21.12.14
10万円の給付、現金とクーポンを巡る混乱

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『10万円の給付、現金とクーポンを巡る混乱』
吉田:岸田総理は昨日の衆議院予算委員会で18歳以下の子どもへの合計10万円相当給付について、年内の現金一括給付容認へ転換する方針を表明しました。
神庭さん、昨日の総理の発言は自治体などから批判が相次いだのを受けてのもののようなんですが、政府は、現金5万円と子育て用品に使えるクーポン5万円分に分けて配る方式を基本としているようですけれども、なかなか混乱しているようですね。
神庭さん:そうですね。岸田総理は昨日の予算委員会で「自治体の判断で地域の実情に応じ、年内からでも10万円の現金を一括で給付することも選択肢の一つとしてぜひ加えたい」というふうにおっしゃいました。『選択肢の一つ』ってなんなのかな?みたいな。「今日の晩御飯何にする?」、「ラーメンも選択肢の一つですね」って言われたら、おいおい…ってなると思うんですけれども、これが『決めない力』なのかもしれませんが、選択して決断するのが政治の責任ですからね、「お好きなものをどうぞ」っていうのは、結局、丸投げと変わらないんじゃないかなと思いますし、与党は“スピーディーな給付”と繰り返していたわけですけれども、一括給付に否定的だった姿勢を変えたことに関して、「より良い制度設計を行うことにした結果だ」と言っていましたけども、今さらこんな悠長なことで迅速な給付が実現できるのかなというのはちょっと疑問ですね。
吉田:さて、ここで神庭さんが用意したクイズです。ユージさん答えて下さい。
今から新聞の記事の一部を読み上げます。何についての記事でしょうか?
《「国税で賄われるものは国が明確な基準を示すべき。与党では決められずに、市町村に丸投げするとはとんでもない話だ」。岐阜市の幹部は憤りを隠さない。生活圏が同じ地域にある自治体ごとで判断が分かれれば、住民が不公平感を抱くのは確実だ》
ユージ:うん、なるほど…、これはもう、どう考えても、今回の給付金に関する記事かなと思いますけど、クイズにしてるってことは何かあるってことですよね!?
神庭さん:さすが鋭いですね!実はこれ、2008年11月の読売新聞の記事なんですね。当時の麻生政権が国民1人あたり1万2000円の定額給付金を配ろうとしていて、ただ、所得制限の基準を与党間で決めきれず、結局、自治体に丸投げしちゃったんですよね。まるで今の記事かな?と思うような内容なんですけれどもね。
ユージ:違うんですよね、2008年の記事なんですよね。
神庭さん:そう、2008年の話なんですよ。14年前と同じようなことを繰り返しているように見えるんですけれども、ちなみに、給付金をめぐる迷走もあって、麻生政権は支持率が下がってしまって、最終的に2009年、自民党は下野してますから、お金配り系の政策は結構『鬼門』で、うまくやると人気とりになるんですけど、しっぺ返しもあるということなんですよね。
吉田:今回のクーポンには、どんなメリット・デメリットが考えられますか?
神庭さん:政府側からすれば、貯蓄ではなく消費にお金を回してほしいので、貯金せずに使ってもらえるかも?というのがメリットと言えばメリットですね。“かも?”と言ったのは、あらかじめ買おうと思ってたものにクーポンをあてて、その分を貯金に回せば、結局、同じことになっちゃうということなんですよね。デメリットはですね、事務経費が余計にたくさんかかることですね。クーポンにすることで967億円もの追加コストが発生するというふうにみられていて、これはもう、全くの無駄ですよね。クーポンの印刷だけではなくて、各地方ごとに対象商品をセレクトしたり、サイトをつくったりということで、無駄な作業が発生するということになってしまいます。
吉田:それでも政府がクーポンにこだわる理由、これはいったい何なんでしょうか?
神庭さん:事務経費が発生するということは、それで潤う人たちもいるということですよね。地域振興という意味もあったんだと思います。あとはいま言ったようにですね、「どうせ貯金に回るだけ!」とか、「バラマキでしょ?」という批判を少しでもかわしたい、薄めたいというのもあると思うんですよね。事務経費を削減するんだったら、本来であれば2回に分けないで、10万円を現金一括で支給するのが一番効率がいいわけですよ、それは、みんながわかっていたことなんですね。ただ一方で、当初政府がなんて言っていたかというと、「来年6月末までにクーポンの給付を開始することができない見込みである場合に限り、現金給付を可とする」というふうに言っていたんですよね。これは与党側の本音が透けて見えるなと思っていて、なぜかと言うと、参院選の投開票日って、来年の7月10日が有力視されているんです。大阪の松井市長が「年内に一括給付したい」と言ったときに、「いやそれはやめてくれ」というようなことがあって、引っ込めたという話があったんですけど、年内にさっと配られても困っちゃうし、逆に、参院選挙のあとに配られても困っちゃうと…。要は、早くお金を配りすぎて選挙の頃にすっかり忘れられていても困るし、選挙が終わってからクーポンが届いても困るということで、選挙前の“ちょうどいい時期”にクーポンを配って、「ありがとう」という気持ちで投票所に行って欲しかったのかな?というふうにちょっと邪推してしまいますよね。
ユージ:う~ん、そうですよね。2回に分けて配るんだったら…っていうこともあるし、いろいろ気になるポイントがありますよね。年内に実現というのも引っかかる問題で、年内ってもう1か月もないですよね。
神庭さん:全然、時間ないですよね。逆に、年内が当たり前というふうに国民が思っちゃったら、自治体は、「えっ?なんでうちには年内に届かないの?○○市は届いているのに…」みたいなことで、そこで軋轢が起きて、また、混乱が生じるということもあるわけですよね。
ユージ:大事にするべきポイントが、スピード感なのか?それとも、中身なのか?その辺も気になる注目ポイントですね。
神庭さん:そうですね。景気対策なのか、子育て支援なのか、何もはっきりしない状況で走り出しちゃったから、こういう混乱が生じているんですよね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2021
「10万円の給付、 現金とクーポンを巡る混乱」について
衆議院予算委員会で、
18歳以下の子供への合計10万円相当の給付について、
年内に現金一括給付を認める方針を表明しました。
要は、選択肢が増えたという形です。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2021
現金5万円&5万円分クーポンではなく、一括10万円という選択肢を増やし、
「皆さん選んでね」だと、”これじゃ丸投げじゃないか”という意見があるそう。?僕が良いなと思ったのが、国民と共に意見を聞きつつ進めていくことが大事な力だと思うので、バランスが重要だと思います。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2021
?もう一つ、現金で5万円払ったとして、そこにかかる事務費が280億円近くかかると言われていて、5万円分クーポン配るとなると900億円かかるそう。
どうせ現金にするなら、一括10万円
それか、現金5万円+クーポン5万円をブレずに通す。
どちらかにしたら良いと思います。
#ワンモ