神庭さん:これは、ずばり、『インフレ』です。世界的なインフレの波は、日本にも押し寄せています。電気代からガス代、食品まで、あらゆるものが値上がりしていますよね。11月の消費者物価指数は、前年の同じ月と比べて0.6%の上昇。「大したことないじゃん!」と思うかもしれないですけど、政策的な影響が大きい携帯電話の通信料の引き下げ分を除くと、2%を超えるとみられていて、インフレの要因はいくつかあるんですけど、1つは『供給制約』といって、経済活動の再開に伴って急激に需要が増えているのに、生産とか流通が追いつかないでボトルネックになっているということです。これは、オミクロン株が流行して、経済活動が停滞すると、逆に落ち着く可能性もあります。もう1つは、『グリーンフレーション』。気候変動対策で、エネルギーのグリーン化を進めていく過程で、過渡期的に液化天然ガス(LNG)の需要が高まって、高騰してしまう。資源高、エネルギー高になっていくということですね。これは電気代とかにダイレクトに跳ね返ってきちゃいますよね。そして『円安』もインフレ要因で、日米の金利差が広がっていることを受けて、昨日の東京市場では、1ドル116円台と5年ぶりの円安水準になりましたけれども、円安が進めば、今まで100円で買えていた輸入品を110円出さないと買えなくなります。物価が上がって、給料も上がれば、景気拡大に向けた好循環が生まれるんですけれども、賃金はそのままで物価だけ上昇していくパターンになると、『スタグフレーション』、つまり悪いインフレになってしまう可能性もあるんですよね。


吉田:では最後、3つ目の懸念ポイントは何でしょうか?


神庭さん:これは、『チャイナリスク』です。『新冷戦』とも言われる米中対立が激化すると、必然的に日本も巻き込まれていくことになります。アメリカは、ウイグル問題で中国への圧力を強めていて、最近、中国企業8社への投資を禁止しました。今後、制裁合戦のようなことが起きて、日本企業が『踏み絵』を迫られるような事態もあるかもしれないんですよね。あともう1つ気になるのが、『中国の不動産大手「恒大集団」の経営危機』です。中国は『共同富裕』、「みんなで豊かになろう!」というスローガンを掲げていて、不動産市場への締め付けを強化しているんですね。当局が事態をコントロールできているうちはいいんですけれども、住宅価格の低下に歯止めがかからなくなってしまって、「不動産バブルが崩壊してしまった…」ということになると、世界経済にも甚大な影響が出てしまうということなんです。
今、3つ暗い話ばかりしてしまいましたけれども、楽観論に偏ってしまって、お花畑をスキップしていたら、実は地雷が埋まっていたみたいなことがあるといけないので、楽観論、悲観論、バランスよく摂取しておくのがいいのかなという思いで、いざという時に備えてですね、こういったお話をさせていただきました。


ユージ:そうですよね、主要企業106社に聞いた回答ですからね、景気が上がっているというのはね。ちょっと広い目を持った方がいいかもしれないということですね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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