21.12.08
オミクロン株、市中感染を抑えるために必要な対策

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『オミクロン株、市中感染を抑えるために必要な対策』
吉田:世界各地で、新型コロナウイルスの『オミクロン株』の感染が広がる中、日本では、市中感染を抑えるための対策が行われています。
神庭さん、オミクロン株の市中感染を抑えるためには、オミクロン株かどうかを調べる検査が重要だと言われていますよね?
神庭さん:はい、そうなんです。感染拡大を防ぐには、まず“敵”が何者なのかを知らないといけないですよね。オミクロン型は既に50ヶ国以上の国や地域で感染が確認されていて、デンマークでは398件も出ています。岸田政権の迅速な水際対策の強化は評価できるんですけれども、水際に“100%の完全”というのはあり得ないんですね、原理的に。なので、既にすり抜けて入ってきている可能性も念頭に置いておかないといけないと思います。国内のモニタリング体制を強化して、コロナ感染で陽性になった人がオミクロンなのか?デルタなのか?迅速に調べられるようにしておく必要があるんじゃないかなと思いますね。
吉田:新型コロナウイルスの感染者がオミクロン株かどうか、こちらはどうやって調べているんですか?
神庭さん:大きく2段階あります。第1段階は、『スクリーニング検査』といって、デルタ型には『L452R』という特徴的な変異があるんですけれども、オミクロン型にはないんですね。新型コロナ陽性者に対してPCR検査でL452Rの変異が確認できなければ、オミクロンの疑いが高まり、そこで、第2段階として、コロナ陽性だけどデルタ陰性のウイルスについて、『ゲノム解析』をしてオミクロンかどうか特定します。問題はですね、ゲノム解析をできる施設が、国立感染症研究所などに限られているということで、検体を取って、輸送して、そこから解析をして…とやっていると、最終的な判定が出るまでにどうしても数日間はかかってしまうんですね。
ユージ:水際対策の話はありますけれども、オミクロン株の市中感染を抑えるためには、日本ではどういう対策がとられているんですか?
神庭さん:岸田総理は、検査で新型コロナ陽性とわかった国内のすべての人に対して、併せてオミクロンかどうかの検査もする方針を表明してします。国内のウイルスのほとんどがデルタに置き換わっちゃったので、実は、第1段階のスクリーニング検査は10月に一旦終了したんですね。それを、オミクロン対応で厚労省が今月2日付で再開するように通知をしています。先ほど説明したように、これは本来デルタかどうかを判別する検査で、それをオミクロンに応用したものなので、あくまでも暫定的な対応なんですけれども、朝日新聞によると、『ミクロンのためのスクリーニング検査』を国立感染症研究所が開発しているということです。
一つ朗報があってですね、東京都は3日にオミクロンかどうかを判別するための新たなPCR検査の手法を確立したと発表しました。東京都健康安全研究センターが独自に編み出したやり方で、オミクロンだと確定するところまではできないんですけれども、ゲノム解析に回す検体をより効率的に絞り込むことができるようになったということです。クラスター発生とかで大量の検体を検査しないとならない場合などに作業の効率化が期待できるんじゃないかなと思います。
ユージ:神庭さんご自身は、オミクロン株の市中感染を抑えるためにはどういう対策が必要だと思いますか?
神庭さん:過去の変異型ウイルスの流行を振り返ると、いかに徹底した水際対策もいつかは決壊すると考えておいた方がいいと思うんですよね。その“いつか”をいかに遅らせるかが大事で、今のような少ない感染者数を維持できていれば感染ルートをたどりやすくなりますし、クラスターも潰しやすいですよね。この状態をできるだけ長くキープできるようにより迅速な検査体制を確立する必要があると思います。そうやって時間稼ぎをしている間に、並行して3回目のブースター接種を進めていったり、あるいは、病床が逼迫しないように医療体制を強化するとか、第6波に向けた備えを着々と進めていく必要があると思いますね。
政府はこれまでブースターの接種間隔について、「2回目から原則8ヶ月あけてください」と言ってたんですけれども、先日の所信表明で岸田総理が「8ヶ月を待たずにできる限り前倒しをします」と宣言しましたよね。これは、いいことだと思います。あと、後藤厚生労働大臣は、全国で約3万7千人が入院できるように病床を確保したとも発表しました。これは、第5波のピークと比べると3割増の水準なんですね。過去の教訓を生かして先手、先手で動けているのは非常にいいことだと思います。
ユージ:「準備は出来てますよ」ってことですよね?
神庭さん:そうですね。ただ、数字だけの幽霊病床にならないように、その点もしっかりチェックしてほしいなというふうにも思います。あとは、個人レベルで何ができるんですか?というと、これは難しいですよね…。今までと変わらないんですよね。『マスク』と『手洗い』、『無用な密を避ける』とか、これに尽きるんですよね。ここ最近の放送でも説明してきましたけれども、オミクロン株の感染力とか重症化リスク、ワクチンの有効性などは、まだまだわかっていないことが多いので、現段階で、すごい慌てて、過度にパニックになって、「帰省やめよう」とか、「旅行はやめよう」、「会食をキャンセルしよう」と無闇に自粛モードに一気に振れちゃう必要はないです。
ユージ:もちろんね、出掛けなければ感染するリスクは少なくなるわけですよね。でも、今はそこまで意識しなくても、まだ大丈夫?
神庭さん:いいと思いますね。家から一歩も出なければ感染はしないんですけれども、そういうわけにはいかないですからね。でも、逆に「大丈夫、大丈夫、大したことないって!」と一気にガードを緩めちゃうのもこれも間違いで、しっかり脇をしめながらにはなりますけれども、そろりそろりと経済活動を再開していくしかないんじゃないかなと思います。
ユージ:年末年始の予定があった方もいらっしゃると思うんですけど、現段階では大幅に変える必要もないけども、オミクロン株っていうのが世界では流行しかけていて、日本にも来るかもしれないと念頭に置いた行動というのを心掛けた方がよさそうですね。
神庭さん:おっしゃる通りですね。情報収集を怠らずに、「まずいぞ!」ってなったらいつでも警戒レベルを上げられるように、心の準備だけしておいてほしいなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 8, 2021
『オミクロン株、市中感染を抑えるために必要な対策』
オミクロン株に関しての調査は世界的にも行われていますが、まだわかっていな いこともたくさんあります。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 8, 2021
ただ、一歩も家から出ない、誰とも接触しないなど過度に反応しすぎず、引き続き感染対策を続ける。そして、日々変化する情報に耳を傾け、しっかりと対策をしなければならない時が来たら、すぐに対応できるようにしておくことも重要だと思いました。