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21.06.24

改正国民投票法
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan News」副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


【改正国民投票法】


吉田:憲法改正の手続きを定める「改正国民投票法」が今月11日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。今後は、具体的な“憲法改正論議”に入るかどうかが焦点となっています。


ユージ:神庭さん、今回の改正の経緯について、教えて頂けますか?


神庭さん:憲法を改正するためには、国会で衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成を経たあと、「国民投票」によって過半数の賛成を得ることが必要になります。その国民投票の細かい手続きを定めたのが「国民投票法」で、2007年に成立し、2010年に施行されています。今回の改正は、駅構内やショッピングセンターに投票所を置けるようにする、投票所に入場できる子どもの対象年齢を広げる、といった内容が盛り込まれていて、これらの施策は、普通の国政選挙ではすでに導入されていて、「国民投票でも同じようにできるようにしましょう」というのが法改正の主な内容になっています。2018年に法案が提出されてから、ずっと継続審議になっていたんですが、実に3年をかけて、ようやく成立したという状況です。


吉田:投票しやすくなるなら、いい法改正だと思うんですけど、何故それほど長い間揉めていたんでしょうか?


神庭さん:自民党にとって、憲法改正は、結党以来の悲願。一方、憲法を守りたい「護憲派」の一部野党は、改憲に強く反対してきたんです。安倍前総理はとくに改憲に前向きだったので、野党の反発でなかなか話し合いが進まなかったんですが、菅さんは、安倍さんほど憲法改正に前のめりというわけでもなく、「それなら」ということで話が動き出した面もあります。「憲法改正」に反対であれば、国民投票をすることになった段階で、大々的に反対運動を起こして、世論を喚起すればいいだけの話なので、国民投票の手前の手前の手続き論で足止めして、“議論の入り口にも立たせない”というやり方は無理があるな、と。これまで審議に応じてこなかった、立憲民主党が、態度を軟化させたのは、「さすがにこれ以上、引っ張れない」ということではないかと思います。


吉田:「CM規制」についても、議論になっていましたね。


ユージ:国民投票の投票運動は、60日~180日と長いんです。このうち、投票直前の14日間については、投票を呼びかけるCMが禁止されているんですが、それ以外の期間については、現行法で特に規定がないので、野党の側は、資金力で勝る与党側が、ガンガンにテレビCMを打つことで、世論が改憲に傾くことを警戒しています。そのために条件を付けて、立憲は、CM規制などに関して、「施行後3年をめどに検討し、必要な措置を講じる」という内容を付則に入れるよう提案して、自民がこれをのみました。附則っていうのは、法令の主要事項に付随する事項を定めた部分のことですね。


ユージ:CMの方も規制されるかもしれない、ということですか?


神庭さん:たくさんCMを打ったら、視聴者は完全にコントロールされてしまうのか?というと疑問があって、逆に反発を抱く可能性もある気はするんですが、公平性の観点から、CMの量をできるだけ均等にするとか、それができないならいっそCMはすべて禁止としてしまうことも選択肢なのかなと思います。国の形にかかわる大きな話なので、低い投票率で押し切られてしまうことがないよう、「最低投票率」を設けることを考えてもいいかと思います。


吉田:今後の課題は、どういったことでしょうか?


神庭さん:一番の不幸は、憲法が、左右のイデオロギー対立の道具になってしまっていることなんですね。保守派・改憲派は、「家族は互いに助け合わなければいけない」といった伝統的な家族観を憲法に盛り込もうとしたり、コロナ禍の混乱を憲法のせいにして、緊急事態条項を策定しようという動きがあります。
一方、左派・護憲派は、「平和憲法」を掲げ、憲法を一文字でも変えたら、今すぐ戦争が起こるかのように言いふらしているわけですよね。ですが、そもそも「憲法」というのは、統治権力への命令規範。国や公権力が暴走して、国民の自由や権利をないがしろにしないように「縛り」をかけるための約束。「法律の偉いバージョン」ぐらいに誤解している人もいますが、法律の多くは国民を縛るもので、憲法は国を縛るもので、ベクトルがまったく逆なんです。
この原則、「そもそも論」を理解していれば、憲法に家族観を盛り込んで、国民の自由や価値観を規制しようという発想にはならないはずですし、また逆に、「自衛隊の存在を憲法にしっかり明記することで、暴走しないように一定の縛りをかけよう」とか、《 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する 》という条文は、多様性の時代にそぐわないから「両性の」はカットしよう、などの改憲案が出てきたっていいと思うんですよね。現状、左右両極端な人たち、政治好きの人たちの議論になってしまっているので、もう少し普通の人たちがタブー意識なく、語り合えるといいかなと思います。


ユージ:本当ですね、普通の感覚だったら「両性の」の部分はカットしてもいいじゃん、と思いますがそんな簡単にパッと切れるものじゃないんですよね。


神庭さん:憲法を変えるのは非常にハードルが高い状況になっているので、タブー意識が薄まっていけばいいなと思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。







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