21.08.26
一斉休校は『子育て罰』? 夏休み明けの学校運営

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
一斉休校は『子育て罰』? 夏休み明けの学校運営
吉田:新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は小中学校に対して、全国一斉の休校要請はしない考えで、各自治体に必要な範囲で休校を検討するよう求めています。政府が対応を委ねる形となり、夏休み明けの学校再開に向けて全国の自治体が対応に追われています。
そんな中、日本大学の末冨芳教授が、一斉休校に対し「子育て罰」という言葉を用いて警報を鳴らしています。末冨さんによると「子育て罰」とは、子供を持つ女性の賃金がとても低くなってしまう問題のことで、それは女性だけでなく、国の経済成長を妨げてしまうほど深刻な問題である、ということです。
ユージ:小中学校の一斉休校は「子育て罰」だと話す末冨さんに、そのリスクについて伺いました。
末冨さん:一斉休校については、2020年の安倍前総理の時の一斉休校が、まさに女性に「子育て罰」を課していて、今も親子の生活を苦しめている原因になっているんですね。学校を休めば子供の虐待リスクを高めるし、そうでなくても家に子供を長期で閉じ込めておくのは、ものすごい心身の不安だとか、友達と自由に会えないので孤独感を感じます。おそらく自殺リスクも、虐待リスクも高めてしまうだろう、ということだったんです。
そして現実に起きていることは、その通りのことしか起きていなくて、虐待件数も増加しています。ですので、今ここで何も考えずに「一斉休校」をやることは、去年の一斉休校の悪夢を繰り返すことでしかない、もう一回親子に「子育て罰」を課すことでしかないと。やはり親子を「子育て罰」みたいな目に合わせないためには、「給食は提供して短縮授業をする」とか、親子に優しい形で学びを続けるということ自体がとても大事だと思います。
吉田:一斉休校が「子育て罰」だと言われる背景には、去年の一斉休校で子育て女性の「失業」が深刻になったことも挙げられます。神庭さんは末冨さんのお話を伺って、どう感じられますか?
神庭さん:去年春の一斉休校は、科学的な根拠が乏しいまま突っ走って、多くの家庭に負担、ダメージを与えました。子どもの教育を受ける権利は非常に大切で、子どもの自殺が増えているとかDVの危険とかも含めて無視できない要素なので、「とりあえずやってる感」で学びの場を潰すことは許されないことだと思います。
一方で、非常に感染力の強いデルタ株の登場で、フェーズが変わってきた面もあります。今回の「波」では10代以下の感染が目立っていて、主に大学生や高校生が中心ですが、学習塾でのクラスターも発生しており、今後小中学生に広がっていくことも懸念されるかなと思っています。
ユージ:こういう状況の中、どんな対応が考えられますか?
神庭さん:去年の「一斉」休校の教訓・反省を生かして「限定」休校をするというは、ひとつの選択肢としてあるかなと思っています。
一つ目は、まず「エリア」を絞る。緊急事態宣言の出ているエリアなど、感染拡大してる地域に限る、とかですね。二つ目は「年齢」を限定する。たとえば高校生以上、中学生以上に限るなど。年齢が高くなるほど行動範囲が広がって、感染を広げるリスクが高まります。小学生(特に低学年)は、一人での留守番は困難で、オンライン授業だとしても、親がつきっきりで世話を焼く必要があり、共働きなら休まざるを得ません。中には、医療・福祉などエッセンシャルワーカーの家庭もあり、社会全体への影響が大きいだろうと思います。最後に「期間」を限定するということです。去年の一斉休校は「終わりの見えなさ」がメンタル的にも、経済的にも多くの子ども・保護者にダメージを与えたので、例えば2週間限定、1ヶ月限定など、期間をあらかじめ明示してそれを厳守し、その間にワクチン接種を爆速で進める。教職員や学校に出入りする人、保護者らにワクチンを接種する。昨年の3ヶ月間の一斉休校というのは、科学的にほとんど無意味だったと思いますが、ワクチン接種のための時間稼ぎということで1ヶ月の「限定休校」をするのは、去年に比べればずっと意味があるし、保護者の理解も得られやすいのかなぁと思いますね。
吉田:確かに、期限を決めれば、ひょっとしたら仕事を辞めるという選択以外の方法も取れるかもしれませんよね。また末冨さんも、休校を行う際には、「生活困窮世帯」や「虐待リスクのある子どもたち」に向けた、食事や居場所のサポートが重要だ、とおっしゃっていました。
ユージ:現在、学校はどんな対応をとっているんですか?
神庭さん:東京では、渋谷区・江東区・調布・日野・多摩などの市立小中学校が、夏休みを延長しています。神奈川でも、横浜・川崎・相模原などが、市立学校の休校や夏休みの延長をしていますね。横浜は、夏休みに入ってからの1ヶ月で800人の児童・生徒の感染が確認されているので、やむを得ない措置なのかなと思います。他にも、複数の自治体が、「2学期の開始を延期する」「分散登校する」「オンライン授業を活用する」といった対応をしています。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
「夏休み明けの学校運営」について
去年は、一斉休校があって、これはもちろんコロナ感染拡大を防ぐために行われたので、感染拡大防止に関しては有効的な手段だったかも知れないけど、コロナだけが向き合うべき問題ではないんです。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
子供を育てている親にとっては、子供が家にいる時間っていうのは、誰かが面倒を見ていないといけない。仮に、共働きだった場合、誰かが仕事を休まないといけない状況になってしまい、そのまま休んで仕事復帰ができれば良いんですけど、#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
「復帰できなかった」、「退職せざるを得なかった」と言う例もたくさんあります。また、仕事の面で苦労されている方は現在もいます。そんな中もう一度、一斉休校をしましょうとなったときのことを考えてしまうと、さまざまなリスクが予想されるんですね。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
今回の一斉休校は、前回の反省を教訓にするのであれば、まずはエリアを見極めていく必要があると思います。あとは、年齢もどの年代が感染リスクが高いかなど数字で出ていますので、年齢別にするというのも1つの方法。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ⑤
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
あとは、「家庭ごとに必要な措置が違ってくるため、同じ枠組みで決めないと進まない仕組みに問題があるのでは?対面授業が必要な子は登校して、リモートの子は家庭でと柔軟に対応できないのか?」と言うメッセージが来ました。僕も同じ事を思いました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ⑥
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 26, 2021
一斉休校どころか、学校単位で変えていく必要がある。もっと言うと、学校の中でさらに対応を変えていくっていうのが、一つ方法としては、ありなんじゃないかなと僕は思いました。#ワンモ