21.12.15
どうなるコロナ第6波!?いま、知っておきたい可能性と対策

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただくテーマはこちら!
『どうなるコロナ第6波!?いま、知っておきたい可能性と対策』
吉田:今日は、『どうなるコロナ第6波!?いま、知っておきたい可能性と対策』をテーマに第5波で問題となった『幽霊病床』を取り上げます。コロナ病床と申告しておきながら、実際は患者を受け入れていない、いわゆる、『幽霊病床』が、新型コロナウイルスの第5波で問題となりました。この『幽霊病床』、なぜ、出てしまったのでしょうか?医療経済学がご専門の学習院大学教授、鈴木亘さんにお話を伺いました。
鈴木さん:厚生労働省の公式見解としては、コロナの患者が増えてもですね、まずは、いろんな病床は一般のコロナ以外の患者が入院していましたので、その人たちを退院させるまでに時間がかかると。なのでコロナ病床を引き受けるまでに時間がかかるというのが公式見解ですよね。ですけれども、実際のところはですね、もとから受け入れる気がなかったというような病床もかなりあったかと思われます。この原因は何かということなんですが、一つはですね、病院の方がこれは一種の既得権益だと。つまり、いろいろ赤字が発生しているわけですけれどもコロナで患者が減ってですね。その赤字補てんとして、国とか都道府県が赤字補てんの政策をしてくれたんだという意識がどうもあったというふうに聞いております。それからもう一つはですね、病床を確保する責任は都道府県にあるわけですが、実際にコロナの病床を確保して、現場のいろんな取り仕切りをするのは基礎自治体のレベルなんですね。ですので、都道府県がちょっと責任があまり重くないということで、数字合わせに終始したということで、実際には機能しない病床までコロナ病床として数字としてあげていたということに原因があると思います。
ユージ:神庭さんは、『幽霊病床』について、どのような印象を持たれていますか?
神庭さん:補助金をもらっていたのに患者を受け入れないというパターンは言語道断ですよね。一応補足していくと、鈴木さんがおっしゃっていた『基礎自治体』というのは市区町村のことで、市区町村まかせで、都道府県が病床の実態をきちんと把握できていなかったとしたら問題だと思います。一方で、こうした制度の欠陥とか機能不全と現場の医療従事者の皆さんのことは切り分けて考えないといけなくて、コロナ禍で身を削って尽力してきた医療従事者の皆さんに対して、「どうせ私腹を肥やしていたんだろう」みたいな雑な批判というか、変なバッシングを生まないように気を付けたいところですよね。
吉田:第5波を教訓にこの冬にも来ると言われる『第6波』で、『幽霊病床』を出さないためには、どのような対策が必要なのでしょうか?鈴木教授は“2つ重要なことがある”とお話しされています。
鈴木さん:私は2つのことが重要だと思っておりまして。まずはですね、コロナの最前線に立ち向かっている、最前線の行政というのが基礎自治体なんですね。基礎自治体が自分のエリアの中の大病院にコロナの患者を集約して、大病院に入っている他の患者を中小病院に移してというような調整を行っているわけですけれども、彼らにコロナ病床を確保するためのいろんな政策だとか補助金の裁量権を与えると、実際にお金を動かす人間が責任をもって病床を確保しようとしますので、嘘がつけないわけですよね。
もう一点、重要なのが何かというと『見える化』をするということですね。基礎自治体で進んでいるところはですね、行政が一種の司会役をやって、地域内のいろんな病院と日々、連絡をとりあって、お互いの病院にどれくらい病床があって、どういう患者がいて、いつどう移せばいいのかということをお互いにみんなで見える状況にしているんですね。そういうことをしていると、お互いに嘘がつけませんよね。実際に私がいろいろヒアリングしている杉並区とかですね、墨田区というのは、もうみんなお互いの病院の状況を完全に分かっているという状況になりますので、幽霊病床などが生まれる余地がないんですね。こういう状況を作り出すことが重要だと思います。
ユージ:神庭さんは、第6波で幽霊病床を出さないためには、どのような対策が必要だと思われますか?
神庭さん:『幽霊病床』というのは、『使えるはずの病床』に対して『実際に機能する病床』が少ないという、いわゆる、分母と分子の2つの問題から起こっているんですね。まず分母についていうと、『使えるはずの病床』を実際よりも過大に見積もっていたのではないかと。行政が病院に対して「とにかく数字を積み上げろ」とプレッシャーをかけて、実際には機能しないような病床まで“使えるはず”にカウントしちゃったと。この分母を適正な数値に補正するには、鈴木さんのおっしゃるような『見える化』が欠かせないと思うんですよね。もう一方の分子の方なんですけれども、『機能する病床』ということでいうとですね、やっぱり、アメとムチのバランスが大事じゃないかなと。補助金というアメを出す以上は、きちんと患者さんを受け入れて欲しいですし、それができないというのであれば、病院名の公表であるとか、「じゃあ、すいません補助金返してください」であるとか、そういったムチも必要となってくると思うんですよね。また、仮にベッドが空いていたとしても、それをもって病床数が空いていることとイコールではなくて、肝心要の医療従事者の方がいなければ受け入れはできないわけですよね。
ユージ:そうですよね。
神庭さん:なのでアメというときには、単にお金をばらまくだけではなく、人的支援であるとか、人繰りなど、そういった手当も必要になってくるのではないかなと。こういった調整で分母と分子の差を小さくして、縮めていって、あとは、大病院と中小病院のあいだでの役割分担を進めていくことが大切になってくるんじゃないかなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 15, 2021
しかし、お金を受け取っているのにもかかわらず、患者を受け入れていなかった、もしくは受け入れていたがベッドの余りがあったという状況がありました。行き場に困った患者についても報道されていましたが、そういうことが起こらないようにするにはどうすればいいのか。
#ワンモ #ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 15, 2021
それが難しいのであれば、国がチェックする必要もありますし、助成金の審査を厳しくするなど、様々な方法が考えられます。第6波が来てこのようなことがあった時に、速やかに対応するために、国・自治体・病院の連携をもっとスマートに取れるようになると良いなと思いました。