21.11.22
政府が発表した「新たな経済対策」について
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
政府が発表した「新たな経済対策」について
吉田:先週金曜日に、政府は過去最大となる55兆7000億円の「新たな経済対策」を発表しました。そこで今回は、神庭さんに「経済政策」の内容、さらにどんなところに注目すればいいのか、解説していただきます。
ユージ:まず、過去最大規模と言われている「55兆7000億円」こちらの金額については、どんな感想を持たれましたか?
神庭さん:財政支出は過去最大の55.7兆円で、民間が使う資金も含めると78.9兆円。こちらも経済対策としては過去2番目の規模となります。岸田さんは「数十兆円規模の経済対策」という言い方をずっとしていて、「数十兆」という言い回し的に20兆円から多くて30兆円ぐらいなのかな?と思っていたので、55兆円という金額には少なからず驚きましたね。
「財務省の犬」とか「財務省のポチ」といった批判に対し、以前YouTubeで反論していたこともある岸田さんですが、朝日新聞の報道によると、今回の経済対策について財務省の幹部は「ズタズタに負けた。10万円給付よりもバラマキ色が強い」とこぼしている…ということなので、財務省との闘いには勝ったのかもしれないですね。ただ、大事なのは財務省とのバトル自体ではなく、確保した予算をいかに国民のために使っていくか?ということですよね。
吉田:改めて、今回の経済対策の具体的な中身について教えて頂けますか?
神庭さん:まずは給付金ですと
【 18歳までの子どもに1人10万円相当の給付金を配る 】
こちらは「年収960万円未満」という所得制限があるのですが、これは「世帯」でも「世帯主」でもなく、世帯の中で一番稼いでいる人の額でみるということで、夫婦共働きで「夫が950万円」「妻が950万円」で世帯合計1900万円の収入があっても、子どもが2人いれば20万円もらえます。一方で「夫が960万円」「妻は専業主婦で収入がない」という場合は、子どもがいても一銭ももらえない、ということなんです。もともと子どもがいない世帯や独身世帯からは不満の声が出ていましたが、これは子育て世帯の間でも不公平だと分断が広がっています。
また「緊急」「スピード感」と言っていますが、10万円の給付金のうち半分の5万円はクーポンとして来年の春までに支給されるということで、本当に緊急だったらもっと早い段階で配っていたはずですので、来夏の参院選に少しでも近づけるために支給を遅らせているのではないか?といううがった見方をしてしまいますよね。
今回の経済対策にはこのほかにも
【 住民税非課税世帯に1世帯あたり10万円支給 】
【 困窮する学生へ緊急給付金10万円支給 】
【 マイナンバーカードの取得や保険証・口座との紐付けで最大2万円のマイナポイント付与 】
【 生活困窮者自立支援金を条件付で最大60万円支給 】
といった給付策が盛り込まれています。
ユージ:他にも、保育士さんや看護職員の方たちなどの賃金引き上げもありましたよね。
神庭さん:これはとてもいいことですよね。コロナ禍での“エッセンシャルワーカー”と呼ばれる人たちの大きな貢献と負担に対して、待遇がまったくエッセンシャルでないことが浮き彫りになった訳で、合計3000億円を投じて、介護・福祉関係や保育士、幼稚園教諭らの賃金を来年2月から3%、月にして9000円程度引き上げます。また、看護師は将来的に3%の引き上げを見込んでいますが、来年2月時点ではまず1%、月にして4000円程度の上昇にとどまりそうです。これらの業界は慢性的な人手不足もありますので、担い手を集めるためにも賃上げは必要ですね。
経済対策では、これ以外にもリスキリング(学び直し)など、人材分野への投資として3年間で4000億円を出すとしています。また、コロナで打撃を受けた非正規雇用者10万人を対象に、成長分野への転職支援に取り組むということです。
吉田:最後に、神庭さんは今回の「新しい経済対策」をどう見られていますか?
神庭さん:規模ありきで、数字だけ積み上げることにはあまり意味がないと思っていて、2019~20年度に「新型コロナ対策」として組まれた65兆円の予算のうち、3割にあたる22兆円が未執行で大半がそのまま繰り越されたんです。その都度「数字をつくる」ことだけを考えて予算規模を膨らませているから、みんなが困っている時にお金を余らせて行き届かないという本末転倒な事態になってしまったと思います。これは「幽霊病床」の話と一緒で、「こんなにたくさん病床数を確保しました!」「でも実際受け入れられるのはこれだけでした。ごめんね!」みたいな感じで、帳尻合わせでその場の「やってる感」を演出しているように思えます。こういう悪しき「数字つくり文化」を繰り返していると、後からしわ寄せがやってきます。何より大事なのは実効性であって、ただただ数字を膨らませてみても張子の虎では仕方がないですよね。
また、はっきりした成長戦略が見えないのも気がかりです。アメリカもコロナ禍で莫大な予算を組んでいますが、グリーン分野や再生エネルギーなど、成長分野に集中的に投資しています。
みんなを喜ばせようとして、結局誰も喜ばない経済対策になってしまった…ということにならないよう、来月の臨時国会での活発な議論に期待したいですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 22, 2021
テーマは、
先週金曜日に発表された「新たな経済政策」について
今回の経済対策について、今日の話を聞いてまず気になったのが、年収960万円未満の所得制限についてです。
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 22, 2021
また、保育士や看護職員などの賃金引き上げもありましたが、こちらについてはこれからさらに人手が必要な分野でもあるので、なるべく早く行ってほしい対策だと感じました。
#ユジコメ⑤
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 22, 2021
やり方に問題はあるにせよ、各分野への給付、
賃金の引き上げには行っていくべきだとは思いますが、
一方で、議員間の中で問題となっている文書交通費など、
必要ない所に支給されすぎているお金もたくさんあるので、
その見直しも同時にしていけたらいいのかなというのが僕の考えです。