21.11.15
抗原検査キットのネット販売解禁

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【抗原検査キットのネット販売解禁】
吉田:東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、政府による「ワクチン・検査パッケージ」の技術実証に対応したパークチケットを今日、午後2時からオンラインで販売します。チケットの購入者は身分証明書に加え、ワクチン接種記録やPCR検査の陰性証明書、抗原検査の陰性証明書のいずれかを入場時に提示し、証明書がない場合は入園できません。「ワクチン・検査パッケージ制度」は、ワクチン接種証明などを使って緊急事態宣言の行動制限を緩和する制度で、接種証明や陰性結果を示した人は感染の可能性が低いとみなし、一定の条件下でイベントの参加や都道府県をまたぐ旅行などが認められます。
ユージ:この「ワクチン・検査パッケージ制度」、どんどん広がっていきそうですよね。また、PCR検査や抗原検査も、もっと身近なものになっていきそうですよね。
吉田:そんななか、PCR検査に比べて簡単に結果が出る抗原検査キットのネット販売解禁に注目が集まっているようなんです。神庭さん、これ、どういうことなんでしょうか?
神庭さん:9月に薬局で販売が認められました。政府の規制改革会議は薬局だけでなくネット販売も解禁するようも求めています。河野太郎・元規制改革担当大臣は9月末の記者会見でこんな風に述べていました。「これでは十分では全くありませんので、検査キットがインターネットやドラッグストア等でさらに簡単に入手できるように、一般用医薬品、いわゆるOTCへの変更をしなければなりません。新型コロナウイルスが日本に上陸してこれだけの日数が経っている中で、必要と思われる規制が改革されていないというのは、大変由々しき問題だと思っております」
一方、同じ政府でも厚労省は検査キットのネット販売に慎重な姿勢を示しています。医師や薬剤師も同様で、ネット販売解禁には慎重論が根強いんですね。
ユージ:なぜ慎重論が出ているんですか?
神庭さん:精度の問題が大きいです。結果が出るまで数時間かかるPCR検査と違って、抗原検査は15分から30分で結果が出ます。手軽で便利なのは確かですが、抗原検査の判定のためにはPCRに比べてより多くのウイルス量が必要。無症状の場合、体内のウイルス量が少ないため、実際には陽性なのに陰性と出てしまう「偽陰性」の恐れがあるんです。そういう「すり抜け」が起こることを知らないと、「これで安心」と油断して飲みに行ったりして、周囲にウイルスを撒き散らしてしまうかもしれません。つまり、抗原検査で陽性であることはわかっても、「念のための安心材料」として陰性を確認するのには向かないんですね。
吉田:となると、抗原検査はどんな時に使うものなんでしょうか?
神庭さん:厚労省は抗体検査キットについて「症状がある場合は医療機関を受診することを原則とし、家庭等において、 体調が気になる場合等にセルフチェックとして使用するもの」という風に表現しています。厚労省は、キットを販売する薬局に対して、購入者に次の点を伝えるように求めています。
・陽性であった場合は、医療機関を受診すること
・陰性の場合でも、偽陰性の可能性も考慮し、症状がある場合には医療機関を受診すること
・症状がない場合であっても、引き続き、外出時のマスク着用、手指消毒等の基本的な感染対策を続けること
こうした点について、検査を受ける人に丁寧に説明することが重要ですが、ネット販売だとそれが難しいんですね。そこが厚労省や医療界の懸念点になっているということです。
ユージ:このほかに抗原検査について、注意すべき点、何かありますか?
神庭さん:抗原検査キットには、国が承認した「体外診断用医薬品」ではなく、「研究用」と銘打ったものがあってネット通販や薬局でも「研究用」が堂々と売られています、これも気をつけてほしいです。過去には、あたかも国の承認を受けているかのように表示していた「研究用」キットの事業者が行政処分を受けたケースもあります。
消費者庁と厚労省はこんな風に注意喚起しています。
《「研究用」として市販されている抗原検査キットは、国が承認した「体外診断用医薬品」ではなく、性能等が確認されたものではありません。また、「研究用」は、新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としているものではありません》
吉田:最後に、第6波に向けて神庭さんが注視していること、何かありますか?
神庭さん:抗原検査に限らずPCRもですが、あくまで検査を受けたその時点での陰性・陽性を判定するものなんですね。そこから「飲み会に行く」「ライブやイベントに行く」といったアクションをとるまでの時間はできるだけ短い方が望ましいです。1日、2日、3日と期間が空けば空くほど、せっかく陰性でもその後に感染してしまう確率は上がっていきます。ワクチン検査パッケージを本格導入する際に、そこのタイムラグを何日以内に設定するのかについて関心を持っています。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 15, 2021
テーマは、
「抗原検査キットのネット販売解禁」について
抗原検査キットの懸念される点として、PCR検査よりも精度が少し劣るということがあります。そのため、本来陽性の可能性がある人が陰性と表示されてしまう恐れがあります。
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 15, 2021
今回東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでも
チケットの購入者は身分証明書に加え、ワクチン接種記録やPCR検査の陰性証明書、抗原検査の陰性証明書のいずれかを
証明できれば入園できるという取り組みが始まりました。
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 15, 2021
この証明方法が写真を撮れば良いということなのですが、
穿った見方をすると、写真だけでは本当に検査しているのかが分からない、如何様にでもできてしまうのではないか、
というのが心配な部分でもあります。
#ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 15, 2021
いずれにしても、検査キットが流通していくことは
無検査よりは間違いなく良いことだと思います。
今後、抗原検査の精度の向上、PCR検査を身軽にする方法、証明のための検査を写真ではなく実際に行うなど、改善されていくことを期待しています。