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21.07.01

ヘイトスピーチ解消法、残された課題
nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan News」の記者・籏智広太さんにお話を伺いました。籏智さんは2回目のご登場!ヘイトスピーチや沖縄基地問題、戦争体験などの分野を中心に取材をされていて、とくにインターネット上の言説のファクトチェックに力を注いでいらっしゃいます。そんな籏智さんが注目した、本日の話題はこちら!


ヘイトスピーチ解消法、残された課題

吉田:特定の人種や民族への差別をあおる言動をなくすため、国や自治体に取り組みをうながす「ヘイトスピーチ解消法」が施行されて、6月でちょうど5年という月日が経ちましたが、インターネット上での差別的な書き込みなどは後を絶ちません。


ユージ:籏智さん、改めて「ヘイトスピーチ」とは具体的にどのような言動を指すのでしょうか?


籏智さん:はい。特定の民族や国籍の人々を、合理的な理由なく一律に排除することをあおり立てるものですね。例えば「国へ帰れ」といった言葉を用いるなどが該当します。それだけではなく、特定の民族や国籍の人々に対して具体的な危害を加えるものだったり、特定の国の出身者を差別的な意味合いで昆虫や動物に例えたり、著しく見下すような内容のものですね。それを聞いた人たちが悲しんだり、恐怖や絶望感を感じるものが該当すると思います。


ユージ:こういった差別をあおる言動をなくそうと「ヘイトスピーチ解消法」が2016年に施行されましたが、こういった法律を作る背景には、何があったのでしょうか?


籏智さん:日本にはそれまで、人種差別に関する法律がなかったんですね。2016年に施行された「ヘイトスピーチ解消法」は“理念法”といって罰則のない法律なんですが、それでもこの法律が出来たことには大きな意味があったと言えます。
日本も加盟する「人種差別撤廃条約」では、差別を禁止する法整備が求められているんですが、日本はそういった動きが欧米に比べて後手になっていました。一方、欧米では「ヘイトクライム」というのが早くから問題視されていましたので、具体的な罰則があって「差別は犯罪である」という法律がある国が多くなっています。


吉田:「ヘイトスピーチ解消法」は罰則のない理念法ですが、この5年で成果はあったのでしょうか?


籏智さん:そうですね。一定の効果はあったといわれていまして、具体的には、在日コリアンの方たちが集住する地区を狙ったデモで過激な発言が減った、という話もあります。特に神奈川県川崎市では、ヘイトスピーチを繰り返す街宣デモが頻発したことで、日本で初めて刑事罰を科す差別禁止条例を設けています。また、大阪市でも独自に条例を制定していまして、5年間で9件を「ヘイトスピーチ」と認定し、ネット上の動画や投稿を削除させて、団体や個人名を公表しました。同様の条例は東京にもあります。


吉田:少しずつ効果が表れているようですが、それでもまだ課題は残っている、ということですね。


籏智さん:そうですね。路上のデモが減ったとはいえ、いまだに街宣活動が開かれることがあります。法律に規定された「露骨な表現」を避けて、差別や排斥を訴えるような事例が増えているように思いますね。あとはインターネット上の「ヘイトスピーチ」です。やはり解消法ではどうしても規制しきれない部分があって、被害者の方々にとって大きな苦しみの要因になっています。


ユージ:そうか。最近はインターネット上での「ヘイトスピーチ」も深刻な問題になっているんですね。


籏智さん:在日コリアンの学生を支援している「朝鮮奨学会」というところが、昨年アンケートを実施したんですけれど、高校生・大学生のうち半数以上が「ネット上のヘイトを見た」と答えていて、そういうのが嫌でサイトの利用を控えた、という人が23.7%。4人にひとりが、ネット上の差別が怖くてサイトを使うのを止めてしまう、という実態もあるということなんです。


ユージ:それはもうすごく残念な話ですね。「ヘイトスピーチ」によって傷つく人がたくさんいる訳ですから、早くこういったものがなくなると良いですね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







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