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21.11.18

文書交通費、在職1日で100万円支給
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【文書交通費、在職1日で100万円支給】

吉田:国会議員に毎月100万円支払われる「文書通信交通滞在費」、いわゆる「文書交通費」をめぐって、批判が強まっています。これは先月31日の衆議院選挙で当選した新人議員にも10月分が全額支給されたことを問題視したもので、在職1日で100万円を受け取ることは国民の理解が得られないとし、各党は寄付などの対応をとる方針です。


ユージ:神庭さん、そもそも「文書交通費」とは何なのでしょうか?


神庭さん:正式名称は「文書通信交通滞在費」。国会議員には、給与やボーナスにあたる歳費(つまり給与)が、年間でおよそ2,100万円払われでいますが、それとは別に、議員活動に必要な経費として毎月100万円の「文書交通費」が支給されています。年間で1,200万円。電話代や交通費、郵便費、地方選出の議員なら東京での滞在費といった使い道が想定されています。文書交通費は非課税のうえ、使途を公開する義務もないので、ブラックボックスになっているんです。歳費の方は日割り計算があるのに、文書交通費は日割り規定がないので、国会議員の職についていたのがたった1日だとしても満額が支給されます。このため「議員特権」「第二の給与」「国会議員のお小遣い」といった批判の声が大きいんですね。


ユージ:これ、前からある制度ですよね?今回、問題視されるようになった経緯を改めて教えてください。


神庭さん:先日の衆院選で初当選した、維新の小野泰輔議員が「国会の常識、世間の非常識」と題したnoteで
《10月31日に当選したということで、歳費(いわゆる給料)は日割り計算(約3万円)となっているのですが、文書通信交通滞在費は、満額の100万円が支払われました。しかし、これは世間の常識からしたらおかしいことです》
と問題提起したところ、維新の副代表でもある大阪の吉村知事が、Twitterで「これが国会の常識。おかしいよ」と呼応し、一気に拡散されました。その後、実は吉村さん自身も2015年10月1日に衆院議員を辞職した際、在職1日で100万円を受け取っていたことが発覚して「ケジメがつかない」として、全額寄付する意向を明らかにしました。
余波は各党に広がっていて、自民党の茂木幹事長は「常識的には全額返金してもらうんだと思う」と発言。公明党の山口代表も、新人議員や元職について100万円を寄付する考えを示しました。立憲民主は日割り支給を可能にする法案を12月の臨時国会に提出する構えでいて、言い出しっぺの維新や国民民主も、日割り給付を可能にする法改正を目指しています。吉村知事はブーメランにはなってしまいましたが、結果的に与野党問わず改革の機運が高まったので「問題提起」としての意味はあったのではないかと思います。


ユージ:今後、どう改革すべきだと思いますか?


神庭さん:歳費と同じように、日割りにするというのは最低条件だとは思いますが、そもそも領収書なしで自由に使えるお金を月に100万円ポンと渡してしまうこと自体が異常だと思っています。議員としての活動に必要不可欠な経費だと言うなら、領収書の添付を義務づけたうえで前払いではなく、実際にかかった費用についてのみ後払いで精算すれば十分なのではないかと思います。コロナ禍で苦しんできた国民が、ようやく10万円もらえる・もらえないという議論しているなかで、しかも制限が色々つくなかで、新人国会議員は仕事もしないで100万円ですか…と思うと、ため息が出ちゃいますよね。


ユージ:そもそも100万円は領収書とか提出したうえでもらえるものというのが普通は常識じゃないですか?領収書チェックすると仕事が増えちゃうんですかね…。


神庭さん:ブラックボックスがあった方が国会議員側からしたら便利なんでしょうけど、それは無くしていくべきだと思いますね。


吉田:一方で「身を切る改革」という言葉、よく耳にしますよね。


神庭さん:政治とカネを厳しくチェックして、無駄遣いがないか監視するのはとても大事なことです。歳費や文書交通費を適切な額に減らすとか、そういう改革はどんどん進めたらいいと思います。一方で注意点もあって、「身を切る改革」「議員定数削減を」というのは非常に聞こえがいいので、わーっと拍手を送りたくなりますが、国会議員の適正数がどれくらいなのか、本当に多すぎるのかは別途吟味しないといけないと思っています。少し古いデータにはなりますが、2015年の時点での各国の人口100万人あたりの国会議員数を比較すると、日本は5.66人で、154カ国中135位。世界的にはむしろ少ない部類に入るんです。国会議員が減れば、その分だけ国民の声を吸い上げる代表も減るということなので、議論の前提となるデータをきちんと精査する必要がありますね。


吉田:何でもかんでも切ればいいって話ではないんですね。


神庭さん:「身を切る改革」の範囲を、どこまで広げるかもポイントです。政治家は別にして、官僚・公務員もどんどん減らしましょう、給料下げましょう、…とやっていくと優秀な人材が集まらなくなります。日本の平均年収が30年でほとんど伸びていないなかで、公務員を減らせ、給料を下げろということやっていくと「みんなで平等に貧しくなろう」という話になってしまいます。政治家が「身を切る」と言っている時に、「身」に何が含まれているのか、しっかり見ておかなければならないと思います。



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