22.01.04
2030年の冬のオリンピック、本命は札幌市

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『2030年の冬のオリンピック、本命は札幌市』
ユージ:今日で北京オリンピックまであと 1ヶ月となりますが、今回は、招致を目指す、札幌オリンピックについてです。
吉田:札幌市が招致を目指す、2030年の冬のオリンピックを巡って、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長らと日本側が、去年12月に今後の開催地選定の日程などについて、水面下で協議していたことがわかりました。 IOCによる候補地の一本化の時期は、今年の夏から冬ごろと見込まれています。札幌は、開催実績や運営能力への評価が高く本命視されており、今年中に事実上、“開催が内定する可能性もある”ということです。
神庭さん、札幌が有力ということなんですが、これは本当なのでしょうか?
神庭さん:はい、有力視されているのは確かです。1972年に一度開催してますし、既存の設備を使えるというアドバンテージがあるんですよね。毎日新聞の報道によると、バッハ会長もですね、「札幌には事実上、全てがそろっている」というふうに言っているという事なので、これはもう有力ということじゃないかなと思います。
吉田:札幌市民の皆さんはどう思ってるんでしょうかね?
神庭さん:賛否は拮抗しているんですね。北海道新聞の世論調査だと、2014年の段階では賛成派が7割近くを占めていたんですけれども、昨年4月の調査では、「賛成」・「どちらかといえば賛成」が計48%にとどまったのに対して、「反対」・「どちらかといえば反対」が50%で逆転して、徐々にしぼんできているという部分があります。賛成する理由というのはですね、「経済が活性化する」というのが多くて63%、あとは、「子供に夢を与えられる」が22%というふうに続いていて、一方、反対の理由としては、「他にもっと大事な施策がある」というのが最も多い51%、「招致活動や施設の整備、維持にお金がかかる」が34%を占めたんですね。やっぱり、お金に関しては、心配されるところだと思うんですけれども、共同通信のまとめによると、札幌市が試算している『五輪開催経費』は2016年の段階では4537億円でした。それが、2019年には3100億円、昨年11月末に2800億円~3000億円ということで、バーゲンセールみたいにどんどん安くなっているんですね。『五輪後に使われない可能性の高い仮設施設は建てない』とか、『会場の建て替えをやめて改修にとどめる』といった対応をとることによって経費を圧縮して、こうした費用は、チケット収入とかスポンサーからの収入で賄って、“税金は投入しない”ということです。
ユージ:こう聞いていると、なるほど!という気もするんですけど、そんなにうまく運びますかね?
神庭さん:ここはですね、過去の事例が参考になると思います。1998年の長野五輪に関して言うと、長野市は総額694億円を借り入て、これを返し終えるのにですね、2018年度まで20年もかかっているんですね。ボブスレーとかリュージュの会場として有名になった『スパイラル』も年間2億2千万円の維持管理費がかかるということで、2018年から氷を張るのをやめて、競技会場としては休止状態になってしまっているということなんですよね。あとは、東京オリンピック・パラリンピックもですね、開催経費は現段階で1兆4530億円といわれていて、予算と比べると1900億円下回る見通しなんですけれども、「安くできて良かったね!」という話ではなくて、無観客になったことで、たまたま、警備費・輸送費が圧縮されただけで、多少減ったとは言っても、東京都が6248億円、国は1939億円と決して安くない額を負担することになります。そもそも招致段階では、『コンパクト五輪』と言っていたんですよね。経費も7340億円で済むと言っていたのに、そこから比べると2倍に増えちゃっていて、どんぶり勘定にもほどがあるんじゃないかなと思います。加えて、開催に際して東京都は1400億円かけて、6つの競技会場を建設したんですけれども、このうち黒字になりそうなのは有明アリーナだけで、残りの5施設は年間で合計10億円以上の赤字になる見通しなんですね。こういった『負のレガシー』にもしっかり目を向ける必要があるのかなと思いますね。
吉田:有力視されている札幌オリンピックですけれども、札幌市民の方も賛否は別れているようですし、私たちはどう考えるべきなんでしょうか?
神庭さん:私もスポーツの国際大会を取材したことがありますけれども、やっぱり、招致時にはいいことだけ言って、後から雪だるま式に経費が膨らんで、それで、批判を集めてしまう。なんて言うか…、言ってみれば『ぼったくりバー』みたいな構図が至るところで繰り返されてきたわけですよね。五輪の経費は明朗会計であるべきだと思いますから、過去の轍を踏んではいけないと思いますし、札幌市は招致段階で経費をディスカウントして、「ほら、こんなに安くできますよ~」とアピールしているんですけど、僕はこれは、逆じゃないかな?と思っていて、これからインフレで色々と費用が高騰するかもしれないし、競技によってはチケットが売れない可能性もあるわけじゃないですか、そうした負の要因も考慮したうえで、「最悪のシナリオだと、これぐらい費用がかかってしまうかもしれません」という試算を見せてほしいなと思います。そのうえで、「お金はかかるし、赤字になるかもしれないけど、それでも、これだけのレガシーがあるから、やる意義があるんです!」というふうに、正直に説明してもらって、そこから考えていきたいなと思いますよね。
ユージ:本当にそう思います。
神庭さん:あと、東京オリンピックの時は、『開催都市契約』が本当に不平等条約と言われるくらい一方的な内容で、「やめた場合に違約金が発生するんじゃないの?」みたいな話もあったりしたじゃないですか。コロナのみたいな不測の事態が起きたときに、開催都市とか国の判断で、いつでも修正できるような契約にすべきだと思いますし、そこは、「五輪を開催してあげる」ぐらいの強気なポジションで交渉をしてもいいんじゃないかなと思いますね。
ユージ:いいと思いますよ、それくらいでね。開催は、僕個人的にはできたらいいなと思いますけど、開催した時のメリットというのをどう伝えられるかというのが、ここから重要になってくると思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2022
「2030年の冬のオリンピック、本命は札幌市」について
去年、東京オリンピックがありました。
そんな中、次の冬のオリンピックが札幌市で開催されるかもしれない。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2022
皆さんがどう受け取るのかが重要です。
札幌市民の皆さんの意見はもちろん、日本国民の意見は分かれると思います。
僕は、東京オリンピックは開催することが出来て良かったと思います。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2022
ただ、お金の面でどんどん膨らんでいき、大丈夫なの?と思うところもあったので、個人的には開催して欲しいですが、
お金の面で札幌市を苦しませることになることは、避けて頂きたいと思います。#ワンモ