21.12.07
デジタル田園都市国家構想

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『デジタル田園都市国家構想』
吉田:昨日、臨時国会が召集され、岸田総理は衆院本会議で所信表明演説を行いました。そのなかで、自らが掲げる『新しい資本主義』の主役は地方だとして、デジタル化で地方から国全体へボトムアップの成長を実現する『デジタル田園都市国家構想』について語りました。
神庭さん、まずこの『デジタル田園都市国家構想』というのは何でしょうか?
神庭さん:東急田園都市線ともですね、玉置浩二さんとも特に関係はないんですよね。(笑)
ユージ:関係ないんですか!?(笑)
神庭さん:関係ないんです。もしかして関係あるのかなと思った方もいるかもしれないんですけれども、政府の資料によるとですね、こんなふうに説明されています。「地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながる」、「デジタル実装を通じた地方活性化を推進する」ということなんですね。
ユージ:あ~、なんかちょっと、わかったような気もしますけれども、わからないような気も…。具体的に教えていただいてもいいですか?
神庭さん:要は、“デジタルの力で東京一極集中を是正して、若者の働き口が少なかったり、産業に乏しい地方を元気にしていこう!”という話で、医療とか福祉とか、教育、あとは交通網などの問題も解決していきましょうという構想なんですね。これは岸田総理肝入りの政策で、とは言っても、まだちょっと具体的なイメージが湧かないと思うので、若宮担当大臣が実現会議に提出した資料からモデルケースを紹介します。
沖縄県与那国町の場合ですね、東京と与那国島をテレビ会議で結んで、東大生が現地の生徒を指導。3年間町営の塾を運営したところ、小中学生の全国学力テストの成績がグングン伸びて全国平均を超えたといった事例。
あとは、長野県伊那市の場合はですね、医療機器を装備した移動診察車に看護師さんが乗って、テレビ電話でお医者さんが遠隔地から患者さんを診察。あとは、配車プラットフォームを使って効率的なルートで患者宅を巡回する。といった、ちょっと近未来な感じの構想なんですよね。
ユージ:なるほど!このシステムができたら、場所がどこであってもいろいろできるようなシステムですね。
神庭さん:そうなんですよ!地方の課題を解決できるかもしれないですよね。
吉田:今回の構想について、課題などはあるのでしょうか?
神庭さん:『東京一極集中の是正』って、この何十年間、ず~~っと言われ続けてきたことで、今回の『デジタル田園都市国家構想』というのも実は元ネタがあって、1970年代、大平正芳さんという方が『田園都市構想』というのをぶち上げてて、それのリメイクバージョンなんですけれども、他にもですね、田中角栄さんの『日本列島改造論』であるとか、1990年代の『首都機能移転』、あるいは最近だと、安倍政権の『地方創生』とかですね、いろんな“地方を元気する”というコンセプトが浮かんでは消えてきたんですね。けど、みなさん見てわかる通り、全くと言っていいほど東京一極集中は是正されないわけですよ。なので、今回の『デジタル田園都市国家構想』というのは、過去のこういった沈んでいった、無くなっていった構想と何が違って、どうやったらその是正が実現できるのかという、具体的、あるいは、現実的なロードマップが求められているんじゃないかなと思います。
吉田:岸田総理には具体的な構想はあるのでしょうか?
神庭さん:ライバルの政策をどんどん吸収する岸田さんが『星のカービィ』みたいだなということで、以前指摘しましたね。ライバルだけじゃなくて、過去の先人たちのアイディアも貪欲にどんどん吸収するんですよ。
ユージ:星のカービィみたいっていうのは、吸収して、自分の体内に取り込んで、変身しちゃうみたいな?
神庭さん:そう、自分の技にするみたいな。それが星のカービィなんですけれども、岸田さんもそうやって貪欲にどんどん吸収していくんですが、今回の『デジタル田園都市国家構想』も宏池会の大先輩、大平正芳さんの構想を吸収したものなんですよね。あと、例えばでいうと、『令和版所得倍増計画』というのをぶち上げましたけれども、元ネタの池田元総理の『所得倍増計画』というのは文字通り倍増だったわけですけれども、岸田さんのは、所得倍増と言っていたけど、結局、『3%の賃上げ』ということで、スケールダウンしちゃっているわけですよね。急にスケールが小さくなっちゃうのが岸田さんの弱点だなと思っていて、今回の構想を推進するために、交付金を新設するんですけれども、その予算が200億円と言われていて、ただ、昨日、10万円の給付金を配るための事務経費だけで1200億円かかるという話をしたじゃないですか?それと比べるとどうしても、「たった200億円か…」という気はしちゃうんですよね。
ユージ:そうね、200億って数字としてのインパクトはあるけど、やろうとしている中身で見てみると、「えっ、200億でできるの??」っていう印象はありますね。
神庭さん:そうなんですよね、しかも、この200億円ってカラクリがあって、既にある『地方創生テレワーク交付金』というものを吸収することで見かけ上、増額しているだけなんですよね。元々、100億円って言っていたのを、“岸田さんが頑張るって言っているからってことで200億円にしました!”っていうふうに報じられているんですけれども、その200億円にも実は裏があると…。関連の交付金と合わせても計660億円ということで…。この『デジタル田園都市国家構想』は悪くないと思います、いいことばかり盛り込まれているんですけれども、非常に大きなビジョンなので、実現したら国が丸ごとつくり変わるような話なんですよね。少なくとも兆円単位の話だと思うんですけど、ビジョンのバカでかさに対して予算感がちょっとショボすぎて、どこまで本気なのか?と思っちゃうんですよね。昔のヒット曲のカバーが原曲よりショボかったりすると、残念な気持ちになるじゃないですか?だから、岸田さんにはぜひ、元の楽曲を上回る名アレンジを期待したいですし、なんならカバーじゃなくて、オリジナルソングを堂々と自信を持って歌い上げてほしいなというふうに思いますね。
ユージ:すごいわかりやすい例えだなぁ(笑)。確かにそうですよね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 7, 2021
「デジタル田園都市国家構想」
簡単にいうと「東京一極集中を是正して、若者の働き口が少なかったり、
産業に乏しい地方を元気にしよう、
医療・福祉・教育・交通網などの課題も解決していこう」という構想#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 7, 2021
現実的なところ、働く場所は東京でなくてもやっていけるわけで、
東京に集中している様々なことを地方に分散させる考えを進めるための予算が200億円。
給付金を配るために必要な予算が1200億円だと言われている中、
足りないのではないかということが懸念されています。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 7, 2021
?もしこの構想が、岸田総理肝いりの政策だというのなら、
アピールと予算の配分、説得力のます説明もプラスしてくれれば
素早く進むのではないかなと思います。
僕自身、この構想については賛成なので、スムーズに進めば良いなと思っています。
#ワンモ